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ホルモンを摂ると、自分で作れなくなる?!メラトニンは例外?!

(アイキャッチ画像はpixabayから大脳松果体イメージのフリー画像より引用)

前回の記事で睡眠ホルモンのメラトニンを体内で合成する仕組みについて書きました。

私はメラトニンのサプリは飲みませんが、サプリが危険であると誤解しないかと思い直して、今回の記事を書いています。
多くのホルモンは摂ると、自分で作れなくなります。それで・・・

「メラトニンサプリを飲むと、自分でメラトニンを作れなくなる」という誤情報が良く見かけます。

確かに一般的にホルモンは外から補充すると、体内の分泌が低下することがあります。
そのため「ホルモンサプリは危険」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

しかし、メラトニンは多くのホルモンと異なる性質です。
現在の研究では、通常量のメラトニンサプリが体内のメラトニン分泌を止める明確な証拠はほとんどないとされています。

この記事では、科学的な視点から整理して解説しましょう。

・なぜ、一般的なホルモンを摂ると、自分で作れなくなるか→A
・メラトニンが他のホルモンと異なる理由、サプリの注意点→B~D

メラトニンそのものに興味が無くても、一般的なホルモンを摂ると自分で作れなくなる(Aの部分)だけでも読んでいただけたら、役立つ情報になるように書いたつもりです。


A.なぜ、一般的なホルモンを摂ると自分で作れなくなるか?

多くのホルモンにはネガティブフィードバック(負のフィードバック)という調節機構があります。

これは体内のホルモン量が十分になると、脳がそれを感知して分泌量を減らす仕組みです。
体は常にホルモンバランスを一定に保とうとしているため、外からホルモンを補充すると脳は「もう十分ある」と判断します。

その結果、体内でのホルモン合成が低下することがあります。

この現象が問題になる代表例が次のホルモン。

・テストステロン
・コルチゾール
・成長ホルモン

例えば、テストステロン補充療法では、長期間の補充によって体内の分泌が低下することがあります。
また、ステロイド薬でも、長期使用によって体内ホルモンの分泌が抑制されることが知られています。

このような例があるため、「ホルモンサプリを摂ると、体が作らなくなる」というイメージが広まりました。

B.メラトニンは他のホルモンと異なる

メラトニンもホルモンの一種ですが、分泌の調節方法が他のホルモンとは少し異なるのです。

メラトニンは脳の松果体という器官から分泌されますが、その量は主に光の情報によってコントロールされています。
松果体とは脳の中心部にある卵(松ぼっくり)型の器官。
(アイキャッチ画像の中心部に位置するがもっと小さい)

光は目の網膜から脳の体内時計中枢へ伝わり、そこから松果体へ信号が送られます。
その結果、はメラトニン分泌が抑制し、はメラトニン分泌が増加するというリズムが作られます。

つまり、メラトニンは血中濃度だけで調節されるホルモンではなく、光環境によって強くコントロールされる体内時計ホルモンなのです。

メラトニンサプリに関するレビュー研究では、多くの研究結果をまとめた上で次のように報告されています。

メラトニン補充が体内のメラトニン分泌を抑制する証拠はほとんどない。

参考研究
https://www.mdpi.com/2218-273X/15/5/682

同研究では、次の可能性が示唆されています。

・5〜6mg以下の低〜中用量は安全性が高い可能性
長期使用でも大きな問題は少ない可能性

もちろんすべての状況で完全に安全だと断言できるわけではありません。
少なくとも通常の用量では自分で作れなくなるという証拠は現在のところ強くありません。

C.メラトニンが分泌抑制を起こしにくい3つの理由

研究者は、メラトニンが他のホルモンと違う理由として主に次の3つを挙げています。

1.メラトニンは体内時計の信号物質

メラトニンは一般に睡眠ホルモンと呼ばれますが、実際には体内時計の時間信号として働くホルモンです。

分泌を決める最大の要因は光環境です。
例えば夜に強い光を浴びると、メラトニン分泌は大きく低下します。

つまり、メラトニンは、ホルモン濃度よりも光による調節の影響が大きいホルモンなのです。

2.体内での持続時間が非常に短い

メラトニンは体内での持続時間が非常に短いホルモンです。
血中半減期はおよそ30〜60分程度とされており、夜間に数時間だけ分泌量が増えます。

つまり、メラトニンは一日中高濃度で存在するホルモンではなく、夜間だけ短時間上昇するホルモンです。
そのため外から摂取しても、体内ホルモンが長時間高い状態になるわけではありません。

3.メラトニンは年齢とともに減少する

メラトニン分泌は加齢によって減少することが知られています。
一般的には20〜30代が分泌ピークで、その後に年齢とともに減少するという変化が起こります。

そのため、メラトニンサプリは、不足した分を補う目的で使われる場合もあります。

D.メラトニンサプリの注意点

メラトニンは比較的安全とされていますが、注意点もあります。

まず海外では10mg20mg高用量サプリが普通に販売されています。
しかし、人間が夜間に分泌するメラトニン量は、一般に0.1〜0.5mg程度とされています。
つまり、市販サプリの中には、生理的分泌量より100倍ほども高容量を含むものもあります。

また、一部研究では、高用量を長期間使用すると、メラトニン受容体の感受性が低下する可能性が議論されています。
これはホルモン分泌が止まるというより、細胞側の反応が鈍くなる可能性を示唆するものです。

さらに、子供への長期使用については研究がまだ十分ではないため、注意しましょう。

多くの睡眠研究者が推奨する方法は、少量を就寝前に使用する方法です。
一般的には0.3〜1mg就寝1〜2時間前に摂取する方法がよく紹介されています。
この量は体内分泌量に比較的近く、体内時計を整える目的で使いやすいと考えられています。

まとめ

多くのホルモンサプリでは、外からホルモンを補充すると体内の分泌が低下する可能性があります。

しかし、メラトニンは、次の特徴を持つため、通常量のサプリが自己分泌を強く抑制する証拠は少ないと考えられています。

体内時計ホルモン
光環境によって調節される
・体内での持続時間が短い
加齢によって自然に減少する

ただし高用量の使用や長期使用には注意しなければいけません。
メラトニンを活用する際は、サプリだけに頼るのではなく、体内時計を整える習慣と組み合わせることが重要になります。

朝日を浴びる
夜の光を減らす
生活リズムを整える

なお、アマゾンでは個人輸入代行サイト以外に現時点でメラトニンサプリを扱っていません。
(基本的に日本のアマゾンでは日本で医薬品に分類されているサプリはありません)
代りに今回は前々回で紹介した睡眠サプリをリンクしておきますね。

本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断、治療、予防を目的とするものではありません。
体調に不安がある場合は、医師等の専門家にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は3月23日(月)午前10時です。
人類のY染色体消滅の可能性についての記事です。
今まで健康情報が多かったのですが、なぜ人類の未来の話?と思われるかしれません。
26日にY染色体が消滅した哺乳類という動物の話、
30日に男性の加齢によるY染色体喪失の話へと展開していきます。
4月2日に寿命は男性が女性より短い理由として健康情報につながります。
読者離れを心配しながらも、書く情報の範囲を広げていくつもりですので、これからもよろしくお願いします。

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