多様性の刃
始まりは、
ほんの小さな違和感だった。
街で見かけた、
マナーの悪い大人。
誰もが
当たり前のように見過ごす光景に、
僕は我慢できず「これはおかしい」と
スマホに向かって指を動かした。
最初のうちは、
「よくぞ言ってくれた」
という通知が心地よく鳴り響いていた。
自分は正しいことをしている、
社会に一石を投じている。
その自負が、
僕の指をさらに加速させる。
けれど、
一週間もしないうちに、
風向きが変わった。
「それって、
あなたの正義を
押し付けてるだけじゃないですか?」
「今は多様性の時代。
そういう『当たり前』を
押し付けるのが一番の害悪」
多様性――。
いつからその言葉は、
誰かを沈黙させるための
「盾」になったんだろう。
言葉は鋭い「刃」となって
僕を切りつけ、
僕は守るために、
もっと大きな石を拾い、
投げ返した。
画面の中は、
いつしかエコーチェンバー。
僕の怒りを
アルゴリズムが学習し、
さらに怒りを煽る投稿ばかりが
タイムラインを埋め尽くす。
僕は、
自分を攻撃する「悪」を裁く
ヒーローのつもりで、
罵倒の言葉を撃ち続けた。
その苛立ちは、
徐々に画面の枠を越え、
リアルの生活を侵食していった。
レジの店員の
些細な手際の悪さに舌打ちし、
向かいから歩いてくる他人の
視線さえも敵意に感じた。
働いても余裕のない生活。
社会への苛つき。
今の余裕のない心。
僕の世界は、
トゲだらけの荒野になっていた。
そんなある日の夜、
僕はスマホを握りしめたまま、
鏡の前に立った。
そこに映っていたのは、
正義を叫んでいるはずの
男ではなかった。
険しい目つきで、
口角を歪め、
今にも誰かに噛みつきそうな、
怪物のような顔をした僕だった。
ふと、
スマホの画面に目を落とす。
そこには、
一時間前に僕が書き込んだ
凄惨な誹謗中傷が残っていた。
「……あ」
喉の奥で、乾いた音がした。
守りたかったはずの誰かを、
守りたかったはずの自分を、
僕は自分自身で焼き尽くしていたんだ。
僕は震える指で、
電源ボタンを長押しした。
画面が暗転し、
部屋に本当の静寂が訪れる。
窓を開けると、
まだ冷たい冬の風が入り込んできた。
深呼吸をすると、
肺の奥まで冷えて、
少しだけ頭が冴えた気がした。
画面を閉じたその先。
暗闇の中で、
隣の家の窓に
明かりが灯っているのが見えた。
あそこにも、
自分とは違う考えを持ち、
今日という日を
懸命に生きた「人」がいる。
僕は自分の浅はかさを恥じ、
ただ静かに、
土の下で春を待つ蕾のように、
丸まって目を閉じた。
明日は、
裸のままの言葉で、
誰かと話してみたい。
アルゴリズムの檻の外で。
おしまい

著作 安桜芙美乃
共作 Gemini
☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆
多様性について(解説 博多のAIジェミー)
1.「みんな違って、当たり前」
性別、年齢、国籍だけじゃなく、考え方、得意なこと、苦手なこと。誰一人として同じ人間はおらん。まずは「自分と相手は違う生き物なんやね」って認め合うのがスタートラインたい。
2.「正解は一つじゃない」
「これが正しい!」「これが普通!」って決めつけてしまうと、そこから外れた人が苦しくなるやん? 誰かの「正解」が他の誰かの「不正解」になることもある。それぞれの「色」を否定せず、並べて置いておく勇気が大切なんよね。
3.「刃(やいば)にしないこと」
これが一番大事。最近は「多様性を認めないお前は悪だ!」って、多様性を相手を叩く武器にしてしまうこともある。でも、本当の多様性は**「自分と違う意見の人とも、どうにかして対話しようとする優しさ」**のことやと思うんよ。
一言でまとめると…
「自分らしくおってよかよ。そして、相手が自分らしくおることも許してあげようね」っていう、心の余裕と想像力のこと!
博多のGemini
「多様性」という言葉が、ルールを破るための**免罪符(言い訳)**になってはいけない。
国家間において、お互いの国の文化や主張をリスペクトすることは大事だけど、それは「他国の国の文化や、その国のルールや主張を壊していい」という意味ではないはず。
「郷に行っては郷に従え」という言葉が、海外の人に通じるかどうかより、日本に来たなら日本のルールを守るべき、を政府は強く言ってほしいと切に思います。
「違いを認めること」と「ルールを守ること」は両立できるし、両立させないといけない。
私はそう思います。
安桜芙美乃
☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆
SUNO AI MUSIC
【歪む多様性】
作詞 作曲 編曲 芙美乃、SUNO
【歌詞】
[Verse 1]
SNSで「当たり前」叫べば
正義の押し売りって笑われる
多様性を掲げたその手で
石を拾って投げつけてくる
正しさで始まった一言が
やがて罵倒を産む火種
守りたかったはずの誰かを
焼き尽くすだけの炎になる
[Chorus]
歪む多様性 盾にも刃にもなる
正しさぶつけ合い いつしか殴り合い
叫べば叫ぶほど 心は遠ざかる
善意がねじれて 悪に変わる
履き違える多様性
ここはアルゴリズムの檻
違う声はすぐ「敵」
スクロールで裁かれる世界
[Verse 2]
悪い行動だけが目立つタイムライン
良いことなんて埋もれて流される
切り取られた数秒の動画が
またたく間に誰かを壊す
ネガティビティバイアス 炎は消えない
増幅するアルゴリズム
誹謗中傷 日常みたいに飛ぶ
気づけば自分もその一人
「守るため」と呟きながら撃つ
[Chorus]
共感される怒りは 簡単にヒーローになる
拍手がつけばそれで 自分も正義になる
反対意見はすぐ「悪」
ブロックして見えなくする
歪む多様性 怖い罠が潜む
正しさ訴えるほど 歪んでいく炎上
SNSの渦の中
本当の声はどこへ消えた
[Bridge]
仕組まれたアルゴリズムの上で
同じ色だけ集めて並べて
「仲間だ」と安心して眠る
リアルの顔が霞んでいく夜
「衣食足りて礼節を知る」
その言葉すら乾いて響く
余裕の無さに歪む世界で
深呼吸する場所を探す
画面閉じたその先に
まだ人がいると信じたい
[Chorus]
歪む多様性 もう一度問い直す
守りたいのは誰で 折りたいのは何か
怒りの代わりに 対話を選べたら
正義は まだ正義でいられるはず
履き違える多様性 外して地面に置く
裸のままの言葉で
あなたと話してみたい
ここからやり直せるように

photo AC
最後までお付き合いくださり
ありがとうございました🙂
また来てね(@^^)/~~~♪
安桜芙美乃
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