【番外編|2026夏の甲子園展望-30】大分商vs英明を徹底分析|11安打4三振の打線か、104球3安打無四死球の冨岡琥希か
はじめに
2026年夏の甲子園。2回戦では、大分代表・大分商と香川代表・英明が対戦します。
今回も地方大会の数字ではなく、両校が甲子園1回戦で実際に見せた内容を中心に、このカードを考えていきます。
1回戦では、
大分商 6-4 日本文理
英明 4-1 関東第一
という結果でした。
大分商は0-2から反撃し、5回、6回、7回に2点ずつを奪って逆転。35打数11安打、三振はわずか4個で、中盤から打線全体が日本文理投手陣へ対応していきました。
一方の英明は、今春センバツ8強の実力校・関東第一を相手に4-1。打線は6安打にとどまりましたが、エース・冨岡琥希が9回104球、3安打、6奪三振、無四死球、自責点0で完投しました。
つまり今回の最大のテーマは、
11安打を放ち、35打数で4三振しかしていない大分商打線が、3安打無四死球完投の冨岡琥希をどう攻略するのか。
ここでしょう。
さらに大分商には、初戦で最速151キロを計測し、3回途中から7イニングを投げて試合を立て直した平田玲翔がいます。
英明打線では、6安打のうち3安打、公式3打点のすべてを記録した松原蒼真が中心でした。
そのため逆方向では、
151キロ右腕・平田玲翔が、3安打3打点の松原蒼真の前に走者を置かずに抑えられるか。
という対決も非常に重要になります。
今回は1回戦のチーム成績、個人成績、得点パターン、投手内容、守備、イニングごとの攻撃まで細かく比較しながら、この一戦を考えていきます。
※本記事の数字は、両校の甲子園1回戦の試合記録および一球速報をもとに整理し、一部指標を独自算出しています。
1.まずは両校の甲子園1回戦を振り返る
大分商は日本文理との1回戦で、序盤から順調に打ち続けたわけではありません。
1回に河野晃悠斗が内野安打を放ったものの、2回から4回までは攻撃を抑え込まれ、4回終了時点では1安打0得点。その間に日本文理に2点を先行され、0-2と追いかける展開になりました。
それでも5回から打線が一変します。
先頭の杉山巧真が中前打で出塁すると、中津熊辰己が送りバント。さらに中野斗真のセーフティーバントで相手守備にプレーを要求し、失策も絡んで1点を返します。続く菅原翔空が左前適時打を放ち、2-2の同点に追いつきました。
6回には木村颯汰が安打で出塁し、伊東大雅が犠打。杉山が勝ち越し適時打を放ち、さらに萱島夏空の適時二塁打で4-2。7回にも河野の四球などから好機を作り、伊東の2点適時打で6-2まで突き放しました。
結果として大分商は、5~7回の3イニングで8安打6得点。序盤に苦しみながらも、相手投手を一度見た後に打線全体で対応し、試合をひっくり返しています。
一方の英明は、関東第一との一戦を4-1で制しました。
初回に守備のミスも絡んで先制を許しましたが、冨岡がそこから崩れず、試合を1点差のまま維持します。英明打線もなかなか得点できませんでしたが、3回に1-1へ追いつき、6回終了時点でも同点。
そして7回。
9番・前田渉が四球で出塁し、1番・池田隼人の打球を相手遊撃手が失策。2番・吉川輝が内野安打でつなぎ、一死満塁となります。
ここで3番・松原蒼真がセンターへ走者一掃の3点二塁打。1-1だった試合を一気に4-1へ変えました。
英明はその3点を冨岡が最後まで守り切り、関東第一を破っています。
大分商が打線全体をつなげて3イニング連続得点した逆転勝利だったのに対し、英明はエースが耐え続け、一つの大きな一打で決めた勝利でした。
2.甲子園1回戦のチーム打撃成績を比較
まずは基本的な打撃成績を比較します。

