【現実の仕組み③】エゴちゃんを助手席に座らせて、人生のハンドルを握る
はじめに。
「エゴ」という言葉には、どことなく「よくないもの」のようなニュアンスがあります。話の文脈で「あいつはエゴの塊だ」のように使われることもあるので、そう感じるのも仕方ない。
でも私は断じて言いたい。
エゴは、悪者でも不要なものでも、ましてや敵でもない。
むしろ、私たちが生まれてから片時もそばを離れず、安全に気を配り、心配し、時には力を貸してくれたりする存在なのだから。
私は愛と敬意をもって『エゴちゃん』といつも呼んでいる。
エゴの目的
命を危険から守ること。
エゴは新しいこと、初めてのことが大嫌いだ。
命を危険にさらすことになりそうなことには、全力でアラートを鳴らす。
「もし失敗したらどうするの?」「今の安定を手放すの?今のままでいいよ。」「恥ずかしい思いをしちゃうよ!」。
それは、可愛い我が子が傷つくのを恐れるあまり、「あなたのためを思って」と先回りして行動を制限してしまう、過保護な親の言葉にそっくりだ。
エゴの武器
不安や恐怖での防衛反応。
守ることに一生懸命だからこそ、こちらの不安な気持ちや恐怖心を使って、なんとか守ろうとする。
「お金が無くなったらそうするの?」
「変な人だって思われるよ!」
「どうせ無理だよ。」
こんなもっともらしい理由をちらつかせながら、安全圏へ引き戻す。
エゴの声は本音ではない
エゴの言っていることは、本音っぽく聞こえる。
そこに感情もミックスしてくるから、見分けがつかなくなる。カモフラージュが上手い。
エゴと、どうつきあうか
エゴは運転手ではないのです。
私たちが運転席に座りハンドルを握り、エゴは隣の助手席でナビ役をしてくれるのが、本来の仕事です。
今までの経験、この先の見通し、考えられるリスクとその回避…
人生経験豊富で有能な執事なのです。
例えば何か新しい楽器を始めたいとします。
その楽器を演奏している人の姿を見て、自分もやってみたい!とウキウキした。次の瞬間「でもちゃんとできるかな?」「楽器っていくらするの?高くない?」「何かの役に立つの?」「3日坊主で終わるかも」こんな声が聞こえてきたら、それはエゴの声です。
私の対処方法は、その声を「無視しない、否定しない、切り捨てない」です。
どこに不安を感じているのか、何が引っかかるのか、どこの部分が怖いのかを丁寧に確認します。
次に「それは本当なのかな?」と問いかけます。
そして、「ちょっとやってみて、ダメだったらすぐやめればいいよ。」と、話し合い、お互い納得してから実行するのです。
ここでエゴの声を「うるさい!私は変わるんだ!」と無理やり無視し突き進んだとしても、いつの間にかエゴちゃんはもっと巨大な「体調不良」や「トラブル」という武器を持って、行く手を塞いできます。
エゴにとって「自分の警告を無視される=消えてなくなる恐怖」と同じだから、命がけで暴れるのです。
「そこにいるんだね。OK!」と認めることで安心します。
そうやって、エゴが助手席で安定してくると、その声は小さくなってきます。
そして、こちらの隙をついてハンドルに手をかけたのにも、気がつけるようになります。
一歩引いたところから、目の前で起きていることを眺める視点を持つことができることで、感情に振り回されることも、新しい挑戦を理由をつけてやめてしまうことも、少なくなるでしょう。
私がこうして「怪しい」文章を書けるようになったのも、新しいブランドを始めることができたのも、エゴちゃんを助手席に座らせ、ハンドルを自分で握ることができるようになったからです。
もちろん、今もハンドルを渡してしまうようなこともあります。
ハンドルを渡してしまっても、いつでも「私が握る」と思い出せば、エゴちゃんはホッとして助手席に戻ってくれます。
そうしてエゴを助手席に落ち着かせた私たちの前に、次に立ちはだかるのは「現実が変わるまでのタイムラグ」です。
次回は、多くの人がここで諦めてしまう『タイムラグの秘密』について書きます。
