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心の傷を抱えるあなたへ「心の相談室レポート5」~繊細さん・続編~

心の相談室レポート5
「繊細さん(HSP)続編」

 前回、事故や事件などの緊急事態を経験した人は交感神経のスイッチが入りやすいとお話ししましたが、そこからの話の流れでHSP「繊細さん」について紹介しました。今回はそのような気質を持った方、あるいは被害体験が原因で交感神経が敏感に反応しすぎてしまう方への、具体的な対処スキルについてのお話になります。

【刺激を物理的に減らす】
 「繊細さん」が元気に生きる秘訣は「こうしたい」という自分の本音を大切にする事だと述べました。しかし多くの不要な刺激が洪水の様に自分の中に流れ込んでくる状態、つまり「ノイズが多い状態」では自分の心の声に耳を傾ける事ができません。自分の「こうしたい」を感じ取る準備としても、ノイズになる刺激を減らす事が必要になってくるのです。

 その時に大切なのは、感覚を鈍らせたり心を閉ざすのではなく、まずは刺激を物理的に防ぐことです。
 その人の「鋭い感覚」は人によって違います。(聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚)自分が一番鋭いと思う感覚から試していきましょう。下記は一例です。

・視覚が鋭い人………部屋の照明の工夫(間接照明など、疲れた時は部屋の電気を消してお気に入りのキャンドルなどを使ってみる)、カーテンの色、アイマスク、部屋の物を減らす(眼に入って来る物を減らす)、使うものの色を意識してそろえるなど

・聴覚が鋭い人………耳栓やヘッドフォンの使用、ノイズキャンセリングイヤホンの使用、落ち着く音楽を流す、波の音や鳥のさえずりなどの自然の音を流す、音が静かな電化製品を使うなど

・触覚が鋭い人……着心地の良い素材の服を選ぶ、触れて心が落ち着く素材のものを持つ(緊張したり落ち着かない時に触れると効果あり)、寝室の物を減らす(目を閉じていても皮膚感覚で物の気配を感じます)

・嗅覚が鋭い人…….落ち着く香りの物をみつける(アロマ、ハンドクリーム、アロマキャンドル)

・その他………刺激が多く疲れた時に、逃げ込める場所を工夫して探す。(静かで刺激の少ない、シェルター的な空間)小さい部屋にこもる、寝袋や布団にもぐるなど

  この様な方法は一見あまり効果的に見えないかもしれません。しかし実際一つでも二つでも試してみると、予想以上に効果があります。

【人間関係での刺激】
  これが一番ストレスになる部分だと思います。とにかく人の心の動きに敏感な為、疲れてしまうのです。
 「機嫌が悪い人が周囲にいると、それだけで疲れる」「誰かが怒られていると、関係がないのに緊張してしまう」「困っている人を助けているうちに、自分がキャパオーバーに陥る」等々…

  「繊細さん」は共感力が高いために他人との境界線が薄くなりがちです。その為周囲に振り回されてしまいます。また過去と現在の境界線も薄い為、過去の嫌な体験も必要以上に思い出してしまいます。

【他人の感情と自分を切り離す方法 ①】
 これは私の体験談になります。私もそのようなタイプでしたが、ある方法を身に付けてから周囲の人の感情に振り回されなくなりました。

  例えば自分の目の前に、とても不機嫌な人がいるとします。きつい言葉、不機嫌そうな顔、とてもイヤ~な空気が漂います。そういう時は心の中で「あなたの機嫌の悪さは私の物ではありません」「受け取りません」「あなたにお返しします」と言い、(心のなかでですよ)その人の方にその嫌なものを押し返す動作をイメージの中で行うのです。これは絶大な効果がありました。

  「私が失敗した事が原因でその人が怒っていたとしたら?」という人もいるかもしれません。しかし失敗した事実は謝罪し、原因を確認して今後その様な事が起きないようにすればいいのです。そういった「事実」があるだけです。その事実と「相手の怒り・不機嫌さ」は別物です。
  その「怒り」「不機嫌さ」は、その人の物なのです。私は事実だけ理解してそれに対する対処を粛々とするのみ。事実だけ受け取り相手の感情は受け取らないのです。

  この方法は家族関係でも効果を表しました。私の夫は思ったことがすぐに口に出てしまうタイプです。そのうえ正義感が強く、理不尽な事が大嫌いな性格なので一緒にテレビを見ていても「この政治家はこう言う所が間違っている!」などすぐに口に出てしまい、その言い方もかなり激しいところがありました。

  そのとげのある言葉が自分の心に鋭い矢のように突き刺さるので「そういう事は心の中で言って」と何度もお願いしたのですが「あなたに言っている訳ではない」と言われてしまい、状況はあまり変わりませんでした。

  しかしこの方法で、イメージの中で押し返すと、その言葉が心に刺さらないようになりました。「あなたに言っている訳ではない」というその通りであって、私が勝手に自分の中に取り込んでいただけだったのです。

  どのような方法が上手くいくかは個人差があります。私はこれが一番しっくりいく方法でしたが、別のパターンが合っている方もいるでしょう。いくつかありますのでそれも紹介しておきます。

【他人の感情と自分を切り離す方法 ②】
  目の前にいる不機嫌な人と、自分の間に分厚くて透明なアクリル板があると想像してみてください。または刑事ドラマでよく見る、ガラス越しの面会室の様なイメージでも良いでしょう。
  あるいは、相手を昔の動物園でよく見た黒く太い鉄格子のなかに入れてみても良いです。要するに自分が想像しやすいシュチエーションで良いので、自分と相手との間をイメージの世界で分けてみてください。これも効果があります。

【他人の感情と自分を切り離す方法 ③】
 これは物を利用する方法です。相手との間に物を置きましょう。テーブル上のペン1本でもカップでも良いです。心の中で「これが境界線です」「ここからは入ってこないで」と言います。
 また、立ち話などをしている場合は、胸の前にノートや本などを抱えてみましょう。そしてそれが中世の騎士が持っている鉄の盾であるようにイメージしてみてください。

 人間の脳は具体的なイメージを思い浮かべる時、実際に物を見ている時と同じ脳(視覚野)が働きます。(この話は今後また詳しくお話したいと思っています)鮮明にイメージすると、脳はそれが現実であると感じるのです。

 このレポートは「繊細さん」に対して書いたものですが、すべての人に当てはまる内容だと思います。敏感になりすぎている時の対処法、また他の人からの影響を受けたくない場合などに応用できるはずです。次回もこの続きのお話になります。アップをお待ちくださいね。


参考文献)「『繊細さん』の本」.武田友紀著.飛鳥新社


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