🟥医者とバトル4️⃣
ー 医者とバトル編 4️⃣ ー
そんな中——
ある日。
睡眠時無呼吸症候群。
はい。
診断されましたわ。
検査の結果、
寝ている間に
結構な回数、
呼吸が止まっていたらしい。
知らなかった。
本人は普通に寝ている。
しかし体は、
「息しろ。」
と必死に頑張っていたのである。
なんだか申し訳ない。
実は、
睡眠時無呼吸症候群と聞いた時、
私は少し複雑な気分だった。
なぜなら——
母も睡眠時無呼吸症候群だったからである。
実家にいた頃、
夜になると、
母は機械を装着して寝ていた。
ピー
ピー
外れると音が鳴る。
当時の私は思っていた。
「あれだけは嫌だ。」
まさか数十年後、
自分が同じことをするとは思わなかった。
人生は時々、
壮大なブーメランを投げてくる。
そして私は、
CPAP(シーパップ)という
小型機械を購入した。
いやイヤ嫌🤢ながら、
毎晩装着している。
正直、
「寝てる間に息が止まるなら、
もう止まってもいいや」
くらい開き直っていた。
初めて装着した夜。
鏡を見た。
宇宙飛行士か。
あるいは、
酸素ボンベを忘れたダイバーか。
とにかく、
格好良くはない。
そしてホースが付いている。
寝返りを打つ。
引っ張られる。
反対を向く。
また引っ張られる。
私は途中から、
患者というより、
家電製品になった気分だった。
しかも寝る前の準備が増えた。
顔に装着。
ホース確認。
電源確認。
まるで飛行機の離陸前点検である。
睡眠とは、
もっと気軽なものではなかったか。
ところで日本では、
睡眠時無呼吸症候群になると、
毎月病院へ通い、
データを提出し?
機械はレンタルらしい。
面倒だ。
非常に面倒だ。
私は昔から、
面倒なことを避ける才能だけはある。
一方チリでは、
機械は買い取り。
消耗品だけ買えばよい。
これは実に分かりやすい。
私向きである。
さて。
CPAPを使った結果——
劇的に眠れるようになったか?
というと、
実感ゼロ。分からない。
もちろん効果のある人は沢山いると思う。
しかし私は、
「ああ、よく眠れた」
ではなく、
「今日も顔面にホースを付けて寝たな」
という感想しかなかった。
寝ているのか。
ガソリンスタンドで給油されているのか。
だんだん分からなくなる。
そのうち私の取扱説明書に、
使用燃料:
空気
と書かれそうである。
そして私には、
睡眠よりも気になることがあった。
担当医である。
なぜか私は、
担当医との闘いに負けたくなかった。
もはや睡眠ではない。
意地である。
健康問題ですらない。
対抗心である。
CPAPと戦い、
病気と戦い、
そして医者とも戦う。
我ながら忙しい。
本来なら、
患者は治療だけしていればいい。
しかし私は、
なぜか医療ドラマの主演になっていた。
しかも主役なのに、
台本を誰も渡してくれない。
だが——
この戦いは、
思わぬ形で終わりを迎えるのである。
つづく。
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