続 大人になってからの友だち
近所のお風呂に入りに行くと、
だいたいいつも同じ時間に行くので
その時間に居る人となんとなく挨拶を交わし、なんとなく話をするようになる。
私はこれが大の苦手だが
長年通うお風呂では、否が応でもそういう知り合いが何人か出来てしまう。
その中に
私より少しお姉さんの方が居るのだが、彼女は会社の同僚で仲のよい人を「友だち」と言う。
はじめは、話を聞いていて
「友だちと会社の帰りにお茶してきた」
だとか、
「友だちとランチに行った」
だとか
「友だちとしまむらよってきた」
だとか
「仕事の帰り友だちとスーパー行った」
だとか言うので、
お友達と同じ会社に勤めて居るか
もしくは、たまたま仲の良い友だちが勤めている会社と、自分の行ってる会社が近所にあるのかな。と思っていたが
どうも違うので
聞いてみた。
「ねえねえ、
お友達の話をよく聞くけれど
お友達と同じ会社に勤めているの?」
彼女は一瞬ポカンとして、
笑った。
「何を言い出すかと思ったら。
違うよ!同じ会社に勤めているけど
最初は赤の他人だったの!
話をしてるうちに仲よくなった同僚のことだよ!」
と、背中をバシバシ叩かれた。
あー
ただの同僚だったか。
仕事に行けば私だって
それなりに仕事以外の話を同僚とする。
相手の家族構成も知っているし
もちろんどういうわけか
お互いの家の場所もよく知っている。
旦那さんが魚が嫌いだから
旦那さんが居るとき魚が焼けない。
鮭が食べたい。とよくぼやく。
私は、私で
前の日にトッペツもないことを母に言われ腹が立った話や
買い物に行ってあれを買ったとか
牛乳飲めとか
ウエルシアにシャンプー買いに行かなくちゃとか
毎日つまらない話をよくする。
けれど、
彼女が友だちか?
と、誰かに聞かれれば
それはどうだろう?と思う。
彼女もきっと、誰かに同じ質問をされても首をかしげるだろう。
友だちの定義はよくわからないが
「あなたと私は今日から友だち。」
と、
アンとダイアナのように宣言出来れば早いけど大人になればなるほどそういう宣言はしにくいし、
また、
なかなかむつかしい。
そして第一にそれをしようなどと考えない。
めんどくさいし、
こっぱずかしいし、
そんなことを考える時間もない。
お風呂で知り合った人は
それを越えたのだ。と考えると
なかなかスペクタクルだ。
スリリングでサスペンスで謎が多すぎる。一体いつ、どのタイミングで友だち関係が結ばれたのか。
それともこんなことを考える、
私のほうが偏屈でめんどくさいオトナなのか。
メリーゴーランドのように
ぐるぐると考えが回る。
回って元の位置に戻るが、笑ってるうちに違うところへ運ばれてやがてポツンと一人きり。みたいなことにはならないのか。
子どもの頃、
○○ちゃんと✕✕ちゃんと、
△△ちゃんとで遠足のお弁当食べるの。
などと母に言うと
「あんたたち、なかよしこよしの
お友だちだもんね。」
なーんて言われて悦に入っていた私も、大人になってからのお友だちって
とってもむつかしい。
と思うのだ。
先日のテレビのママ友へのメッセージを大声でした女性を
うらやましいとまでは思わないが
距離の詰め方を知っているのは
すごいことだなあ、と思うのだ。
