アルヴォ・ペルトについて

アルヴォ・ペルトを聴いた。

正直、ペルトについて詳しく知っているわけではない。
エストニアの作曲家で、現代音楽の人、という程度の理解だった。

それでも《Fratres》を聴いて、かなり印象に残った。
ラテン語で「兄弟たち」「同胞たち」という意味らしい。

音は少ない。派手に展開するわけでもない。それなのに、薄くない。

むしろ、音が少ないぶん、音と音の間に耳が向く。
沈黙がただの空白ではなく、音楽の一部として響いているように感じる。

ペルトは「難しい現代音楽」というより、もっと直接届く音楽に聴こえた。
寒さ、沈黙、祈り、死者への思い。
そういうものが、説明される前に音として来る。

特にクレーメルのヴァイオリンで聴く《Fratres》は印象に残った。
美しいというより、鋭い。
引き込まれそうな良さを感じる。

ピアノはキース・ジャレット。
この曲にはかなり適格な演奏者だと思った。
クレーメルもジャレットも、音を飾りすぎない。
余計なものを足さず、ペルトの音楽の冷たさや緊張感をそのまま出しているように聴こえる。

録音なら、まずECMの 《Arvo Pärt: Tabula Rasa》 がよさそう。
YouTubeなら、このあたりから聴ける。

《Fratres》/ギドン・クレーメル、キース・ジャレット
https://www.youtube.com/watch?v=gmgM_HgZmNc

《Tabula Rasa》第2楽章 Silentium
https://www.youtube.com/watch?v=PNOCptda9fI

《Cantus in memoriam Benjamin Britten》/Norwegian Chamber Orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=TVZZgfXNFW8

ベートーヴェンやブルックナーのように、構造で迫ってくる音楽とは違う。ペルトは、音を削ってこちらの内側に入ってくる。

音が少ない。でも、何もないわけではない。今後も聴いてみたい。



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