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受賞作50%読了極私的芥川賞作品★★★★★

芥川賞受賞作品を全部読もうと思っている。現在50%読了。
僭越ながら、独断と偏見で5段階評価をつけている。

自分の中で最高の小説家は筒井康隆。同時代に生きられただけで幸せ。直木賞三度落選は直木賞の評価を下げただけ。素敵。
純文学だと島田雅彦が好きだった(過去形)。芥川賞六度落選は芥川賞の評価を下げただけ、と思ったが、

こんな事を言うと顰蹙を買うかも知れないけど、今まで何ら一矢報いる事が出来なかったリベラル市民として言えば、せめて暗殺が成功して良かった

https://web.archive.org/web/20230420020006/https://www.zakzak.co.jp/article/20230419-3RI72OGJAFM55LU6FIQFYBVAOA/

で、全てが終わった。これは政治的立場の問題ではない。芥川賞が正しい。自由に表現ができるようになるまでにどれだけの人命が失われたのか。
悔しいけれど、誰も話し相手がいなくて授業以外は高校の図書館に入り浸りだった私に『優しいサヨクのための嬉遊曲』は衝撃だった。氏の作品を貪り読んだ。江戸川乱歩で小説の楽しさを知り、何か事件が起きないと意味ないだろと教科書に載っているような純文学みたいなものは読む価値なしと思っていた自分にどれだけ光を与えてくれたか。

ごめん、熱くなった。冷める、いや適度な暖かさで続ける。

そんなこんなで小説好きになって、でもね。芥川賞や、直木賞は、その作家の最高の作品じゃないと言われますが、じゃ最高の作品ってどれよってなると人によって違うじゃないですか。そして、自分の好きなところじゃなくて、意外なところで好きなものもあるかとなると無闇に読むよりも一定の評価を受けた方がいいじゃん。

ちょ、待って、言いたいことは分かる。「本屋大賞」の方がクオリティが高い。同意。それも全部読む。でもまだ少ないじゃん。

長い前置きの後、芥川賞受賞作50%を読んだ私なりの★★★★★作品。

圧倒的1位 155回(2016年上半期) 村田沙耶香 コンビニ人間

推理小説が好きで、特に新本格推理というトリックにフォーカスした小説が好きだった時に「人間が描けていない」という外部評価が新本格界隈でもネタになっていた。人間を描くってなんだろう。ということで純文学の件は既述の通りで。一応いわゆる純文学というものも読むようになったけれどどちらかというとその人物の考え方により物事が進む物語的なところに関心を持って読んでいた。

本書は、私としては初めて「人間を描くってこういうことか!」と腑に落ちた作品。この凄さを分かってくれる人いないかなと思ったけれど友達誰もいなくて悶々。Twitterにも書いたけれどたいした反応はなく。でも世界30カ国以上に翻訳されているんだね。

太宰治もこれを読めば成仏できるのではないか。

2位 32回(1954年下半期) 庄野潤三 プールサイド小景

「第三の新人」と呼ばれる作家の一人としては存じ上げていたが、長らく読んでいなかった。

を読んで(この本も読む価値大!)、それぞれを読もうと。

新潮文庫を読んだのだけれどどれも良くて、「こういうのが純文学の面白みか」と思いました。『静物』の方がすごいかもですが、芥川賞的には『プールサイド小景』。最後の描写、ここでは控えるけど推理小説好きには大どんでんではないですがこういう1行があるのかと衝撃でした。漫画で言う、つげ義春の『李さん一家』の最後のコマみたい。これも言いたいけれど読んで!!!

3位 169回(2023年上半期) 市川沙央 ハンチバック

受賞なされた報道を拝見した後に読みました。いろいろ想像を巡らせましたが、「その角度で来るか!」が衝撃でした。作品は作品だけで評価、ご本人の属性も含めて評価、いろいろお考えはあるでしょうが、それを超えるものでした。

あとは、順位はなくて、強いてあげるならの順番で挙げます。

61回(1969年上半期) 庄司薫 赤頭巾ちゃん気をつけて

左翼思想に被れた時があって、正確に言うと左翼思想ではなくて若者が一つになる考え方に憧れたのかもしれない。全共闘のことに関心があったので熱い。

本書は他と違ってシチュエーションがエグい。高校で誰とも話せないまま一年浪人の後、電気通信大学に入れました。そこの図書館に行ったら、今は違うのだろうけれどあまり一般教養に力を入れている感じではなくて人文の図書は少ないというか弱かった。

そこで、たまたまタイトルに惹かれ読んだ。全共闘の話ではなくてそれで東大入試が無くなった時があって、それで僕はどうなるの?みたいな内容。

もちろん本書自体にも惹かれたのだけれど、電気通信大学の図書館で借りた本でね、やっちゃいけないんだけれど書き込みがあって、

A君、仮面を取りなさい。

ごめんなさい記憶が曖昧かも、でも衝撃を受けたんだよ

これ匿名で「A君」としたんじゃなくてそのまま書いてあった。
今から思うと、話者の性別は分からないですが当時は、女性から男性に向けての発言と思った。奥付を見ると当時の本だし、全共闘の余韻が残る時代に電気通信大学という工学部に入った男性と女性の関係性とか考えてしまった。3回くらい借りて読んだと思う。キショいと言うなら言ってもらっていい。

当然ながら女性との会話は何もない時期。

51回(1964年上半期) 柴田翔 されどわれらが日々──

本当に淡い記憶だけれど、『赤頭巾ちゃん気をつけて』で全共闘文学っていうのかな、それを知って。これを読まなきゃと。その流れで調べて(Webないぞどうやったのか?)読みました。

The 全共闘の小説。ですよね。タイトルもThe 純文学ですし。名前も「翔
」て。

77回(1977年上半期) 三田誠広 僕って何

「僕って何」ってストレートすぎてタイトルとしては嫌い。そしてその後も精力的にご発言なさっていて、それも読んだ限りは嫌い。小説家に憧れていたので小説作法的な本なども多数読みましたが、何かずれていて嫌い

絶対知り合いになりたくないし、何か成果を上げる人とも思わない。でも引き込まれる。そういうものが文学だろ、ってそういうものかな。

137回(2007年上半期) 諏訪哲史 アサッテの人

全共闘が3作続いてごめん。「青春」の時に話し相手が誰もいないという歪んだ人生だったので。憧れなのかな。実態は悲惨そうだけれど。『レッド』山本直樹も読んだし。

そんなこんなで、そんな私のような人間が老人になるとこうなるかなを描いた?アサッテの人。

作者様のお名前を全然存じ上げなかったし、芥川賞受賞作品全読というクレイジーなことをしなければ絶対読まなかった方。

ポンパ

そりゃ胸を撃ち抜きますわ。もちろんこの言葉だけじゃないですよ。この言葉がしっくりくる文章。

こういうのが芥川賞なんだと。本作が芥川賞の本質を私としては感じさせてくれた作品かも。


ちなみにヘッダー画像の又吉さんの作品も読んでいます。

でも冒頭の「大地を震わす和太鼓の律動に」の「律動」が嫌すぎて。
お笑い好きなので芸人さんとしての又吉さんを高く評価しすぎているので、期待して読んだというそういうきらいはあります。





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