フィルムカメラに思いを馳せて その8:RICOH GR1v
――光がGRレンズを突き抜けてしまうぞ!
はじめに
しばらくぶりの投稿。
ちょっとプライベートで忙しく、カメラから遠ざかってしまっていました。さながら南光太郎がゴルゴムと闘い終わったかのごとく、少し気が抜けていたのかもしれません。たった一人の戦いに疲れ果てて沈むときかと思ってました。
さて本題。
昨今、こちら(https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/pentax17/)のように、我が導きの旭光がこの令和の時代にハーフカメラを発売しております。皆様はもうご購入されていますよね?
ね?
ということで今回は、おそらく(ペンタックスを買収した)RICOHがわりと最後の方に出したであろうハイエンド機種である本機を紹介することにより、さらにペンタックスへの関心を集めたいと思っております。
というより、しばらくぶりなので比較的書きやすいやつに…というバイオライダーもびっくりなドロドロな下心しかないのですが、まあそこは許容していただきたく。
機能および外観

まずはさっそく簡単なスペックから。

なるほど、たしかにスペックの数値だけ見れば手のひらへのおさまりは非常に良いわけですね。
電池を入れてもスマホと同じくらいの重さで、本当に軽いです。
ペンタキシアンである筆者は一眼レフをよく好んで使っておりますが、最近はもはや重い荷物を枕にすることもあり、できるだけ軽いものを好むようになりました。



このカメラの何が気に入ったかといえば、まずはその反骨さにあります。洗練されたデザインとは裏腹に、デジタルがフィルムをまさに放逐するころに出された最後の高級コンパクトカメラであること。これは、時代がいくら経とうと本当に必要なものは必ずよみがえるのだという強いメッセージ性を感じます。
そして、コンパクトカメラなのにf値を自分で調節して写真をコントロールできることです。購入前、これを聞いただけでもなんだか想像つかなかったですが、手にしてみてやっぱりわかるものがありました。
操作性も極めてシンプル。写真の通り、電源ボタンは背面の赤いボタンを押すだけ。そしていつでも撮れる、と。
カラーバリエーションも銀と黒とあったのですが、個人的には南光太郎リスペクトで黒を選択。筆者の個体は相当運が良かったのか、液晶が令和の時代においても綺麗に表示されております。ありがたや。
他方、このダイヤル周りは、相当固いです。なんだったらf値調整ダイヤルを回したら指が黒くなるくらいには相当にゴム回りが劣化してます。でもそれがいいのです。ファインダーも簡単な表示だけ。
「撮る」とはこういうことだったのか…と再認識できます。
また、写真ではたぶん伝わらないので割愛しますが、スナップシューターモードといってピントをあらかじめ固定して、速射性に優れた機能なんかもあるようです。さらにさらに、インターネットで本機を調べていると、どうやらこのカメラはGRレンズによるハイクオリティな写真を生み出せることもあって著名な写真家の皆さんが好んで使用していた、ということもあるとかないとか。
GRは、まさしくRICOHのRXなのです。
作例
前置きはこれくらいにして、さっそく作例へ。
ファーストロールは、かつて行った大阪・神戸へのサウナ旅。ぶっちゃけると、カメラから離れたのもこのようなサウナ旅を再開したから…というのもあります。もちろんサウナは撮影していないので大丈夫ですが、基本的に大阪や神戸の街をひたすらプラーナの赴くままに移動し、そしてプラーナの赴くままに撮影を慣行。






たしかこれらはkodakのUltramax 400で撮影。そのため夜でもある程度粘ってくれました。それにしてもこの描写力には驚きです。今からもう20年以上前のカメラなのに、こんなに隅々まできれいに描写するもんなんだなあと妙に感心してしまいました。
GRレンズは伊達じゃない、とどこぞの天パがいいそうだなあと思いました。
夜景においても十分光量の調整もしてくれるし、何より適切なシャッタースピードにも調整してくれます。思った以上に高性能なカメラであることは間違いないようです。


続いて、LomographyのLomochrome Turquoisでの作例。
不思議なフィルムを使って、近所の公園を散策してみました。この頃は小春日和、というより冬で、針葉樹がいい感じにフィンランド感を出してくれていました。たしかマニュアルにしてしっかり絞ったような記憶もあるのですが、途中からPモードにしたような気もしてます。PモードはProfessionalのPだから全く問題ない…と思っています。
入手例
本当に買うのが難しいカメラ。
ヤフオクだメルカリだで探すと、「ジャンクです!でもこの値段です!」で売っている人たちが多すぎるようです。せめてまともに動くものを…となると今度は「ちゃんと動きます!だからこの値段です!」で天文学的な値段を表示している、そんな印象です。
「誘引するような提灯記事を書いておいてなんなんだ!」という気分になられるかもしれませんが、そもそもこの手のカメラは電子部品が多様に使用されており、もう壊れたら修理が効かない、そういう類のコンパクトカメラです。適切な運用には本当に細心の注意を払う必要があります。でも、たしかなのは、描写は現代のレンズにも引けを取らない、なんだったら速射性でいえば現在でも一戦級だという圧倒的スペックです。…まあ今ならGRⅢもあるし…とは思うものの。
本当に悪いのはせどり連中でありますから、書いていてむかっ腹が立ってきます。リボルケインを喰らわせてやりたいくらいにはどうにかならないのかと思ってます。
非情に良いカメラであるのは間違いなく、また、中古市場でも探せばそれなりのものは見つかります。
だが、値段が相当高いことだけ…。
おわりに
今回は、久々の投稿でしたが、自身初となるコンパクトカメラの記事を執筆してみました。
先に述べた通り、操作感や撮っているときのフィーリングは随一。思うままに撮れるので難しいことを考えなくていいんです。個人的にはトイカメラと同じくらい軽く撮れると思っています。でもアウトプットは比べ物にならないくらい緻密で繊細。
思うに、GRレンズはライカマウントでレンズだけ売られているくらいにはすごく性能の良いレンズなのだと思います。それがデジタル黎明期、フィルム終焉期のころに発表されたコンパクトカメラに搭載され、圧倒的な性能を今でも保っていること自体が奇跡。キングストーンか何かが詰まっているのではないかと思います。それくらい強いです。
なんというか、「弾が奴の体を突き抜けてしまうぞ!」というくらい透明感があるというか、ヌケがいいというか、とにかくクリアな印象を持ちました。
また、これは感想ですが、撮影中はとくに周囲から訝しげに見られることは少なかったです。一眼レフやミラーレスだと、どうしてもレンズやボディがでかいので無為に目立ってしまうことがあるかもしれないですが、このカメラはその愛らしいフォルムで周囲を圧倒はしません。
重さがないのでわりと手ぶれが起こりやすくなるかもしれないが、そこはもう表現ということでいいと思います。
冒頭申し上げたように、現在PENTAXでは17も販売されています。もし仮にライカ判の、GRの後継が出るのなら、それまではGR1vを愛でたいです。
というか筆者は17も持っています。脱線しますが、筆者は本当にPENTAX、リコーペンタックスを応援しています。一度は縮小し、なんだったら今も世界的にフィルム供給不足が叫ばれている昨今、あえてもう一度フィルムカメラを作ろう、という気概に感動しているのです。南光太郎も何度も何度も一人で戦って、傷つきながら何度も立ち上がってきました。そんな心象風景と本機がマッチしてしまうのでした。
ぶっちぎるぜェ!
ご意見・ご感想等あれば、是非筆者まで…。
どうかよいカメラライフでありますように。
