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英語フレーズの記録No.2         カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』

数あるnoteの中から、こちらをご覧いただきありがとうございます。

カズオ・イシグロさんの『わたしたちが孤児だったころ(When We Were Orphans)』を読み進めながら、気になった英語フレーズを紹介していきたいと思います。
※物語の一部に触れていますので、未読の方はご注意ください。


今回は、物語の中で印象に残った英語フレーズを2つご紹介します。

"What have you got up your sleeve? Come on, out with it!"
「何を隠してるんだ? さあ、早く言えよ!」

— When We Were Orphans, Part One, Chapter 1, p. 4

《場面説明》
主人公クリストファー・バンクスの家を訪れたのは、昔の学友ジェームズ・オズボーン。
二人はまず、お互いや昔の共通の学友の近況を語り合い、労働組合の活動について少し話しました。その後、それぞれの大学で培った知識を披露し合いながら、ドイツ哲学について長い間楽しく議論しました。

ソファに腰を下ろして話していたオズボーンは、やがて立ち上がり、部屋の中を歩きながら、自分の将来についてあれこれ語り始めました。
新聞や雑誌などの出版関係に進むのもいいし、コラムを書くのも好きだ。政治や社会問題にも興味があるし、政治の世界に入るのも悪くないかもしれない――そんなふうに、自分の進路をあれこれ思案している様子を語ります。
そして話題を主人公に向けて、こう尋ねます。

「君はどうなんだ?何か計画はあるんだろ?」

ところが主人公は、「時期が来たら話すよ」とだけ答え、はっきりとは言おうとしません。 そんな主人公の煮え切らない態度に対して、オズボーンが発したのが上のセリフです。


🌀今日の英語フレーズ

① get something up one's sleeve「まだ見せていない秘策・切り札を持っている」という意味の表現です。
※引用文では、something が疑問詞の what に置き換わって文頭に出ています。

get something up one’s sleeve の up は、「袖の中に(上のほうに)何かを隠している」という位置のイメージから来ています。
手品師が袖の中にカードを忍ばせておき、観客の前で突然取り出して驚かせる動作が比喩となり、

  • まだ見せていないカード=秘策・切り札

  • 袖の中=人に見えない場所

という意味につながっています。

日本語の『奥の手がある』『隠し玉がある』が近い表現です。

実際の英語では、
have / keep something up one’s sleeve の形がよく使われるようです。

例文:
She always seems to have something up her sleeve.
(彼女はいつも何か秘策を持っているようだ。)


② out with it は「ほら、言って」「早く言いなよ」「隠さず話して」という意味の、かなり口語的でストレートな表現です。
語感としては「その言葉を外に出してしまえ」という直感的な命令形で、聞き手の「待ちきれない」「もどかしい」という気持ちが含まれています。

この場面のように、友達同士なら軽い冗談として使われることもあり、短くてインパクトがあるため、ドラマや小説でもよく登場する表現です。

例文:
If you have something to say, out with it.
(言いたいことがあるなら、言いなさい。)


この場面を読んでいるとき、まるで二人の会話の中に入り込んでいるような気持ちになりました。
どちらの表現も、ドラマや小説を楽しむ時に役立ちそうですね^^

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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