打撃内容だけを比べると、大分商がかなり上回っています。
安打数は11対6。
打率は、
大分商 .314
英明 .176
です。
両校とも本塁打はなく、長打も二塁打が1本ずつだったため、初戦では純粋な「安打を作る能力」の差がそのまま数字へ出ています。
ただし英明は5四球を選びました。
大分商が相手投手からほとんど四球をもらわず、自分たちのバットで11安打を作ったのに対し、英明は少ない安打に四球や相手守備のミスを組み合わせて得点したことになります。
3.出塁率、長打率でも大分商が上回る
初戦の数字から出塁率、長打率、OPSを算出すると、攻撃内容の差がさらに分かります。

※犠打等を含む打席相当数を基準とした概算。
大分商は本塁打こそありませんでしたが、11安打を積み重ねたことで出塁率、長打率、OPSのすべてで英明を上回りました。
特に注目したいのが三振4個です。
35打数で4三振しかしておらず、ほとんどの打席でボールを前へ飛ばしています。
そして今回、その大分商が対戦するのが、関東第一を3安打に封じた冨岡です。
「打球を前へ飛ばし続ける大分商」か。
「そもそも安打を許さない冨岡」か。
非常に分かりやすい対決になります。
4.大分商は4回まで1安打、それでも中盤に完全対応した
大分商の11安打は、試合全体に均等に出たわけではありません。
4回までの数字は、
1安打0得点。
ところが5~7回では、

となりました。
つまりチーム11安打のうち8本、約73%を5~7回に集中させています。
この数字は冨岡との対戦を考えるうえで重要です。
冨岡が1巡目を完璧に抑えたとしても、それだけでは大分商打線を攻略したとは言えません。日本文理戦では、相手投手を一度見た後の2巡目、3巡目に打線が一気に対応しました。
大分商にとって今回も、序盤に無得点でも焦らず、4~6回に冨岡へ対応できるかが大きなポイントになるでしょう。
5.大分商は小技で相手守備へプレッシャーをかけた
大分商の5回の攻撃は、このチームの特徴が非常によく表れています。
杉山が安打で出塁した後、中津熊が送りバント。さらに8番・中野がセーフティーバントを仕掛けました。
単に送りバントで一つ進めるだけではありません。
相手守備に難しいプレーを要求し、そこから失策を引き出しています。
結果として1点を返し、さらに菅原の適時打で同点。
大分商は初戦で日本文理の3失策を得点へ結びつけました。
今回の英明も、関東第一戦で2失策しています。
そのため冨岡から大量の安打を期待するだけでなく、
バントやゴロで守備にプレーさせ、何かを起こす。
この攻撃は今回も重要になりそうです。
6.6回は完全に「自力」で勝ち越した
5回は日本文理の守備ミスも絡みましたが、6回は大分商が自分たちの打撃だけで勝ち越しました。
木村が左前打。
伊東が送りバント。
杉山が左前適時打。
萱島が右へ適時二塁打。
これで4-2です。
安打→犠打→適時打→長打。
非常にきれいな得点パターンでした。
今回も冨岡から10安打、11安打と打つ必要はないでしょう。
一人出塁し、送り、杉山や萱島が一本打つ。
そうした攻撃を2~3度作れれば、大分商には十分勝機があります。
7.追いついた後も止まらなかった大分商
5回に2-2。
6回に4-2。
7回に6-2。
大分商は追いついた後も得点を止めませんでした。
これはかなり重要です。
0-2から同点にしただけなら、「一度の反撃」で終わっています。しかし大分商は、その後2イニング続けて2点ずつを追加しました。
特に7回には二死二、三塁から4番・伊東が2点適時打。
相手に再び追いつく隙を与えませんでした。
英明・冨岡を相手に同じ6得点を期待するのは難しいかもしれませんが、得点後にさらに追加点を取れる打線であることは初戦で証明しています。
8.大分商の個人打撃成績

