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オボル月夜

「畳を拭く音は信号機のワルツ」という詩集から一篇。



    オボル月夜
               

ひと夏もてばいい生地
レビューの文字に迷いながら
六月は過ぎる

皮膚が初夏にさわる
サイズは夜にはかり
生活とつながりの薄い伸縮がいい

夜になるとそれを着てひと夏は
袖を毎日ちがう長さに折って
柄を吸う ペイズリー シャワードット
ボタニカル わたし彦 チマヨ
ひと夏もてばいい生地にっこり
こぼす言葉は
どんなに情けなくても
紐柄にして 市松 カモフラ わたし彦たち
チマヨ 鳥居

里わのフォロワーどんな森の
身柄 
しじみ貝は覚悟しきれない砂柄 お日柄は毎日の傘
足跡の波紋からあふれるアンブレイラわたし彦たち
あと二年いきれたらの柄
できたなら、ら、
ららら って そうゆうこと?
シャワーヘッド ぼたもち マヨネーズ
よくしゃべる風の柄
いなくなったのろかみを里わでなきしめる
何言ってる現代ひとしとら
もぞもぞ動いて乾く頃
少なくなる柄は本の犬になれ
犬の墓は空に
わたしの夏はシャーロックホームズの初心者マークをおでこに

(オボル、月夜)

素肌のボイス
野狼のろかみの
煙りを噛み切る
イエスタディの歯の
抜けあとにじわじわ
家のあかりが漏れてくる
みちの続き
懐かしいミサンガのしっぽで
終わりは紐のつまりひもの
動物花火
しゅるしゅる柄の香り
花が戻ってくる
オボル染みてゆく
手のひらに書いて飲み込んだthis夏を人柄のように吸う唇バスに乗っていく
接続詞つめこんだ祠
月の下で読み上げる
素肌のボイスレコーダーに
動物たちは光の波形で記録され
のろかみの歌で
ページの左半分に
ひげか
地図か
サイエンス・ボールがつるつるに磨く夏日の歯間ブラシは羽虫だった
蟹の眼帯が通過する
惑星

(オボル、夜明け)

明けていく空に、冬木立の枝先が、花火の映写を、あらわした。
幻肢痛の、青葉のいたみが写泳いでいて、わたしひとりの海だとわかる。波のあぶく。無形の、でも確かに触れる。ひっそりと、をかしく、あれ。
あきらめたクジラのフィギュアが土のなかで季節の動力源、のののの。
紅に染まることをずれて願ったとき、何をつなごうとしている、ののの。内臓がまかれて、漂うことを恐れている、のに、波はのこぎり、洗う、のの。水の毛先にあぶくが飲まれ、生まれている化石。水のあぶく。
ののの。天の川に天ぷらの音。折れた魚がモノクロで見ている砂嵐は白黒に生きている。水に排出する、夏のなかで光り、なかを走り、―、からだを焼き去るように射抜いて、のように走り、―それでも、からだを残してくれた。化石化石でない半分で。泳ぐのは無理でも、生きてい。るる、まだ排泄でき、七月のひか、りを。ルルルもまた、そうゆうこと。るるる、ただようことは、殻貝に、からかわれているようで。無言の木立の枝先が、鎮めてくれた、誰でもない、this、海はあったのかい―。
躓きながら歩き出すと、行く先が枝に溶けて、たわむれる動物たちは、半紙のズボンをはいて、岩のへりに破れながら柄を残してゆく。十二支は最後の動物園。十三支がバラ、十四支がフルーツ・パーティ。朝がさいごのどうぶつのようにおとずれる檻を降り、をりををり、
をを、を。をーをを、まだ形をあらわさない青葉が、泥の姿で、光を吸い込もうとしている、




ひっそりと、をかしく、あれ…
お読み頂きありがとうございました。そのうちマガジンというのを使って、少し整理できたらと思います。

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