読書まとめ『わが子の知能と心を育てる「読み聞かせ」』→子どもと過ごす時間の演出家として楽しもう
『佐藤ママが教えるわが子の知能と心を育てる「読み聞かせ」!』佐藤 亮子
一言でいうと
子どもと過ごす時間の演出家として楽しもう
概要
絵本の「読み聞かせ」をテーマにした本です。本屋で見かけて、そういえば読み聞かせのお作法について考えたこともなかったなと思い、読んでみました。
著者は、4人の子どもを東大理三に合格させており、ご自身も東大医学部に在学中。第一子が生後6か月のときに、「3歳になるまでの2年半の間に絵本を1万回読む」ことを目標に、読み聞かせに取り組まれたとのこと。この読み聞かせが、子どもの読解力の向上につながったといいます。
本書を通して、読み聞かせの目的は、本のストーリーや内容を伝えること以上に、本を読む時間を親子でともに過ごすことにあると感じました。子どもがある程度成長すれば、自分で本を読めるようになります。だから、読み聞かせをして親子で一緒に本を読む時間は、子どもが小さいうちの期間限定の楽しみです。
読み手である親としては、そんな大切な時間をより有意義に過ごすための演出家として振る舞い、ともに楽しむようにしたいと思いました。本書では、著者が子どもに読み聞かせをしていた十数年前の思い出話が、ありありと描写されています。今でもお子さんと読み聞かせの話をしたり、家族LINEで絵本を元ネタにしたやりとりがされていたりするそうです。それほどまでに思い出に強く残る体験を家族で共有できるのは、とても幸せなことですよね。
では、読み聞かせについて具体的に学んだことを、Why・What・Howの観点でまとめます。
① 美しい言葉と絵のつながりが読解力を育む
読み聞かせで期待できる効果としてまず挙げられるのは、子どもの読解力の向上です。読解力はあらゆる教科の学習の基礎になり、生きる力として重要である、という主張は、他の著者の本でも説かれていますね。
本書では、文字から映像をイメージする力を読解力と定義しています。多くの絵本では表現がシンプルなので、言葉と絵の紐づけがしやすく、絵本の読み聞かせによって自然と読解力の基礎が身につくといいます。
絵本は、作家が選び抜いた、豊かで美しい言葉が使われていることが特徴です。家庭などで日常的に使われる言葉を覚えることも重要ですが、絵本の読み聞かせによってさらにたくさんの言葉を耳に入れることができます。さらに、韻を踏んだリズミカルな表現も多く、言葉の楽しさに触れる機会にもなります。聞き手の子どもにはもちろん、読み手の耳にも美しい日本語が入ってくることになり、親の教養・リラックスにもなります。
また、絵本は知能だけでなく心も育んでくれます。ストーリーはシンプルで、何をしたら登場人物がどう感じるか、ストレートに描いてあります。社会の中で他者と関わって生きていくために必要不可欠な、感情や善悪の教育につながります。基本的にはハッピーエンドで、後味の悪いオチになることもほとんどないので安心ですね。『ねないこだれだ』とか、大人が見るとホラーなオチもたまにありますが…
② 年齢に合わせて、読み手が楽しめる本を選ぶ
本選びの基準は、子どもの年齢に合っているかどうかが最重要です。赤ちゃんのころから読み聞かせができる、文字数の少ない絵本もあります。言葉が理解できるようになってきたら、徐々に文字数を多くしていきます。
具体的な参考として、著者のオススメ本と、くもんのすいせん図書、福音館書店の月刊誌が紹介されています。いずれも年齢で分けられており、定番どころを中心にリストアップされています。私は、くもんのリストを参考にして図書館で借りていましたが、月刊誌もそこまで高額ではなく、ちょっと気になっています。
もうひとつの基準として、親が楽しく読める本を選ぶ、ということが挙げられていました。著者はチョウが苦手で、チョウが表紙に描かれた本はご主人に読んでもらっていたそうです。チョウが苦手な著者が渋々読み聞かせをしていたら、子どもはチョウを怖い生き物だと認識してしまっていたかもしれません。子どもは、本の内容だけでなく、親がかもし出す楽しい・悲しいなどの空気感を察します。子どもと楽しい時間を過ごすには、親が楽しんで読めるかどうかも考えたいですね。
勉強のためだという親の押しつけも避けるべきです。あくまで子どもとの楽しい時間を過ごすことを主眼に置いて、結果的に知識がついたり勉強になったりすれば御の字、と思いたいものです。
通常の絵本とあわせて、しかけ絵本も取り入れるとよいと紹介されています。壊しても直せばいいと思って、しかけ絵本はのびのびと遊ばせるとさらに効果的ですね。図書館派の私も、しかけ絵本については図書館で借りるよりも買うべきだと思いました。
③ 緩急をつけて演出、楽しみ楽しませる
実際に絵本の読み聞かせをするときに心がけたいのは、子どもを楽しませることを全力で楽しむことです。読み聞かせをする親は、絵本からのインプットを、自分の声で子どもにアウトプットする演出家のような立場でありたいと感じました。
臨場感を演出して子どもを惹きつけるには、緩急をつけることが重要です。新たな登場人物が出るとき、場面が転換するとき、オチの前などはゆっくりと。緊迫した場面では、読み方やページをめくるスピードをすばやく。子どもの表情も見ながら、期待感を高めることを意識します。
絵本は登場人物の会話で進行することが多いので、登場人物ごとに声色も変えることも必須です。これを初見でやろうとすると、とっさに誰のセリフかわからなかったりするので、子どもに読み聞かせをする前に自分で一読しておくことが推奨されています。子どもを楽しませる読み聞かせは、ぶっつけ本番でできるほど甘くないのですね…!
これは取り入れようと思ったテクニックは2点。1点目は、読んでいる言葉と紐づく絵を、指さしすること。言葉と絵をつなげつつ、重要なことがらの見落としを防ぎ、子どもがストーリーを理解する助けになります。
2点目は、表紙をしっかり見せてタイトルを読むことです。何の話かが端的に表現されているタイトルを読むことで、子どもの期待感を高める効果があるといいます。
注意点としては、作家の意図を大切にして、元の文を改変しないようにすることが挙げられています。文字数が少ない絵本だからこそ、洗練されて選び抜かれた言葉が使われています。言葉選びだけでなく、リズム感や間のとり方、すべてが作品だと捉えて、作家の意図を尊重したいと著者はいいます。子どもに聞かれたわけではないのに途中で説明を挟む、というのは、ついついやってしまうんですよね。意識を変えたいと思いました。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。