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障害はない、全部ギフトだ。19歳で起業したメンタルトレーナーが、適応障害から学んだこと。

「家庭のプロ」と「ビジネスのプロ」が、肩書きを脱いで本音で語り合う。
利害関係ゼロの主婦が、経営者の素顔をまるごと引き出す。

EIGHTH INTERVIEW ── 山田 コウセイ

障害はない、全部ギフトだ。
19歳で起業したメンタルトレーナーが、
適応障害から学んだこと。


Health&Tech株式会社 代表 山田コウセイさんは、ビジネスマンからプロアスリート、子どもまでを対象にメンタルトレーニングを届ける。

テニス留学先で適応障害を経験し、友人に教わったブレスワーク瞑想が転機になった。

「運は、人がこちらに顔を向けた時の頭の上にある」——言葉一つ一つが美しいメンタルの先生のリアルな話。




CHAPTER 01
テニス留学先で適応障害に。
友人の「ブレスワーク」が、人生を変えた。


Q.メンタルが一番やられた時、どうやって乗り切りましたか?

早稲田大学への進学か海外テニス留学かという2択で、留学を選んだんです。
そこで海外の選手と比べられて勝てない、さらに中国語での勉強も重なって、心をすっかり持っていかれました。適応障害と診断されて、通院と服薬をしていた時期があります。

そこから回復できたのは、早稲田時代の友人・藤川のおかげです。「辛いのはわかるから、ブレスワーク瞑想を一緒にやってみないか」と誘ってくれて。

1日寝て1日起きるような乱れたバイオリズムが、少しずつ戻ってきました。今その藤川は、うちの会社の離島リトリート事業で一緒に働いてくれています。

適応障害から回復させてくれた友人が、
今は一緒に会社をやっている。
人生って、つながっているんですよ。


Q.起業して後悔した夜はありますか?

ございますよ。最初はなかなか軌道に乗りませんから。
ただ、多くの失敗というのは続けきれなかったことによる失敗で、成功するまでやり続けるというマインドセットを持ってしまえば、成功するまでやれば必ず成功する。そう思っています。

Q.成功に必要なのは努力・才能・学歴・運、どれですか?

運ですね。ただ、運というものを定義してしまったんですよ。運は、人がこちらに顔を向けた時の頭の上にあると思っていて。
運を集めるというのは、人に自分の方を向いてもらう機会を作ること。神社のご神体が鏡なのも、自分の正面に向いているからで——鏡から「我」を抜くと「神」になる。
自分の欲ではなく人や社会のためになる願いを持つことが、運を引き寄せるんじゃないかと。

運は、人がこちらに顔を向けた時の
頭の上にある。
運を集めるとは、人に向いてもらう機会を作ること。



Q.会社の資金繰りと家計のやりくり、どっちがしんどいですか?

どちらも難しいと思うことはないんですが、どちらかといえば家庭の方が難しいかもしれない。
妻に「好きなものは買っていいよ」と言ったら、与えられすぎると逆に買わなくなると思っていたのに、うちの妻は逆のパターンが発生しまして(笑)
心理のタスクはまだまだ長いですね。

それと妻は、メンタルマネジメントの資格まで自分で取ってきてくれました。
専業主婦なのに「あなたの業界のことを知らなきゃ」と勉強してくれていて。課長レベルのマネジメントをしてもらっています。

「妻がメンタルマネジメントの資格を自ら取ってきた」 → 夫の仕事を理解しようと、自分で勉強する。
専業主婦だからこそできる、最大の応援の形かもしれない。



CHAPTER 02
妻のエプロン姿は、
どんなエナジードリンクより力をくれる



Q.起業についてパートナーから反対されましたか?

妻からは反対されなかったんですが、妻の親御さんからは「本当に大丈夫か」という部分はありましたね。その時に伝えたのは、難しい単語を使わずに、男としての覚悟というところでした。
事業がうまくいくかどうかより、結婚する相手としての人間性と覚悟——そこが大事だと思っていました。



Q.妻から怒られた仕事の仕方はありますか?

