最終目標を実現する人は、目標を「一日単位」まで細分化している――モチベーションに頼らず結果を出す逆算思考
目標を達成する人は、「何を頑張るか」ではなく「今日何をするか」を決めている
私は、司法試験と医師国家試験の両方に合格してきました。もちろん、どちらの試験も簡単ではありませんでしたし、常に高いモチベーションを維持できていたわけでもありません。それでも最終的に目標を達成できたのは、目標そのものを眺め続けるのではなく、そこに到達するために必要な条件を整理し、月単位、週単位、そして一日単位まで細かく分解してきたからだと考えています。
本記事では、私が何か大きな目標を達成しようとするときに、普段どのようなことを考え、どのように計画を立て、どのように日々の行動へ落とし込んでいるのかをまとめました。
「頑張る」「継続する」「努力する」といった精神論だけを述べる内容ではありません。最終目標をどのように定義し、達成までに必要な総量をどのように見積もり、それを一日当たりの具体的な行動へ変換するのかについて、できる限り実践的に説明しています。
まず、考え方を分かりやすくするために、ダイエットを例として取り上げます。
具体的には、身長170cm、体重70kg、体脂肪率20%の人が、半年間で体脂肪率10%を目指す場合を想定します。現在の体脂肪量と除脂肪体重を計算し、体脂肪率10%になるためには、何kgの脂肪を減らす必要があるのかを明らかにします。そのうえで、脂肪1kgを減らすために必要なエネルギー赤字から、半年間で必要な総消費カロリーを計算し、さらに一日当たりどの程度「消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態」を作ればよいのかまで具体化します。
「半年で体脂肪率を20%から10%にする」という目標だけを見ると、非常に遠く、漠然としたものに感じます。しかし、必要な脂肪減少量を計算し、それを180日で割ることで、「今日どの程度のカロリー赤字を作ればよいのか」という、目の前の行動に変えることができます。
ゴールまでの具体的な道のりが分かれば、途中の体重変動に過度に一喜一憂する必要もなくなります。今日は何を食べるべきか、どの程度運動すべきか、今週はどの程度進んでいればよいのかを、感覚ではなく数字で判断できるようになります。
その後、同じ考え方を予備試験の学習に当てはめます。
一年以内に予備試験へ最終合格するという目標は、そのままでは抽象的すぎます。「予備試験に合格するために勉強する」と決めただけでは、今日どの講義を聞き、短答過去問を何問解き、論文過去問を何問検討すればよいのかが分かりません。
そこで、まず予備試験に最終合格するために必要な到達状態を明確にします。
私の場合、短答試験については、過去10年分の過去問の選択肢をすべて検討し、九割程度の得点を安定して取れる状態を目標とします。論文式試験については、平成23年度から最新年度までの予備試験論文過去問をすべて検討し、それぞれについてA答案相当の答案を作成できる状態を目標とします。さらに、口述試験については、過去10年分程度の再現情報や問答を検討し、主要な質問にその場で回答できる状態を目標とします。
そのうえで、これらの最終的な到達条件を満たすために、何カ月で基礎講義を終えるのか、短答過去問を一日何問のペースで進めるのか、論文過去問を一週間に何問検討するのか、口述過去問を一日何問ずつ声に出して回答するのかというところまで細分化していきます。
たとえば、短答過去問を三カ月で一周したいのであれば、対象となる問題数や選択肢数を数え、実際に勉強できる日数で割ることで、一日当たりの必要量が分かります。論文過去問を一年で完成させたいのであれば、全問題数を月数と週数で割ることで、一週間に何問を答案構成し、何問を実際に答案化すればよいのかが見えてきます。口述試験についても、検討すべき質問数を残り日数で割れば、一日当たりに必要な問答数を設定できます。
このように、最終目標を月、週、一日へと分解することで、「合格できるか分からない」という漠然とした不安を、「今日はこの50問を終えればよい」「今週は論文過去問を二問検討すればよい」という具体的な行動に変えることができます。
この記事で扱う考え方は、ダイエットや予備試験だけに使えるものではありません。
資格試験、受験、仕事、転職、語学学習、筋力トレーニング、資産形成、執筆、研究など、長期間の努力が必要なあらゆる目標に応用できます。
大きな目標を達成しようとするとき、多くの人は「もっと頑張らなければならない」「モチベーションを高く保たなければならない」と考えます。しかし、本当に重要なのは、毎日やる気に満ちていることではありません。
最終目標までに必要なものを見つけ、現在地との差を把握し、その差を月単位、週単位、一日単位へ分解することです。
今日何をすればよいのかが明確になれば、迷いが減ります。迷いが減れば、行動を始めやすくなります。行動を積み重ねれば、自分が前に進んでいることが分かり、それが次のモチベーションにつながります。
この記事を読むことで、どれほど大きく、遠く感じる目標であっても、それを現実的な行動へ変換し、確実に一歩ずつ近づいていくための考え方が分かるはずです。
目標を達成できるかどうかは、最初に立てた目標の大きさだけでは決まりません。その目標を、今日実行できるほど小さく分解できるかどうかで決まります。
ここからは、実際に目標を数値化し、月・週・一日へ分解する具体的な方法を説明します
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