好きな人を家に呼んだ時のはなし
※やや大人向けです。
あれは私が大学生の頃だったわ。
地元から離れた大学に進学して一人暮らし。
青春を謳歌していたわ。
そんな中、私は同じ大学の
ある男の子を好きになった。
誰にでも気さくで優しくて
でもどこか影のある彼を、
私が支えられたらいいなと思ってた。
最初は構内で時々会うくらいだったけど
話が合うとわかってからは会う頻度が増えて、
次第に2人で買い物に行ったり
映画を観に行ったりするようになって、
「友達」という関係性の中では
最大限に仲良くなれてきた頃…
ついに、私の一人暮らしの部屋に
彼が遊びに来てくれることになったの。
私、かなりのズボラ人間で
部屋なんて全然片付けてなかったから
もうそれはそれは死ぬ気で
部屋を掃除しまくったわ。
リビングはもちろんのこと、
万が一にも生ゴミ臭いなんて
思われたくなかったから
キッチンの排水口まで
ハイターをかけまくって、
彼が来る時間のギリギリまで
徹底的に綺麗にしたの。
で、何とか約束の時間に間に合わせて、
無事に彼を部屋に招くことができたのよ。
そして、2人きりになった私たちは
アハンウフンな事を…
したりはせず。
おしゃべりしたりゲームしたりして
普通に友達として遊んで
普通に解散したわ。
でも、部屋に遊びに来てくれて、
2人の時間を楽しく過ごせて、
今まで以上に脈を感じた私。
後日、意を決して彼に想いを伝えたのだけど
彼の返事はNOだった。
「良いな、と思ってた時もあったけど
そういうふうに見れなくなった」
との事だった。
過去一ショックな振られ方だった。
その後彼とは気まずくなって疎遠になって、
もう会う事はなくなった。
時は流れて。
私は大学を卒業し、
就職先で夫と出会い結婚した。
結婚を機に夫が住んでいたアパートに移り住み、
夫婦2人の生活が始まった。
そんなある日、
キッチンの流しが詰まったように感じた私は
ハイターを使って掃除を始めた。
ハイター独特の臭いが充満する中、
ふとナニかが頭をよぎった。
そう。
精◯よ。
「なんかハイターの臭いって、
薄めると精◯の臭いになりそうだな〜」
そんなことを思った瞬間、
頭にビシャーーーーンと雷が落ちた。
学生時代に好きだったあの彼。
彼と部屋で遊んだ日にも、
私はハイターで掃除をしていた。
まさか…
私は恐る恐るスマホを取り出し、
「ハイター 精◯」
と検索した。
すると表示されたのは
「ハイターと精◯の臭いってそっくり〜」
というブログだった。
膝から崩れ落ちた。
って事はなにか?
私は精◯臭い自宅に
意中の相手を呼んだって事なの???
「そういうふうに見れなくなった」って
もしかしてそういう事なの…???
…
弁解させてくれぇ!!!!!
いや、今更彼とどうこうなりたい
ってわけじゃないの。
でもさ、
当時の私は精◯の臭いも知らない
無垢な乙女だったのよ。
なのに、男と致した臭いの残る部屋に
また別の男を呼びつける
「ヤリまくりエロ女」
って思われてたのなら死ぬほど心外よ。
でも仮に本当に精◯臭のせいで
振られたんだとしても、
それを弁解しようと思ったら
高い高いハードルを
いくつも超えないといけないわよね。
①振られたっきり接触のない相手に
連絡を取り付ける。
②なんで私を振ったの?と過去を掘り返す。
③部屋が精◯臭くて…という本音を引き出す。
…
無 理
こうして私は泣く泣く
「精◯臭い部屋のエロ女」
という称号を背負い生きていく事を受け入れた。
さて。
なんでこんなド黒歴史を
わざわざZINEに残る形で
公開したかというと、
全国のうら若き乙女たちが
私と同じ傷を負ってはいけない
と思ったからよ。
お嬢ちゃん達、
私の屍を越えていけ。
そしてあわよくばあの時の彼に届け!
私の部屋に精◯なんて
無かったのよ!!!
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