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健診センター看護師のリアル|仕事内容・給料・1日の流れ・メリット・きついことまで解説

この記事について

「健診センターの看護師って、採血をするだけで楽そう」

転職する前の私も、正直そんなイメージを持っていました。

夜勤はない。急な入院もない。
毎日ほぼ同じ流れで働けて、病棟より簡単そう。

しかし、実際に働いてみると、健診センターには病棟とは違う難しさがありました。

それでも健診センターは、機会があれば私がまた働きたいと思う職場の一つです。

「健診センターに興味があるけれど、病院の仕事と何が違うの?」
「夜勤のない働き方には惹かれるけれど、実際にはどんな働き方しているの?」

このような疑問を持っている看護師さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、健診センターで看護師として働き、主任も経験した私が、健診センター看護師のリアルを実体験をもとにお伝えします。

健診センターへの転職を考えている方が、自分に合う職場かどうかを判断する材料になればうれしいです。

健診センターと病院・クリニックとの違い

病院やクリニックと健診センターでは、対象となる方と目的が異なります。

病院やクリニックでは、病気やけがのある患者さんに対して、診断や治療、看護を行います。

一方、健診センターの主な対象は、自覚症状のない方や健康に生活している方です。
検査によって病気の兆候を見つけ、早期発見や予防につなげることを目的としています。

また、健診センターは予約をもとに、1日の受診者数や検査内容がある程度決まっています。

病棟のような急な入院や緊急処置は少なく、その日の業務量を見通しやすいことが特徴です。

ただし、「健康な方が来るから急変はない」というわけではありません。

採血後の迷走神経反射、転倒、内視鏡検査や薬剤に伴う体調変化などが起こる可能性はあります。

緊急時には看護師が最初に対応することも多いため、基本的な観察力と判断力は必要です。


健診センターでは誰が働いている?

