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第3話|【まるで呪文なアラビア語動詞】人称変化・丸暗記地獄の恍惚

こんにちは。

私はアラビア語に携わって25年、現役アラビア語通訳の中東あいです。

生まれも育ちも生粋の日本人ですが、結婚を機にイスラム教に改宗し、現在は主に時事通訳として日本とアラブの橋渡しをしています。

アラビア語を始めアラブの文化や習慣に関すること、時事のこと、通訳が自分の言葉で少しでも分かり易く情報を伝えられたらいいな、と思ってnoteを始めました。

私のnoteをきっかけに、アラビア語や中東、アラブの人々に興味を持ってくださると嬉しいです。 

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「アラブ×イスラム×日本 3つの視点を生きる通訳の物語」は高校生の時から通訳として今に至るまでを書いた自分史です。

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マンガ「王家の紋章」をきっかけに、アラビア語を勉強してみたいと思っていた高校生の私は両親の離婚により、まさかクラスで私だけが進学できないかも、という状況に陥ります。それが悔しくて恥ずかしくて、三者面談では思わず母に「親なら応援して!」と叫んでしまいます。
後日、そんな私を見かねた担任の先生が勧めてくれたのは、「新聞奨学生制度」。学費はこのこの制度を利用することでめどが立てられることが分かり一安心。紆余曲折を経て1年後、語学学校へ進学するため、新聞奨学生となることを決意し上京します。
そして東京の片隅にある新聞販売所で始まった新しい生活。
仲間達に出会い、新聞配達も何とかこなせるようになった頃、待ちに待った勉強がいよいよスタート!初めて触れたアラビア語の魅力にワクワク·ドキドキが止まりません!!


学校スタート!クラスメイトは8人!?

学校には大きな芝庭と味のある図書館がありました。

校舎は2棟と小規模でしたが、多言語学科が複数あるほか、日本語科で留学生も受け入れているレアな学校でした。

アラビア語学科1年生のクラスメイトは8人

年齢はバラバラでした。

生徒8人に対して、先生の数は非常勤の方も含めると全部で5人。

随分手厚い授業を受けられたな、と今になって思います。   

とにかく暗記

半年はまず暗記。ひたすら暗記。文字・単語をたっぷり2か月。

そんなにかかるの?ってところですが…。

アラビア語のアルフベットは28文字。

右から左に書きます。

他の文字と合わさると単語ができます。

この時、例えば日本語では、「たんご」でも「ごたん」でも「ごんた」でも文字の並びが違うだけで、「た」の文字自体の書き方は変わりませんが、これがアラビア語のT· ت だと単語の一番前(語頭)の時、真ん中(語中)の時、一番最後(語尾)の時と3つに書き方が変化するのです。

かと思うと、全く変化しない文字もあります。

またアルファベットは全て子音で、母音のアイウは文字でなく記号で表します。

日本語にはない発音も、そして世界中の言語でアラビア語だけにしかないと言われる発音もあります!

それぞれの音を覚えて、発音して、書いて、単語(名詞)が書けるようになるまで少し時間がかかるのはこのためです。

それができるようになったら、動詞へ進みます♪

動詞はまるで呪文!?

「カタバ・カタバット・カタブタ・カタブティ・カタブトゥ」

呪文のようですが、なんだと思いますか?

実はこれ、規則動詞 كتب・カタバの完了形(過去形)で、

  • كتب カタバ=彼は書いた

  • كتبت カタバット=彼女は書いた

  • كتبت カタブタ=あなた(男)は書いた

  • كتبت カタブティ=あなた(女)は書いた

  • كتبت カタブトゥ=私は書いた

と言っています。

アラビア語の各動詞は三人称男性単数完了形を基礎型として、人称や性別、人数によって13の形に変化します。

動詞が主語に合わせて変化する。それを呪文のように唱えて覚えるのです!

文字を書けるようになり、名詞文(これは本です、とかあの家は大きい、とか)が作れるようになった後はこうして動詞の活用へ進みます。覚えなければ動詞文(私は記事を書く、とか朝ごはんを食べるとか)が作れません。

少なくともあなた(男・女)の活用を動詞ごとに過去形(完了)と現在形(未完了)を覚えないと会話さえできない…。

さらに上記の كتب (カタバ·彼は書いた)の活用をご覧になって、何か気付きませんか?

ヒントは文字です! 

そうです。お気付きになったアナタは凄い!

كتبت (カタバット·彼女は書いた)と
كتبت (カタブタ·貴男は書いた)
كتبت (カタブティ·貴女は書いた) そして
كتبت (カタブトゥ·私は書いた)は
⇑⇑⇑⇑文字の並びが全部同じなのです!

何それ…。
読み記号なかったら主語が誰だか分からないじゃん…。ホントに話せるようになるわけ?!

ってかなり動揺しちゃいそうなところですが、当時の私は、

「なんて面白い言語!」
「ワクワクする!」

背中がゾクゾクするような面白さを感じたのです!

一方で朝早いハードモードの仕事。もう一方もそれに負けないくらい脳みそフル回転が必要な勉強。

とってもバランスが良かったのだと思います。

1000軒くらいの朝夕刊配達情報は2か月ほどで覚えました。

次は動詞だ!

意気込んでいた矢先、ある出来事に見舞われることに…。

          🌱     🌱

アラブの視点🌍コラム #アラビア語あるある


初めてアラビア語に触れた時の感動と戸惑いは今も忘れません。
感動したのは文字の美しさ。戸惑ったのは発音です。

右から左に書く文字の練習は始めこそ難しかったものの、何度も書いて覚えることは比較的容易にできましたが、日本語にはない音を声に出す、となると何度聞いてもお手上げでした。

例えば عアイン。「ア」の音がクセモノで、手元の辞書には「喉頭で調音される摩擦有声音で…。一種のウメキ音」と書かれています。

発音するには、喉の奥を開いて、「ぁ゙ー」とうめき声を出すのをイメージすると分かりやすいかも知れません。

勉強を始めたばかりの頃、会話のクラスで

「هذه ساعة」:ハーズィヒ・サートゥン(これは時計です)

を何とか言わせようと一人一人の机に迫ってくるネイティブ講師にどれほど困惑したことか。

その後長くアラブ人とかかわることになり、発音に関して思うのは、彼らは本当に耳のいい人が多いということ。おそらく初めて聞いたであろう日本語を、そのまま再現することができて驚かされたり、文法や読み書きは苦手でも数ヶ国語で口頭でのやり取りはできるという人にこれまで何度も会いました。

アラビア語には独特な発音があるから、それを母語とする彼らにとって、他の言語の発音は比較的簡単なのかも知れません。

また言語の習得に関しても、読む、書く、話すの勉強の順番はこうでなければならない、とか、○○が完璧にができなければ、と自分が無意識に思い込んでいたことに気付かされ、少しずつ彼ら流に「多少間違っていたとしても、伝えようとする」ことに意識を向けるようになりました。

通訳として、事実誤認や思い込みによる致命的な間違いを犯すことは避けつつも、完璧を求めるあまり尻込みして力を発揮できない状態になることはやめよう、というスタンスです。

それにしても、たかが「ア」されど「ア」です。

ع アインの「ア」はしっかり発音しないと、今でもアラブ人の耳には聞き取ってもらえません…。

耳よすぎ!

          🌳   🌳

ここまで読んでいただいてありがとうございます!

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ではまた次の物語でお会いしましよう✨

الى اللقاء イラッリカー またね👋🏻


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