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日記|図書館で

午前のうちから出かければ良かったのだけど、諸事情あって機会を逸して途方に暮れている。
それでも家に閉じこもっているのは嫌で、そうかといって電車に乗るのも嫌で、どうにかして街に出たとして、カフェでお茶をするにも長蛇の列、なんてところにわざわざ行きたくもなくて、結局家の近くの図書館に来てあくびばかりしている。

休日の午後、図書館は学生とおじさんが多い。
「飲食禁止」
「置き引き注意」
「資料の撮影はお控えください」
などなど。たくさんの禁止事項に見守られながら、それぞれが机に突っ伏して寝ている。

大きな窓に面して机と椅子が並び、そこにそれぞれが資料やノートを広げていかにもやる気満々な土台を築いた上ですやすやと眠る。
私はそんな人々の背中を眺めている。

最大五人が座れる大きな机の一角を陣取り、先日図書館で借りた本を一冊持ち込んで読み終えた。
読んだ本は返して帰るから、新たに一冊借りたい。
昨日、神保町や丸の内の書店をめぐった際気になった海外小説を思って探してみたけれど、あいにく在庫はなかった。

迷わず予約をしてから、「家に読むものがたくさんあるのになぜ予約までして取り寄せているんだか」、とちくちくした思いがしたけれど、まあいっか。
よく母が、「買うと読まないから」と言って図書館を利用していたけど、ちょっとわかる。
家に読みたい本があるのは嬉しいけれど、あると安心してしまって読み始めるまで数ヶ月かかったりする。
そんな状況だから、もしかすると購入した本たちは、入れ代わり立ち代わりやってくる図書館から借りた本に嫉妬しているかもしれない。

嫉妬心から夜な夜な嫌がらせをして、ページを折ったりスピンの先を割いてボサボサにしたり。
万が一そんなことがあって借りた本が傷ついては大変だから、そうなる前に私は購入本だけを書斎に呼び出し、内側から鍵を閉めてこう言おう。
「あんたのこと、惚れたから買ったんだよ」

それでも納得しないなら、「お金使ったし、記念に写真も撮ったじゃん」とささやき、借りた本との待遇の違いを教えてやる。そうしてようやく購入本がしおらしくなったのを見計らい、そのカバーをそっと剥がし、いつもは触れることの無い表紙をなで回したりして、愛を示す。
こうまでしないと、本は嫉妬で歪んだり、湿っぽくなってしまうのだから。



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