健診センターでは、看護師だけでなく、さまざまな職種が連携して一人の受診者を案内します。

病棟では、「患者さんを治療し、回復を支えること」が多職種の共通目標になります。

一方、健診センターでは、

「多くの受診者に、安全・正確・スムーズに検査を受けてもらうこと」

がチーム全体の大きな目標です。


健診センター看護師の役割

健診センターの看護師は、施設によって次のような業務を担当します。

  • 採血

  • 血圧測定

  • 身長・体重・腹囲測定

  • 視力・聴力検査

  • 問診

  • 診察補助

  • 心電図検査

  • 眼底・眼圧検査

  • 内視鏡検査の介助

  • 婦人科検診の介助

  • 検査後の体調確認

  • 健診結果に関する案内

  • データ入力や書類確認

  • 物品管理

  • 検査や翌日の準備

  • 急な体調不良への対応

私が勤めていた健診センターは比較的小規模だったため、特定の業務を固定で担当するのではなく、シフトによってその日の持ち場が変わる体制でした。

そのため、内視鏡検査には専門の看護師がついていましたが、それ以外の業務は一通りできるようになる必要がありました。

覚えるまでは大変でしたが、採血だけではなく、さまざまな検査の知識や技術を身につけられたことは大きな経験になりました。

ただし、すべての健診看護師がこれらの業務を全て担当するわけではありません。
担当性が取られている健診センターもあるようです。


健診センターで働くその他の職種

健診センターでは、看護師以外にも次のような職種が働いています。

  • 医師

  • 臨床検査技師

  • 診療放射線技師

  • 保健師

  • 管理栄養士

  • 医療事務

  • 受付

健診センターでも、多職種との連携は欠かせません。

それぞれの職種の役割を適切に把握し、検査の進み具合や受診者の状態を共有することで、安全でスムーズな健診を提供できます。


健診センター看護師の1日の流れ

職場によって異なりますが、私が経験した施設内健診では、おおむね次のような流れで働いていました。

8:00 出勤・準備

その日の予約人数や担当業務、注意が必要な受診者などを確認します。

前日に準備した採血物品や検査機器を確認し、受診者を迎えられる状態に整えます。

病棟では、患者さんの情報収集をするために始業時間より早く出勤していましたが、私が働いていた健診センターでは前残業はなく、勤務開始時間に業務を開始していました。

8:30 午前の健診

午前中は受診者が集中しやすく、最も忙しい時間帯でした。

看護師は、採血や問診、各種測定、検査介助などを担当します。

短時間で多くの方に対応するため、安全性と正確性だけでなく、健診全体の流れを止めないスピードも必要です。

特に採血では、本人確認、検査項目、採血管の種類などを確実に確認しながら、待ち時間を長くしない動きが求められました。

12:00〜13:00 休憩

受診者の流れに合わせて、スタッフが交代で休憩に入ります。

病棟では、ナースコールや急な処置によって休憩がずれることもありましたが、健診センターでは、ほぼ予定どおりに休憩を取ることができました。

もちろん、休憩は1時間きちんと取れました。

休憩中に勉強会や委員会へ参加しなければならないこともなく、仕事から離れて休むことができました。

13:00 午後の健診・事務作業

午後の受診者に対応しながら、次のような業務を進めます。

  • 結果の確認

  • データ入力

  • 書類作成

  • 物品補充

  • 翌日の準備

  • スタッフ教育

  • 業務改善

午前中よりも午後は受診者数が少なく、事務作業を中心に行うこともあります。

16:45 退勤

入院患者さんを24時間継続してみる病棟とは違い、基本的にはその日の健診が終われば、業務にも区切りがつきます。

健診センター全体としては、繁忙期や人員配置などによって残業が発生する施設もあります。

ただし、私が勤務していた職場では、毎日定時で帰ることができました。

実際に働いて感じたメリット

1.生活リズムを整えやすい

私にとって一番大きかったのは、夜勤がないことでした。

病棟勤務では、夜勤前後の睡眠や体調管理に振り回されていました。
夜勤明けの日は疲れて寝て終わり、休日なのに何もできなかったこともあります。

健診センターでは、基本的に朝に出勤して夕方に帰る生活になりました。

毎日ほぼ同じ時間に寝起きできるため、体調管理がしやすく、仕事以外の予定も立てやすくなりました。

2.前残業がなく、毎日定時で帰れた

病棟では、始業前に患者さんの情報収集をするため、早めに出勤して前残業をしていました。
定時で退勤できる日も少なく、いつ帰れるかわからないのが当たり前になっていました。

しかし、健診センターへ転職してからは、勤務開始前に情報収集をする必要がなく、前残業もありませんでした。
また、私が勤務していた職場では、その日の健診と事務作業を終えれば、毎日定時で帰ることができました。

「始業時間から仕事を始める」
「定時になったら帰る」

当たり前のようですが、病棟から転職した私にとっては、想像以上に大きなメリットでした。

3.心身の負担が軽くなった

急な入院、患者さんの状態変化、緊急処置などが起こりやすい病棟と比べると、精神的にも身体的にも負担が軽くなりました。

生命に直結する緊迫感や急変対応へのプレッシャー、「勤務中ずっと誰かの命を預かっている」という緊張感は、病棟勤務より軽くなったと感じます。

4.幅広い検査の知識や技術が身につく

健診センターでは、予防の観点から全身のさまざまな検査を実施します。

病棟では診療科によって対象となる疾患や処置が分かれていましたが、健診センターでは複数の検査の目的、注意点、禁忌、受診者への説明方法など、幅広い知識を身につけることができました。

