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歴史の責任と。未来の責任と。

大粒の雨が烈火の如く降り続く。
朝は天気が良かったのに。少し寂しい、午後を迎えそうだ。
気分が優れないときは、瞑想にふけり現実逃避。
そのまま昼寝できたら、ちょっと幸せ。
どうやら、幾ら歳を重ねても私は怠惰らしい…。
スマホの着信が鳴る…。
今日は休みのはずなのに…せめて、今日1日くらいは仕事を忘れさせて…。
願い虚しく、LINEで追い討ち。大丈夫、まだ既読ではない。大丈夫。
ゆっくり目を閉じて、深呼吸しよう。
この瞑想の時間だけは、せめて自分の時間に。
1時間だけでいい。無になる時間がほしい。



中国四大奇書。
一般的には『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、『金瓶梅』を指す。
これらの書物に比肩する書物として『封神演義』という、ファンタジー小説がある。
ストーリーを知らない人でも、主人公の名前は聞いたことはあるのではないだろうか。
その名を「太公望(たいこうぼう)」という。

実際に存在したとも言われる「仙人」の1人である。太公(国を納める管理職、王の側近)の望む者、探し人という意味合いが込められているようだ。一説には「釣りをしている太公」の前に仙人が姿を現したとか…。その逆とか…。
現代では「釣り人=太公望」と使われたりする。何とも不思議な名前だ。
この物語においては、釣り好きの怠惰な仙人として描かれる。
この物語は敵も味方も魅力的に描かれており、それぞれの信念に従い日々を送っている。

きっと、視聴者の多くは「楊戩(ようぜん)」か「雷震子(らいしんし)」、「聞仲(ぶんちゅう)」を推すだろう。分かっているのだ…少なくとも、私の周囲は推している。
しかし、私は「太公望」推しだ。あと、「太上老君」も。要するに、怠惰コンビが大好きなのだ。
まるで自分を見ているようでホッとする。
こんな慌ただしい時代だからこそ、2人のマイペースなところを大切にしたい。
ゆっくり落ち着いて。
成果を求めすぎずに…今日を大切に生きよう。
ニヤっと微笑む。2人の顔が目に浮かぶ。


◎封神演義は、どんな物語?

今から3000年前の殷王朝の時代を舞台に、人間の世界と仙人の世界で戦争が巻き起こる。
殷王朝から周王朝に代わるまでの記録を記した物語、それが封神演義。
人間側では悪政と名高い紂王と周辺地域との争い。
仙人側では紂王を誘惑する仙人「妲己(だっき)」の討伐と、封神計画が進められる。
歴史の背景には、実は仙人が絡んでいる。そんな雰囲気を感じさせる。
ただのバトル漫画の枠に収まらず、歴史も学べる貴重な作品だ。

さらに、ミステリー要素も多い。
今回の戦争の火種となる「封神計画」の存在が終始不明。
この計画は一体どんな計画なのか、ぜひ推理しながら読み進めることをオススメする。
なぜ、太公望が怠惰な人物として描かれるのかも最後に分かるだろう。

絶望の未来を見せる太上老君、それを受け止める太公望


「わしは遠い未来の事にまで責任は持てぬし、未来を救えると思えるほど傲慢にはなれぬよ。
わしらに出来るのは、わしらが正しく使った世界を後の人々へバトンタッチする事であろう?
人類の歴史がどこへ行きつくか…その結果は、わしではない誰かが見ればよい。」


三大仙人(神)の一人である太上老君は、太公望に未来の世界を見せる。
しかし、太公望はそんな未来のことは考えられないと、穏やか表情で返答する。
長い旅を続け、人間界で長い時を過ごした太公望だからこそ、人間を信じたいと願ったのかもしれない。
違う未来を想像しつつ、目の前のことに誠実に向き合うことが自分の努めだと。
未来まで責任は負えない。未来は未来の人々のもの。
ただ、未来の入口だけは準備しておくよ。
太公望はどこまでも優しい。

今日も瞑想し、釣り(遊び)に興じる。
永遠の命を持とうと、毎日を誠実に生きるだけ。
周囲は「怠け者」、「嘘つき」、「卑怯者」、「臆病者」と、私を罵るだろう…。
確かにそうかもしれない。
しかし、私は皆に知られたくないのだ、そのように演じる理由を。
あくまで、私は脇役。無に等しい存在。



今を懸命に生きれば、過去にも、未来にも責任は存在しないのかもしれない。



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