中心は5番・杉山巧真です。
4打数3安打、打率.750。
しかし、単に3安打というだけではありません。
大分商が得点した5回、6回、7回のすべてのイニングで杉山が安打を記録しています。
5回には反撃の起点。
6回には勝ち越し適時打。
7回にも安打。
大分商打線が中盤に爆発した中心に杉山がいました。
9.大分商は杉山だけの打線ではない
初戦の5打点は、
伊東:2打点
杉山:1打点
萱島:1打点
菅原:1打点
と4人に分散しています。
さらに木村が2安打、中野も2安打。
つまり、杉山を抑えれば攻撃が終わるわけではありません。
特に9番・菅原が同点適時打を放っている点は重要です。
下位打線から上位へつながる攻撃を作れるため、冨岡としては打順のどこでも簡単には休めない可能性があります。
10.英明は6安打4得点
続いて英明打線を見ます。

※主な打者を掲載。
英明は6安打。
そのうち3安打を松原が記録しました。
つまり、
チーム安打の50%が松原。
公式3打点もすべて松原です。
初戦だけを見るなら、英明の得点力はかなり松原へ集中していました。
11.松原蒼真は4打数3安打3打点
松原は初回に中前打。
5回にも右前打。
そして7回に走者一掃の3点二塁打。
4打数3安打3打点でした。
特に7回の一打は、1-1の均衡を一振りで破る決勝打です。
したがって大分商として最も重要なのは、
松原を打ち取ることだけではなく、松原の前に走者をためないこと。
でしょう。
走者なしなら二塁打を打たれても一人の走者です。
満塁なら、それが3点になります。
12.英明の3得点は松原だけで生まれたわけではない
7回の3得点を細かく見ると、
前田が四球。
池田の打球を相手遊撃手が失策。
吉川が内野安打。
一死満塁。
そこで松原が3点二塁打です。
つまり、松原の一打の前には、
四球+失策+内野安打
がありました。
松原はもちろん最大のキーマンですが、その前に英明が無料の走者を二人得ていたことも重要です。
大分商・平田としては、松原との勝負以前に前田、池田、吉川を簡単に塁へ出さないことが必要になります。
13.両校とも「相手の3失策」を利用して勝った
今回、かなり面白い共通点があります。
大分商の相手・日本文理は3失策。
英明の相手・関東第一も3失策。
両校とも、初戦では相手守備のミスを得点へ結びつけました。
さらに相手投手の自責点を見ると、

項目大分商英明総得点64相手投手の自責点22非自責点相当42
大分商の6得点すべてが「純粋に投手を打ち崩して得た点」というわけではありません。
英明も同様です。
したがって今回、両校が無失策に近い守備をすれば、初戦以上にロースコアになる可能性があります。
14.守備では大分商がやや安定していた
自分たちの失策は、
大分商 1
英明 2
でした。
大分商の失策は失点にはつながっていません。
一方、英明の唯一の失点は守備のミスが絡んだ非自責点でした。
冨岡は自責点0。
つまり、関東第一は冨岡本人を打ち崩して得点したわけではありません。
ここから大分商の攻撃方針も見えてきます。
冨岡から安打を大量に打てなくても、まず打球を前へ飛ばす。
英明守備陣に処理させることで、失策や内野安打が起きる可能性があります。
大分商は初戦で、まさにそれを得点へ変えました。
15.英明最大の武器・冨岡琥希
冨岡の初戦成績は非常に強烈です。

9回3安打。
無四球。
無死球。
自責点0。
そして104球完投です。
単純に抑えただけではなく、非常に効率の良い投球でした。
16.冨岡の怖さは奪三振数より「走者を与えないこと」
冨岡は6奪三振。
もちろん十分な数字ですが、1試合10個、12個と三振を量産したわけではありません。
それ以上に価値があるのが、
与四球0。与死球0。
です。
31打者に対して、自ら走者を一人も与えていません。
大分商は初戦で四死球を2個しか得ていません。
つまり大分商はもともと「四球を待って攻撃するチーム」ではありません。
そのため今回の対決は非常に純粋です。
大分商が自力で冨岡から安打を打てるかどうか。
ここに集約されます。
17.冨岡は初回に失点しても全く崩れなかった
冨岡は初回、先頭打者に安打を許し、自らの守備のミスも絡んで一、三塁。犠飛で1点を失いました。
それでも、その後の8イニングは無失点。
初戦の立ち上がりで失点しても、投球内容を崩しませんでした。
これは大分商にとって厄介です。
仮に初回に1点を取ったとしても、それで冨岡が崩れる保証はありません。
大分商は一度の得点で満足せず、2巡目、3巡目でも追加点を取る必要があります。
18.大分商には151キロ右腕・平田玲翔がいる
一方、大分商にも試合を変えられる投手がいます。
平田玲翔です。

