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【最終回】BESSの家の お値段

仙台で家族と暮らした、あの家。

手間も時間もかけ、想いを込めて建てた場所。
週末に薪を割り、子どもたちの笑い声が響いたウッドデッキで、季節の移ろいを感じた日々。


私たちにとってこの家は、ただの「建物」ではなく、共に歳を重ねてきた“大切な家族の一員”でした。


移住してからの問いかけ

この家をどうするのか――。
売るのか。貸すのか。シェアハウスや店舗として活用するのか。

そのたびに心の奥に浮かぶのは、
「この家を、本当に大切にしてくれる誰かに託したい」
という想いでした。


不動産会社と出会った言葉

査定を受け、掲載もし、何人もの方が内覧に訪れました。

「とても素敵ですね」
「雰囲気がすごく好きです」
「薪ストーブ、憧れでした」

そう言ってくださる方は多かったのに、商談は何度も止まってしまう。
理由は金銭面、通勤面、家族の意見の違い…。

一時は「価格を下げようか」と迷ったこともあります。

そんなとき、不動産の担当者の言葉が心に残りました。

「この家の価値からすると、決して高い金額の設定ではない。
 ただ、この家を気に入る人ってね、
 だいたい“自分で建てたい人”なんですよ。
 逆に建売の安価な家を探す人は、個性的な暮らしより
 無難で同じような間取りを好むんです。
 だから価格云々ではなく、その狭間にいる方と巡り合えるか
 だと思います」

まさにその通りでした。

この家は無難じゃない。
暮らしを工夫し、自然と共に呼吸することを教えてくれた、特別な家。
だからこそ“ピタッとハマる人”には、たまらない魅力を持っている。

結局は、ご縁。

そう思って気長に待つことにしました。


時が過ぎ、そして決意

ご近所さん宅のリフォームで、半年だけ貸したこともありました。
けれど気づけば、もう1年半が経過――。

そして今、私は移住先で新しい家づくりを
わくわくしながら構想し始めたのです。

その瞬間に、はっきり気づきました。

家には誰も住んでいませんが、心はずっと住んでいたんです。
けれど、もう“巣立ち”のときが来たんだと。

次に繋ぐ時が来たのだと。


望むのはただひとつ

価格を下げることになるのかもしれない。
賃貸として貸し出すことになるのかもしれない。

どうなるかは分からない。

けれど――2025年中に決める。

そう決意しました。

ご縁が無かったのは、私の決意が足りなかったからかもしれません。

でも、最終的に望むのはただひとつ。

「この家を、本当に大切にしてくれる誰かに引き継ぐ」

ここでまた、新しい家族の物語が始まってほしい。


ご近所さん、そして未来へ

忘れてはならないのが、ご近所の皆さんの存在です。
引っ越しても繋がりは今も続いています。

だから次に住む方のことを、胸を張って伝えたい。
「こんな素敵な人が、この家に住むんですよ」と。

仙台での暮らしを共にした大切なお家。
ここに込めた想いを、そのまま引き継いでくれる“誰か”との出会いを、信じています。

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