80年代半ばの足音
80年代の半ばにすい星のように姿を現し、巨大な衝撃と今も色あせない鮮烈な記憶を残したアーティストを振り返るシリーズ。尾崎豊さん、渡辺美里さん、岡村靖幸さんに続きまして、今回は吉川晃司さんの2日目。
昨日はデビュー当時の吉川さんの曲と思い出について書きました。チェッカーズのフミヤさんに唯一匹敵するほどのものすごい人気でしたし、それも当然とうなずけるビジュアルとパフォーマンスでしたね。
しかし、私が中学生になった頃から徐々にテレビの歌番組のパワーが落ち始め、時を同じくしてアイドル界隈もおニャン子クラブの大ブームでクラスの日常の延長線かつ部活のノリそのままの、普通っぽさとグループ化がトレンドとなり、いわゆる「アイドル冬の時代」へと向かい始めます。
私もこの頃は中学生になっていて、まさにおニャン子直撃世代。「夕やけニャンニャン」は立ち上がりからみて人気が爆発する様をみていたわけではなく、ある程度人気が出てからみるようになりましたが、それでもまだ司会は鶴太郎さんだったのでそこまで遅くもない感じですかね。まあでも、やっぱり目当ては当時人気の絶頂だったとんねるずでしたね。とにかくとんねるずがみたかった。
おニャン子ブームと並行してバンドブームもどんどん勢力を拡大していき、私もそうですけど当時の中高生はおのずと従来のアイドルからミュージシャンに興味の対象が移っていったと思います。
しかし、「アイドル」というと何だか軽く聞こえるし、当時はテレビで当たり前のように毎日拝見していたのでそこまで深くは考えなかったけど、60年代、70年代の文化と生産工程を継承した大きなプロダクションから出てくる80年代のアイドルって本当に選び抜かれた一級品の実力者ばかりなんですよね。
全国規模のオーディションを勝ち抜いたうえで厳しいレッスンで磨きに磨き上げられて世に出てくる方たちばかりなんだから当たり前と言えば当たり前なんですけど、とにかく当時の映像を今あらためてみると
「こんなに可愛かったのか!」
「こんなに歌が上手かったのか!」
「こんなにスタイルが良かったのか!」
と驚くことばかり。
しかも、誰もが知るトップアイドルだけでなく、紙一重で売れずに今ではB級アイドル、幻のアイドルみたいな扱いの方でも総じてそう感じるところに当時のレベルの高さを思い知らされます。
そうした正統派の芸能人、巨大なプロジェクトの中から出てくる選ばれしアイドルから、放課後を共有するようなアイドルへのシフトが今にして思えばいいことだったのかどうなのかは分かりませんが、当時は熱狂したし夢中になりましたね。
吉川さんやチェッカーズは実力派でアーティスト寄りの存在ではあったけれど、イメージとしてはバリバリのアイドル。バンドブームで出てきた粗削りなインディーズ感などが最初からまるでない、超メジャーな存在だったことがかえってこの時期の影を薄くしたような気がします。
もちろんファンはしっかりと根付いていてフェードアウトしていくことはなかったけど、個人的には気になる存在ではなくなっていた気がします。
が、そんな時代の真っ只中の1988年12月。吉川さんはいきなり元BOØWYのカリスマギタリスト・布袋寅泰さんとのユニット“COMPLEX”結成を電撃発表!当時の若者を騒然とさせました。これは本当に起死回生、会心の一撃になりましたね。
おふたりは以前から親交が深かったとのことですが、ファンにとっては意外な組み合わせで、果たしてどんな音楽がリリースされるのか予想もできない波乱含みのビッグニュースとなりました。
長くなりました、続きは次回へ☆
