【2026年6月施行】長期収載品の選定療養|患者負担はいくら増える?30日処方のリアルな計算例と、現場で使える説明ポイントまで解説
令和8年度診療報酬改定により、
「長期収載品の選定療養における費用計算方法」が見直され、2026年6月1日から適用されます。
本記事では、現場で迷いやすい
**「患者負担額の計算方法」**を、実務ベースでわかりやすく解説します。
✔️ まず結論:患者負担はこの2つで決まる
長期収載品を選定療養として提供した場合、患者負担は以下の合計です。
① 特別の料金(選定療養)
→ 価格差の1/2(※消費税あり)
② 保険自己負担
→ 残りの薬剤費 × 自己負担率(※消費税なし)
👉 最終的な支払額=①+②

✔️ なぜ計算が複雑なのか?(制度の本質)
今回の仕組みはシンプルに言うと:
👉 「後発品との差額の一部を自己責任で負担する制度」
つまり、
保険でカバーされる部分
自費(選定療養)部分
が明確に分離されています。

✔️ 計算に必要な「厚労省マスタ」とは?
計算には、厚生労働省が公表する以下2つの数値を使用します。
価格差の1/2(特別の料金用)
保険算出に用いる価格
👉 この数値をそのまま使うのがポイント(自己計算しない)
※規格単位「10」の製剤は四捨五入ルールあり

✔️ 計算方法(3ステップで理解)
① 特別の料金(選定療養)
価格差の1/2 → 点数換算 → ×10円 → ×消費税👉 計算式
特別の料金 = 点数 × 10円 ×(1+消費税)

② 保険対象部分
保険用価格 → 点数換算 → ×10円👉 自己負担額
(点数 × 10円)× 負担割合

③ 最終負担額
特別の料金 + 保険自己負担
✔️ 【具体例】30日処方での計算
■ 条件
長期収載品:100.0円
後発品最高価格:49.3円
2錠/日 × 30日
自己負担:3割
■ マスタ数値
価格差1/2:25.35円
保険用価格:74.65円

■ 計算
▶ 特別の料金
25.35円 × 2錠 = 50.7円 → 5点
5点 × 30日 = 150点
👉 150点 × 10円 × 1.1 = 1,650円

▶ 保険自己負担
74.65円 × 2錠 = 149.3円 → 15点
15点 × 30日 = 450点
👉 450点 × 10円 × 0.3 = 1,350円

▶ 最終負担額
👉 1,650円 + 1,350円 = 3,000円

✔️ 現場で重要な3つの注意点(ここが差になる)
① 消費税の有無が異なる
→ 選定療養のみ課税

② 点数丸め処理に注意
→ 端数処理で誤差が出やすい

③ 患者説明が必須になる
→ 「なぜ高くなるか」を説明できるかが重要

✔️ まとめ
患者負担は「選定療養+保険負担」の合計
価格差の1/2が自費負担になる
消費税は選定療養のみにかかる
計算は厚労省マスタの数値を使用する

✔️ 現場目線のひとこと
この制度は単なる計算ルールではなく、
「後発品選択を促す仕組み」そのものです。
今後は、
説明力
同意取得
システム対応
この3つで現場対応力の差が出てきます。
出典:「長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養における費用の計算方法について」の一部改正について

今後も、診療報酬改定・調剤報酬のポイントを
**「現場でそのまま使える形」**で発信しています。
実務で迷わない解釈
通知・告示の要点整理
明日から使える計算ロジック
を知りたい方は、ぜひフォローしてください。
令和8年6月5日追記
選定療養費が1/4から1/2へ引き上げられたことで、私は単純に患者負担も2倍になるものだと勘違いしていました。
しかし実際には、4月の薬価改定による薬価引き下げや、選定療養の対象外となった品目もあり、一概に負担増とは言えないようです。
本日、先発品を希望される患者さんの負担額を確認して驚きました。先発品を4種類使用していたにもかかわらず、総負担額は6,443円から3,721円へ減少していました。その内の、選定療養費も4品目から1品目への変更で、3,333円から1,001円へ大幅に減っていました。
選定療養は上がるものとばかりと思い込んでいましたが、上記理由により実際には下がる場合もあるようです。
私の経験が、あなたの明日からの業務にお役立ちになることができれば幸いです。
