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一周回って、ネイルポリッシュに戻った話

CHANELのバレリーナを塗りながら、最近のネイルポリッシュの乾きの早さに驚いた。ひと昔前のマニキュアには、塗り終えてから手持ち無沙汰な時間があったはずなのに、今はもうほとんど待たない。
技術は、こちらが目を離しているあいだにも進んでいるのだ。

ネイルに関して、私はずいぶん遠回りをした。

はじめはネイルサロン、そしてはがせるジェルに落ち着いていた。はがせるジェルネイルは自分で15分ほどで完成するし、持ちは一週間から10日くらい。

それが最近スポーツクラブに通いはじめて、プールと温泉に入っている時間が長くなった。水中を歩いて、そのあと温泉に浸かる。体は驚くほど元気になったけれど、指先はジェルの端から少しずつ浮いてくる。早めに剥がそうとすると、これがきれいに剥がれない日がある。爪の表面に薄い傷が残って、その小さな違和感がストレスになった。

そもそも私の場合、ネイルサロンに行くという選択は、はじめから候補に入っていない。時間がかかるのはもちろんだが、それ以上に他人と至近距離で長く過ごすことが、私はあまり好きではない。そう書くと冷たく聞こえるかもしれないけれど、これは好き嫌いというより体質に近いのだと思う。

それに、私はヘアサロンには二週間ごとに通っている。髪は手を抜けない場所で、ここは人に任せると決めている。二週間に一度、すでに時間を配分しているのだから、爪のためにもう一枠時間をつくる余裕はない。使える時間は有限で、その優先順位は自分で決めていい。

プールでジェルネイルが剥がれやすくなってきた。そこで一周して戻ってきたのが、ネイルポリッシュだった。

10分あれば塗り替えられる。気分が変わればその日のうちに塗り替えられる。最近のスリーインワンネイルポリッシュは下地も上塗りも兼ねていて、これ一本でいいのか、と少し笑ってしまうほど手軽だ。持ちは一週間もたないけれど、すぐ乾くようになったのが何よりだ。

合理性とは、たぶん、いちばん高性能なものを選ぶことではない。自分の生活に合わないものは静かに手放すことだ。

みんなが良いと言うものを試して、そのうえで戻ってくる。遠回りは無駄ではなかった。遠回りをしたからこそ、バレリーナの一度塗りで満ち足りている今の指先を、私は気に入っている。

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