🟥医者とバトル5️⃣
ー 担当医とバトル編 5️⃣ ー
CPAP生活は続いていた。
毎晩。
顔面にマスク。
ホース付き。
寝る前の私は、
もはや人間ではない。
家庭用小型空気清浄機である。
しかも寝る前には、
マスク確認。
ホース確認。
電源確認。
寝るだけなのに、
飛行機の離陸前チェックリストみたいになっていた。
だが——
そんなことより、
私の頭の中を占領していたものがあった。
担当医である。
私は昔から理不尽なことが嫌いだ。
嫌いというより、
根に持つ。
かなり持つ。
場合によっては熟成させる。
ワインのように。🍷
そして担当医に対する不満は、
順調に熟成されていた。
診察のたびに思う。
話を聞かない。
説明不足。
(チリでは珍しい。)
質問しても、
なんとなく流される。
私の希望する薬を、
なぜ全力で拒否するのか⁈
もしかして、
この薬の製薬会社と揉めたのか?
こちらは外国人である。
言葉も違う。
だからこそ説明してほしい。
しかし先生は、
毎回軽やかに期待を裏切った。
(ちっ💢)
もちろん、
腕は良かったのかもしれない。
(知らんけど)
だが患者との相性は最悪だった。
占いでもそうだ。
どれだけ技術があっても、
相手との相性が悪ければ話は進まない。
医者も同じである。
そんなある日、
私はふと思った。
もしかして——
私の睡眠不足の原因、
無呼吸じゃなくて、
この先生じゃない?
夜になる。
翌週は診察日。
それだけで気が重い。
完全にストレスである。
もし睡眠検査の時に、
先生の顔写真を枕元へ置いていたら、
無呼吸の回数が倍になった可能性すらある。
もちろん医学的根拠はない。
だが体感はある。
非常にある。
私はCPAPを付けながら考えた。
病気と戦うのは仕方ない。
年齢的にも仕方ない。
だが、
医者と戦う必要はあるのだろうか?
本来なら、
患者と医者は同じチームである。
ところが私は、
なぜか敵チームと試合をしていた。
しかも延長戦である。
終わる気配がない。
CPAPと戦い、
病気と戦い、
担当医と戦う。
我ながら忙しい。
その頃には、
睡眠改善よりも、
担当医に勝ちたい気持ちの方が強くなっていた。
もはや健康問題ではない。
意地である。
対抗心である。
そして私はまだ知らなかった。
この戦いが、
予想外の形で終わることを。
しかも担当医本人が、
自ら試合終了のホイッスルを鳴らすことを。
つづく
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