初戦では150キロ台を連発し、最速151キロを計測しました。
しかし平田の価値は球速だけではありません。
最も重要なのは登板した場面です。
19.平田は0-2、無死一・二塁から試合を止めた
3回、日本文理に3連打を浴び、大分商は0-2。
なお無死一、二塁。
先発投手は次打者にも2ボール先行。
このままなら0-3、0-4まで広がってもおかしくない状況でした。
そこで大分商は平田を投入します。
平田は最初の打者を併殺打。
続く打者を二ゴロ。
無死一、二塁から追加点を許しませんでした。
この場面がなければ、その後の逆転もかなり難しかったでしょう。
平田は単に7回2失点だったのではなく、試合が壊れかけた瞬間に流れを止めた投手でした。
20.平田は8回以外ほぼ打たれていない
平田の被安打は5本。
しかし一球速報を細かく見ると、そのうち4本が8回に集中しています。
つまり8回以外の約6イニングでは、わずか1安打。
登板後から7回終了まで、日本文理打線を無失点に抑えました。
8回には3連打などで2点を返されましたが、それでも同点にはさせず、最後は後続を切っています。
数字以上に内容の良い7イニングでした。
21.「冨岡vs大分商打線」は今回最大の勝負
ここまでのデータを重ねると、今回の最大の対立は非常に分かりやすいです。
大分商打線
35打数11安打
打率.314
三振4
冨岡琥希
9回3安打
6奪三振
無四死球
自責点0
大分商が冨岡からも三振を4個前後に抑え、7~8本程度の打球を安打にできれば、試合はかなり面白くなります。
逆に冨岡が再び3~4安打程度に封じれば、大分商は初戦のような中盤の連続得点を作ることが難しくなります。
今回、試合を見ながら最も注目したい数字は、
5回終了時点の大分商の安打数
かもしれません。
3安打以下なら英明。
5~6安打以上なら大分商。
それくらい重要だと思います。
22.「平田vs松原」も非常に重要
逆方向では、
松原蒼真
4打数3安打、3打点
平田玲翔
151キロ、7回5安打2失点
です。
英明の6安打のうち3安打が松原。
3打点もすべて松原。
そのため大分商が英明を2点程度に抑えるには、松原への対策が欠かせません。
ただし松原を敬遠すればいいという話でもありません。
重要なのは、松原の前に走者を置かないことです。
初戦の3点二塁打も満塁でした。
走者なしなら一本の長打で済みます。
満塁なら一振りで試合が決まります。
23.英明の5四球を平田がどこまで消せるか
英明は初戦で5四球を得ました。
一方、大分商投手陣が日本文理に与えたのは3四球+1死球。
平田個人では7回1四球+1死球です。
つまり英明が今回も5個前後の四球を得られるとは限りません。
英明は初戦6安打。
もし平田が四死球を2個程度に抑えれば、英明には初戦以上の安打数が必要になります。
ここは大分商にとってかなり大きなポイントです。
24.投手成績全体では英明が明確に上
チーム投手成績を比較します。

チーム全体では、初戦の投手内容は英明が明確に上です。
特にWHIP0.33。
被安打3。
無四死球。
これだけを見るとかなり大きな差があります。
ただし大分商は先発・米田が序盤に打たれた影響が大きく、平田だけなら内容はかなり改善します。
25.主戦投手同士なら差は少し縮まる