また、採血を担当する人数も多いため、採血技術を向上させたい看護師にとっては経験を積みやすい環境です。

私も1日に100人近く採血することがあり、病棟時代より採血スキルが上がりました。

5.接遇や説明力が身につく

健診センターでは、健康な方や自費で人間ドックを受ける方なども来られるため、接遇が重視されます。

言葉遣いや表情だけでなく、検査の内容を短時間で分かりやすく伝え、不安なく受けてもらう説明力も必要です。

健診センターで身につけた接遇や説明力は、その後、企業で働くうえでも役立ちました。

6.予防医療に関われる

病棟では、病気になった後の治療や看護に関わることが中心でした。

健診センターでは、病気の早期発見や、生活習慣を見直すきっかけづくりに関われます。

治療とは違う形で人の健康を支えられることに、大きなやりがいを感じました。

「楽そう」だけではなかった、きついところ

1.採血人数がとにかく多い

私が働いていた職場では、1日に100人近く採血する日もありました。(年に数回の繁盛期の時期に2回ほど経験しました。むしろ閑散期は10数人って感じです。)

健診に来られるのは基本的に健康な方なので、病棟と比べると難しい採血ばかりではありません。

それでも、血管が見えにくい方や採血に強い恐怖心がある方にも、限られた時間の中で安全に対応する必要があります。

人数が多いからこそ、集中力を切らさず本人確認や採血管の確認を続ける大変さがありました。

また、同じ姿勢や動作を繰り返すため、腰や肩、手首に負担を感じることもあります。

2.正確さとスピードを同時に求められる

健診センターでは、短時間で次々と受診者に対応します。

名前、検査項目、採血管などを確実に確認しながら、健診全体の流れを止めないことも必要です。

3.覚えるまでは検査の種類が多くて大変

健診センターには、ルーティンワークというイメージがあります。

確かに、一度仕事を覚えると先の流れを予測しながら動けるようになります。
私も慣れてからは、楽しみながら働けるようになりました。

しかし、覚えるまでは検査の種類や注意事項が多く、決して簡単ではありません。

検査ごとの手順、目的、禁忌、前処置、案内方法などを正確に理解する必要があります。

特に、複数の持ち場をローテーションする職場だったので、一通りの業務を覚えるまでに時間がかかりました。

4.接遇への意識が必要

健診センターでは、医療安全を守ることに加えて、言葉遣いや案内方法、待ち時間への配慮など、サービスを利用する方としての対応も求められます。

病棟とは違う接遇に、最初は戸惑う方もいるかもしれません。

5.意外と事務作業が多い

健診センター看護師の仕事は、採血や検査だけではありません。

  • 結果の確認

  • データ入力

  • 書類作成

  • 企業ごとの受診項目の確認

  • 翌日の受診者情報の確認

  • 他職種との連携や調整

  • 物品管理

など、事務作業も意外と多くあります。
これらも初めてのことばかりで慣れるまでは大変でした。

PC操作や細かな確認作業に苦手意識がある方は、応募前に看護師が担当する事務作業の範囲を確認しておくと安心です。

6.業務が単調に感じることがある

同じ検査や案内を短時間で繰り返すため、人によってはルーティンワークを単調に感じることがあります。

また、病棟のように一人の患者さんと長く関わり、回復していく過程を見守る機会はほとんどありません。
最初は物足りなさを感じることがありました。

7.臨床技術を維持しにくい

採血や急変時対応などの技術は使いますが、点滴管理、創傷処置、吸引など、病棟で行っていた多くの看護技術を使う機会は減りました。

将来、病棟へ戻る予定がある方は、臨床から離れる期間についても考えておいた方がよいと思います。

ただし、臨床技術を使う機会が少ないからといって、看護師として成長できないわけではありません。

病棟とは異なる方向で、看護師としての経験を広げられたと感じています。

給料や休日はどうだった?

健診センターの給与は、地域、経験年数、雇用形態、施設内健診・巡回健診などによって大きく異なります。

夜勤手当がなくなるため、病棟勤務から転職すると、年収や手取りが下がる可能性があります。

実際に、私も病棟で働いていた頃より給料は低くなりました。

一方で、残業がなくなり、生活リズムも整い、心身の負担が軽くなったため、収入は下がっても働き方への満足度は高かったです。

休日についても、必ず土日祝日休みとは限りません。

土曜日に健診を行う施設や、繁忙期に休日出勤がある職場、巡回健診で早朝集合になる職場もあります。

私もシフト制で土曜日出勤もありました。

収入や休日だけでなく、自分が次の職場で何を優先したいのかと照らし合わせて確認しましょう。

未経験でも健診センターへ転職できる?

