畳職人の魂は「針」に宿る。一級技能士が教える、知られざる畳針の世界
こんにちは、佐賀で170余年続く「青畳工房」の畳マン六代目です。
皆さん、畳を縫うためにどんな道具を使っているか想像したことはありますか?
「大きな針でしょ?」……正解です!でも、実はただ大きいだけじゃない。僕ら職人は、縫う場所や用途に合わせて、何種類もの「畳専用の針」を使い分けているんです。
今日は、一級技能士である僕が、普段はあまり表に出ない「畳針」の秘密を語っちゃいます!
1. 畳針は「使い分け」が命!
畳作りには、驚くほどたくさんの種類の針が必要です。代表的なものをいくつかご紹介します。
刺し針(4寸5分): 畳縁を畳に縫い付ける「平刺し」の主役。
返し針(5寸2分): 縫い付けた縁の側面を縫う時に使う、さらに長い針。
床針(6寸5分): 畳の芯材(畳床)を作る際に使う、超特大サイズ。
曲がり針: 特殊な有職畳や、糸を隠して縫いたい時に使う、弓なりに曲がった針。

針穴の大きさや太さも異なり、これらを適切に選ぶことで、刺し跡が目立たない美しい仕上がりになるんです。
2. 「折れる針」こそが良い針の証?
畳マン六代目が使っている針は、とある製作所から直接購入している特別なものです。問屋さんから簡単に仕入れられるものとは一線を画す抜群の使いやすさがあります。
実は、本当に質の良い針は、無理な力がかかると「パキーン!」と折れます。
安価な針はぐにゃりと曲がってしまうことが多いのですが、曲がった針で縫い続けても、いつまでも腕は上がりません。
「折れる針」を折らずに使いこなす。それができるようになって初めて、一人前の畳職人への道が開ける……。若い頃は、たくさんの針を折って上達してきました(笑)。
3. 道具へのこだわりが、畳の寿命を決める
なぜここまで針にこだわるのか。それは、適切な針を使うことで作業効率が上がるだけでなく、上手な縫い方も合わされば畳そのものの「刺し荒れ」を防ぐことができるからです。
良い道具を正しく使い、一針一針に心を込める。それが、10年、20年と愛される丈夫で美しい畳を作るための、僕たちの譲れないポリシーです。
最後に:手仕事の温もりを届けたい
機械化が進む現代ですが、細かい補修や特殊な畳作りには、今でも人間の手と針の力が欠かせません。
一針ずつ丁寧に縫い上げた畳。その上でのんびりと過ごす時間が、皆さんにとって至福のひとときになれば幸いです。畳に関するお困りごとがあれば、いつでも気軽に畳マン六代目に声をかけてくださいね!
【お知らせ】
この記事は、青畳工房公式ブログの内容を、note読者向けに再構成したものです。より専門的な針のサイズや、手縫いの魅力については、ぜひ元記事もチェックしてみてください。
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