完成度では冨岡。
球威では平田。
タイプの違う好投手同士です。
冨岡は無駄な走者を出さず、104球で試合を完結させました。
平田は150キロを超える直球で試合の流れを変え、厳しい登板場面から7イニングを投げています。
26.中盤が今回も最大の勝負どころになりそう
両校の初戦得点を時間帯で見ると、
大分商
1~4回:0
5回:2
6回:2
7回:2
8~9回:0
英明
1~2回:0
3回:1
4~6回:0
7回:3
8~9回:0
両校とも中盤以降に試合を動かしました。
大分商は5~7回。
英明は7回。
そのため今回も、4回終了時点で1-0や1-1でも全く不思議ではありません。
むしろ勝負はそこからでしょう。
27.大分商が勝つための5つのポイント
大分商が勝つために最も重要なのは、冨岡から大量点を取ることではなく、3点を作ることだと思います。
まず一つ目は、序盤に打てなくても焦らないこと。日本文理戦でも4回まで1安打でした。冨岡を1巡見てから、5回前後で対応する形でも十分です。
二つ目は、三振を増やさないこと。初戦は4三振。冨岡相手にも5個前後までに抑えれば、英明守備陣へ多くの打球を飛ばせます。
三つ目は、小技を使うこと。河野や木村が出塁した後、送りバントで一つ進め、杉山や伊東へつなげたいところです。
四つ目は、松原の前に走者を置かないこと。平田が前田、池田、吉川を抑えられれば、松原の長打の被害を最小限にできます。
そして五つ目が、平田を中心に英明を2点前後へ抑えることです。
冨岡から3点。平田が2点以内。
これが最も現実的な勝ち筋でしょう。
28.英明が勝つための5つのポイント
英明の場合は、最大の武器が明確です。
冨岡が試合をロースコアにすること。
1回戦と同じように四球を与えず、大分商の11安打打線を単打中心に抑えたいところです。
二つ目は、杉山の前に走者を置かないこと。大分商が得点した3イニングすべてで杉山が安打を放っています。
三つ目は、松原の前に走者を作ること。英明が大量安打する必要はありません。前田や吉川が出塁し、松原の一打を2点、3点へ変えることが重要です。
四つ目は、守備のミスを減らすこと。冨岡は自責点0なのに1失点しています。大分商は相手守備へプレッシャーをかける野球ができるため、無失策に近い守備が必要です。
そして五つ目は、6回まで2失点以内。
そこまで持ち込めれば、1-1、2-1程度の試合となり、英明が初戦で勝った土俵になります。
29.初戦だけから見た戦力比較

