アラフィフ療養中|#6 ねこおば食堂がにぎわっています
***療養中のささやき***
もう9月も終わりですね🌙
お仕事をお休みして季節が変わりました。あっという間です。
昨日は、姪っ子を学校まで迎えに行くと、「めっちゃ嬉しい!」と喜んでくれました。夕方には、自分のために金色の色鉛筆を買いに行きました。
今まで、こんな風に時間やお金を使ったことがあったかな。
1円にもならない、ものすごく非効率な動きをしているのだけれど、家族や自分に、少しだけ丁寧に生きる自分を再発見できました。
↓ここからは、「ふうと銀河鉄道の夜へ」のお話です。
銀河鉄道の食堂車に、ひとつずつ星のお話が集まってきます。
ねこおばのスープの香りに包まれながら、旅のうさぎ、白い狐、小鳥たちが語る星の物語。
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食堂車のテーブルには、ふうとマルとコル、ねこおばが座り、フクロウの車掌さんがゆったりと羽をたたんでいました。
スープの香りに包まれていると、カラン、と扉が開きます。
最初に入ってきたのは、ピンクのマントを着た旅のうさぎでした。光をまとったその姿は、夜空のかけらのようです。
「いい匂いがする……わたしも、食べていいですか?」
ねこおばはにっこり笑って、椅子をすすめました。
「もちろん。一緒にどうぞ」
次に現れたのは、背の高い白い狐。しずかな足取りで入ってきて、ふうを見つめました。
「ここに座ってもいいかい?」
ふうは少し首を傾げて、しっぽを揺らしました。
「うん、どうぞ。ねこおばのスープは、すごくあたたかいよ」
さらに、小さな鳥たちの一団までやってきました。食堂車のテーブルはあっという間ににぎやかになり、ねこおばは鍋をもう一つ出して大忙しです。
「みんなで食べれば、もっとおいしいからね」
ふうは一番端の席から、少し目を細めながらその光景を見つめていました。
マルとコルは大はしゃぎで、「おかわり!」と何度もお椀を差し出し、旅人たちと笑い合います。
フクロウの車掌さんは、満足そうに翼をたたみながらつぶやきました。
「ねこおば食堂は、銀河鉄道の宝ですな」
「ごちそうになったお礼に、ひとつお話をしますね」
最初に口を開いたのは、ピンクのマントを着たのうさぎでした。
うさぎさんが語るのは「流れ星の涙」のお話。
遠い空から落ちてきた星のかけらが、川の水面に落ちて宝石のように光り、それを見つけた子どもが願いをかなえたというもの。
マルは「いいなあ、ぼくも見つけたい!」としっぽをふり、コルはしゃがれ声で「おねえちゃんの願いもかなえられるかな」とつぶやきました。
続いて白い狐が、低い声で語りはじめました。
「昔、星座になる前の星々は、みんな仲間を探して空を旅していた。寂しくないように、隣にいる星と手をつないで、やがて絵のような星座になったんだ」
ふうは目を細め、しっぽを小さく揺らしました。
「だから夜空は、ずっと友だちどうしで並んでるんだね」
最後に小鳥が、やさしい声で言いました。
「わたしの星のお話は、“消えない光”について。どんなに小さな星でも、誰かの夜を照らしている。だからなくなったように見えても、その光はずっと心に残るのです」
ねこおばはスープをすくいながら、ふうの方をちらりと見て、にっこり微笑みました。
そして、小鳥たちが一斉にさえずります。
「星の歌、星の歌!」
それは言葉にならないメロディーでしたが、窓の外の夜空が呼応するように瞬き、食堂車いっぱいにやわらかな響きが満ちました。
ふうはそっと前足を組んで、耳をすませます。
「……ぼくたちの旅は、まだ続くんだね」
フクロウの車掌さんが深くうなずきました。
「ええ。銀河鉄道は、星の物語をのせて、どこまでも走っていくのです」
――その夜、ねこおば食堂は星々の物語と歌声でいっぱいになり、みんなの心に静かな光を残しました。
ねこおば食堂の食堂車は、まだスープの香りであたたかく包まれていました。
旅のうさぎも白い狐も、小鳥たちも、ひとつずつ星のお話を語り終えて、静かな余韻にひたっています。
すると、ふうがゆっくりと顔を上げました。
「ぼくも……ひとつ、お話をしてみようかな」
マルとコルが驚いて顔を見合わせます。
「ふうが!?」「ききたい!」
ねこおばも手を止めて、そっとふうに視線を向けました。
ふうは目がよく見えないので、窓の外の星をじっと見つめるようにしながら、低く静かな声で語りはじめました。
「ぼくが知っているのは、“お日さまの星”の話。
むかしむかし、夜空に一番小さな光しか持たない星があったんだ。
自分なんて役に立たない、そう思っていたその星に、ある日、お日さまが話しかけたんだよ。
――『小さな光でも、だれかの夜を照らしているんだよ。わたしが眠っている間、きみは大切な役目をしているんだ』
その言葉を聞いて、小さな星は少しずつ輝きを強めていった。
やがて夜空の道しるべになって、旅人たちを導いたんだ」
語り終えると、食堂車はしんと静まりました。
マルはぽつりと「ふうが、その星みたいだね」とつぶやき、コルも「ぼくたち、いつも道を教えてもらってる」としゃがれ声でうなずきました。
ねこおばはふうの前にもう一度スープをそっと置きながら、やさしく言いました。
「ふう、あなたはね、わたしたちの大切な光だよ」
フクロウの車掌さんも、長いまつ毛の下で瞳を細めました。
「ええ、銀河鉄道もまた、その光に導かれているのです」
そして窓の外の夜空では、一つの小さな星が、いつもより少し強く輝いていました。
――その星の光は、ねこおば食堂に集まったすべての心に、あたたかく灯り続けていたのです。

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