私は健診センターで主任を務め、採用にも関わっていました。

採用する側の目線でいうと、健診センターでの勤務経験がなくても、病棟などで身につけた採血技術があれば十分に挑戦できます。

私が勤務していた職場では、多くの受診者へ連続して採血を行うため、入職時点である程度一人で採血できることを重視していました。

病棟のように、採血に時間をかけて練習することが難しかったためです。

ただし、求められる採血経験や研修体制は施設によって異なります。

検査ごとに担当者が分かれている健診センターや、採血以外の業務を中心に担当できる職場、入職後に採血研修を受けられる職場もあります。

健診センター未経験の方は、応募前や面接で次の点を確認しておくと安心です。

  • 採血経験はどの程度必要か

  • 1日に何人程度採血するのか

  • どの検査を担当するのか

  • 独り立ちまでの期間

  • 教育やフォローの体制

  • 採血に失敗した場合の交代基準

「健診センター未経験だから無理」と諦める必要はありません。

ただし、同じ健診センターでも採血人数や担当業務は異なるため、自分の経験に合った職場を選ぶことが大切です。

健診センター看護師に向いている人

実際に働いた経験から、次のような方は健診センターに向いていると思います。

  • 夜勤のない生活に変えたい

  • 規則的な働き方をしたい

  • 採血が得意、または上達したい

  • ルーティン業務を正確に進めるのが得意

  • 短時間で多くの人に対応できる

  • 接遇や丁寧なコミュニケーションを大切にできる

  • チーム全体の流れを見て動ける

  • 細かな確認作業が苦にならない

  • 予防医療に興味がある

  • 仕事と家庭やプライベートを両立したい

特に、単に「変化が少ない仕事が好き」というだけでなく、同じ業務の中でも集中力を維持し、正確かつ効率的に動ける方に向いていると感じます。

向いていない可能性がある人

反対に、次のような方は慎重に検討した方がよいかもしれません。

  • 採血に強い苦手意識がある

  • 採血スピードを求められる環境が苦手

  • 同じ業務の繰り返しが苦痛

  • 患者さんと長期的に関わりたい

  • 幅広い臨床技術を身につけたい、維持したい

  • 接遇を重視されることに負担を感じる

  • 夜勤をして収入を増やしたい

ただし、採血を担当しない職場や、保健指導、内視鏡介助などを中心に行う職場もあります。

「健診センターは自分に向いていない」と決める前に、その求人で実際に担当する業務を確認してみてください。

健診センターへ転職してよかった?

私は、健診センターへ転職して断然よかったと思っています。

夜勤がなく、残業もない。

病棟での働き方に疲れていた私にとって、

「看護師でも、こんな働き方ができるんだ」

と知れた職場でした。

病棟で働くことがつらいからといって、看護師に向いていないとは限りません。

環境が変われば、これまで短所だと思っていた丁寧さや慎重さが評価されることもあります。

「看護師は続けたい。でも、今の働き方は続けられない」

そう感じている方にとって、健診センターは選択肢の一つになると思います。

焦って転職先を決める必要はありません。

まずは、自分が今の職場で何に疲れているのか、次の職場で何を優先したいのかを整理するところから始めてみてください。

最後に

私は転職を6回経験し、健診センターのほか、医療系コールセンターや企業看護師など、病院以外の職場でも多く働いてきました。

このアカウントでは、病院以外で働く看護師の仕事内容や、転職で後悔しないために知っておきたいことを、実体験をもとに発信しています。

「病院以外には、どんな働き方があるんだろう?」
「看護師は続けたいけれど、病棟以外の選択肢も知りたい」

そう思っている方は、ほかの記事も読んでいただけたらうれしいです。

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