「仕事しかできんと。こんなんでよう部下がついてくるね」と言われたことがあります(笑)
社長はADHD気質の人が多いと思っていて、私もそうで抜け漏れがあったりする。スケジュールを妻がパッと確認して「これじゃないの」と言ってくれて、Zoomに駆けつけてまた戻ってくる。
心強いマネジメントをしてもらっています。



Q.守るものがある人の方が、経営者として成功すると思いますか?

絶対そうだと思います。人間って、自分のためではなかなか力が出ない。人のために命をかけるというエネルギーに勝るものはない。妻と家族とワンちゃんを命をかけて守ると決めた。その根源から出る動物的なエネルギーは、やっぱり強いと思います。
それと、エプロンとスーツというメディア名がまさにそうで——妻がエプロンをして料理を作っている姿って、どんなエナジードリンクよりパワーをもらえるじゃないですか。
妻がエプロンをして料理を作っている姿は、
どんなエナジードリンクよりも
パワーをもらえる。



CHAPTER 03
障害という言葉はない。
全部、ギフトだ。


Q.幼少期はどんな子どもでしたか?今のビジネスにつながっている部分は?

佐賀の田舎で川遊びや魚釣りをしながら育ちました。昔から人をまとめて新しいゲームを作るのが好きで、みんなが遊んでいるものを遊びたくないという感覚がずっとありました。
鬼ごっこにも違うルールを加えて楽しそうにやっていたら周りが集まってくる、みたいな。
人がしないことをしたがる性質は今も変わらなくて、メンタルトレーニング産業で上場した会社は日本にまだない。
瞑想で飯が食えるのかという世界で、日本初の上場を目指しています。


Q.お母様はどんな性格でしたか?

小学校の教頭を女性として務めた教育者です。厳しかったですが、常に信じてくれていました。
自己肯定感や自己効力感を育ててくれたのは間違いなく母で、母の教育なかったら今の自分はないと思っています。
今こそ言いたいのは、大好きだよ、愛してるよということですね。



Q.お母様との一番の思い出は?

高校最後の夏、学校創立以来初めてのインターハイ出場をかけた決勝戦で優勝できた時に、母と抱き合ったことです。
公務員として早稲田の高い学費を出してくれて、食事管理もしてくれて——そのすべての支えがあっての瞬間でした。



Q.ADHDのお子さんを持つ親へ伝えたいことは?

障害という言葉はなくて、全部ギフトだと思っています。足がずっと動いてしまうお子さんがいたとして、一般的なサラリーマンの働き方ではないかもしれない。
でも作家やYouTuberとして生きれば、その個性が強みになる。ADHDで一般的な社会に属することが難しいなら、自分で社会を作ればいい。必ずうまくいきますよ。

障害という言葉はない。
全部、ギフトだ。
自分で社会を作ればいい。



EPILOGUE
焼き鳥屋「てっぺん」でバイトしていた19歳へ、
今伝えたいこと



Q.起業前の自分にアドバイスするとしたら?

19歳で起業していて、その前は「てっぺん」という焼き鳥屋でバイトしていました。その頃の自分に言いたいのは、今のままでいいよということ。
人当たりよく、正義を貫いて、人の困っていることを助けたいというピュアな心をずっと持ち続けてほしい。
世の中、意外といい人がいっぱいいるから。

Q.子どもに勧めるなら起業と就職どっち?

就職ですね。20〜30年後はAIがさらに発達して、就職する方が難しくなる時代が来ると思っています。だから難しい方にぜひ挑戦してほしい。起業の方が簡単になる時代に、あえて就職というチャレンジをしてほしいという意味です。


「障害という言葉はない、全部ギフトだ」——この言葉を、メンタルの先生として言うのではなく、自分自身が適応障害を経験した人間として言っているのが伝わってきた。

焼き鳥屋「てっぺん」でバイトしていた19歳が起業して、鏡の話をして、妻のエプロン姿にパワーをもらって、瞑想で日本初の上場を目指している。

「運は、人がこちらに顔を向けた時の頭の上にある」——
そう言いながら話し続けた山田さんに、
取材中ずっとこちらが顔を向けていた。


■本日のゲスト情報

Health&Tech株式会社
山田コウセイ



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