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もっちゅりんの話 | なぜミスドの“もちもち”は社会現象になったのか

最近、ミスタードーナツの「もっちゅりん」が異常に話題になっている。

「売り切れで買えない」
「予約サイトが繋がらない」
「また争奪戦」

SNSではそんな言葉が並び、もはやドーナツというより“イベント”になっている。

でも面白いのは、これが高級スイーツでも、限定コラボでもなく、“食感”が主役の商品だということ。

なぜ、ここまで人を惹きつけるのか。

今日は、もっちゅりんを「ただの流行」で終わらせず、ミスドの戦略や、日本人の感性、SNS時代の消費構造まで含めて考えてみたい。



そもそも「もっちゅりん」とは何なのか

「もっちゅりん」は、2025年にミスタードーナツ55周年記念商品として初登場したドーナツシリーズ。

最大の特徴は、“もっちゅり食感”。

ミスド公式は、
「弾力のある食感と、やわらかい食感を同時に楽しめる」
ことを特徴として説明している。 (グルメ Watch)

重要なのは、ここで「もちもち」ではなく、“もっちゅり”という新しい言葉を作ったこと。

これ、実はかなり上手い。


ミスドは“食べ物”ではなく、“体験”を売った

普通のドーナツ商品なら、

「濃厚クリーム」
「期間限定」
「〇〇産素材使用」

みたいな訴求になる。

でも、もっちゅりんは違った。

主役は味ではなく、“食感”。

つまりミスドは、「何味か」ではなく、
“初めての感覚”を売った。

これは現代SNSと非常に相性がいい。

なぜならSNS時代、人が拡散したくなるのは、
「美味しかった」より、
「なにこれ?」だから。

実際、SNSでは

「ドーナツじゃない」
「食感バグる」
「意味分からんくらい伸びる」

みたいな、“説明不能な感覚”が拡散されていった。

つまり、もっちゅりんは「商品」ではなく、
“リアクションを生む装置”として成功した。


“もっちゅり”というネーミングが強すぎた

さらに面白いのがネーミング。

「もちもち」ではなく、
“もっちゅり”。

この少し気持ち悪くて、かわいくて、口に残る言葉。

実はこれがかなり重要だった。

PR分析でも、「もちもち」という一般ワードではなく、“もっちゅり”という独自ワードを作ったことで、競合と違うブランド記憶を獲得したと分析されている。 (PR EDGE)

人は、説明より“語感”で記憶する。

ポン・デ・リングもそうだった。

ミスドは昔から、「食感」に名前を付けるのが上手い。

そして名前が独特だと、人はSNSで言いたくなる。

「もっちゅりん買えた」
「もっちゅりん無かった」

この言葉自体が、すでにミーム化している。


売り切れ続出は、偶然ではなく“物語”になる

2025年の初登場時、もっちゅりんは売り切れ店舗が続出した。 (グルメ Watch)

結果として、

「買えなかった」
「幻のドーナツ」
「また売り切れ」

という体験そのものが、商品価値になっていった。

これは現代マーケティングで非常に強い。

なぜなら今は、“所有”より“参加”が価値になる時代だから。

昔は、
「美味しいから売れる」だった。

今は、
「みんなが追ってるから追いたくなる」。

つまり、もっちゅりんは“共通体験化”した。

実際、2026年の再販時には、ネット予約にアクセスが殺到し、待機時間が発生するほど話題になった。 (coki)

これ、ほぼライブのチケット争奪戦である。


ミスドが上手かったのは、“再販”の設計

さらに上手いのは、2026年の再販戦略。

ミスドは、
「去年買えなかった人」
をちゃんと物語に組み込んだ。

そのため、今回はネットオーダー予約を前倒しで開始。 (オリコン)

つまり、

“去年食べられなかった悔しさ”

“今年こそ”

という感情を再利用した。

しかも、新作「いちご」を追加し、第2弾も予告。 (グルメ Watch)

これは単なる再販ではない。

“去年の熱狂を、続編化した”のである。


なぜ日本人は、こんなに“もちもち”が好きなのか

ここも重要。

実は日本人は昔から、“柔らかく伸びるもの”が好きだった。

餅。
白玉。
団子。
うどん。

日本文化には、“弾力”への執着がある。

海外では「サクサク」「クリスピー」が重視される一方、日本は「もっちり」がブランドになる。

ポン・デ・リングが国民的ヒットになったのも、偶然ではない。

つまり、もっちゅりんは突然現れた流行ではなく、
日本人がずっと持っていた“もち文化”の最新形なのだと思う。


最後に

もっちゅりんが売れている理由は、単純に美味しいからではない。

・食感を言語化した
・SNSで語りたくなる
・買えない体験を物語化した
・再販で熱狂を継続した
・日本人の“もち好き”文化に刺さった

全部が噛み合っている。

現代は、「情報」が多すぎる。

だから人は、
“説明できない体験”
を求め始めている。

もしかすると今の時代、
人類は「正しいもの」より、
“もっちゅり”を求めているのかもしれない。

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Shoji |無為自然 頂いたチップを大切にします。これからも心に届く投稿を綴り、読者の皆様にほんの少しの感動を与えられるような作品を作りたいと思います。