総合的に見ると、かなり難しい比較です。
打線なら大分商。
投手なら英明。
この構図が非常にはっきりしています。
30.現時点では英明をほんの少し上に見る
甲子園1回戦だけを評価材料にするなら、私は英明をほんの少し上に見ます。
最大の理由は冨岡です。
関東第一を相手に、
9回104球
3安打
6奪三振
無四球
無死球
自責点0
という内容は非常に強烈です。
大分商が11安打を放ったとはいえ、冨岡相手に同じ数字を再現するのは簡単ではありません。
ただし、差はかなり小さいと思います。
大分商には11安打の打線があり、三振はわずか4。
さらに平田も151キロを計測し、初戦の内容はかなり良いものでした。
冨岡が3点を取られれば、大分商側へ一気に試合が傾く可能性があります。
31.試合展開を予想する
序盤は冨岡が大分商打線を抑える可能性が高いと見ます。
日本文理戦でも大分商は4回まで1安打。冨岡の制球力を考えても、最初の2~3回から大量得点する展開は想像しにくいです。
一方、英明打線も平田を相手に簡単には点を取れないでしょう。
平田が先発、あるいは早い段階で登板するなら、150キロ前後の直球を前に英明打線が初戦以上の安打を打てるかは未知数です。
そのため4回終了時点では、
0-0
1-0
1-1
程度のロースコアを予想します。
最大の勝負どころは、やはり5~7回です。
大分商打線が冨岡を2巡、3巡して対応できるか。
英明は平田から走者を作り、松原へつなげられるか。
初戦同様、この中盤で試合が決まる可能性が高そうです。
32.本線の予想スコア
初戦のデータだけを材料にするなら、
英明 3-2 大分商
を本線とします。
冨岡が大分商打線を完全には抑え切れず、杉山、伊東らに中盤で2点前後を奪われるものの、大量失点はしないと予想します。
英明打線も平田から大量安打するのではなく、四球や内野安打などで走者を作り、松原を中心に3点程度。
最後まで冨岡が投げ切るロースコアを本線と見ます。
33.大分商が勝つなら
大分商の勝利シナリオは、
大分商 3-2 英明
が最もイメージしやすいです。
冨岡から大量安打するのではなく、5~6回に河野や木村が出塁し、送りバントで得点圏へ。
杉山、伊東、萱島らが適時打を放って3点。
守っては平田が英明を2点以内に抑える。
冨岡から3点を取れれば、大分商には十分な勝機があります。
34.この試合で注目したい数字
試合中に数字を見るなら、私は特に次の4点を確認したいです。
まず、大分商の5回終了時点の安打数。5本前後打てていれば冨岡へ対応できている可能性が高く、大分商側へ傾きます。
次に、冨岡の与四死球数。初戦0だった数字が2~3個まで増えれば、大分商は小技を使いやすくなります。
三つ目は、松原の打席時の走者数。走者なしで迎えられるなら大分商。複数走者を置いて松原へ回るなら英明です。
そして最後が、5~7回の得点。大分商は初戦6点すべて、英明も決勝の3点をこの時間帯に奪いました。
今回も中盤が大きな分岐点になりそうです。
35.まとめ
大分商は甲子園1回戦で日本文理を6-4で破りました。
35打数11安打。
打率.314。
三振はわずか4。
4回まで1安打0得点でしたが、5~7回だけで8安打6得点。相手投手を一度見た後、打線全体で対応しました。
5番・杉山は4打数3安打。大分商が得点した5、6、7回すべてで安打を放っています。
それでも大分商は杉山一人のチームではなく、伊東、萱島、菅原にも打点があり、木村、中野も複数安打。打線の厚みが初戦では大きな強みでした。
さらに投手では平田玲翔が151キロを計測。
0-2、無死一、二塁という厳しい場面から登板し、追加点を許さず試合を立て直しました。7回を投げて5安打2失点でしたが、そのうち4安打は8回に集中しており、それ以外のイニングではほぼ完全に抑えています。
一方の英明は関東第一を4-1。
打線は6安打。
そのうち松原蒼真が3安打、3打点。
7回の一死満塁では走者一掃3点二塁打を放ち、一振りで試合を決めました。
そして何より、冨岡琥希です。
9回104球、3安打、6奪三振、無四球、無死球、自責点0。
甲子園1回戦の投手内容としては非常に高い完成度でした。
したがって今回の最大の焦点は、
11安打、4三振の大分商打線が、104球3安打無四死球完投の冨岡からも打球をつなげられるか。
そして逆方向では、
151キロ右腕・平田玲翔が、3安打3打点の松原蒼真の前に走者を置かずに抑えられるか。
です。
さらに両校とも初戦では相手の3失策を利用して勝ちました。
冨岡と平田という好投手を考えれば、今回は初戦以上に一つの四球、一つのバント処理、一つの送球ミスが大きな意味を持つ可能性があります。
純粋な打線の内容なら大分商。
エースの完成度なら英明。
大分商が冨岡から3点を奪えば大分商。
冨岡が2点以内に抑えれば英明。
甲子園1回戦で実際に見えた内容だけを比較すると、これほど勝敗の境界線が分かりやすいカードもありません。
11安打を放った大分商打線が、今大会屈指の初戦を見せた冨岡を攻略するのか。
それとも冨岡が再び試合をロースコアへ変え、松原の一打で英明が勝ち切るのか。
投手と打線、両校の最大の長所が真正面からぶつかる、非常に楽しみな2回戦になりそうです。
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