白は、いつでも人を魅了する。色、空間、意思の中で。
鋭く尖った赤い日差しが、大地を、草原を焼き尽くす…。
昨日の新潟は、春を通り越して夏を迎えた。
新緑の季節とは思えない、そんな暑い、いや熱い一日。
散歩で訪れた野球場は少年たちで賑わっていた。
緑の柔らかな芝が、高級なカーペットの如く少年たちを歓迎している。
昨日の雨でしっかり水分補給をした外野の土も精力に満ちており、選手よりも野球場からの熱量が凄まじい。
赤と緑と茶、それぞの強みが見事に調和し、何か起こる予感がヒシヒシと伝わってくる。
まるで、「グリーンルイボスティー」のような。
黄金の輝き、爽やかな草原の香りを秘めている。
そして、奇跡の瞬間が起こるのだ……。
カキーン。バン。バン。カキーン。ドドドド。カキーン。
白が姿を現す。
赤い刺繍が施された白い丸が、空間を引き裂き、大地に舞い降りる…。
野球は多くの人を魅了するスポーツの1つだ。
なぜ、これだけ多くの人を魅了するだろうか。
ゲームの内容、観客との選手の一体感……難しい。
著名なグラフィックデザイナーの原研哉の言葉を思い出す。
彼の著書『白(しろ)』では、白を次のように評価している。
「白は色彩(色)ではない……。白は感受性(感じるもの)である。」
さすが、芸術家という名言だ。奥深い。
つまり、白とは「空間」そのもの。
「空白」という、空っぽを意味する言葉がある。
これが、「本来の白色」である…面白い考え方だ。
ブラックホールを連想させるような漆黒の黒が、空白ではないのだ。
白は様々な人を魅了する。
色彩や空間として。
家具やインテリア、洋服、食べ物など、色んなものに「白」が宿る。
それは、まるで「1つの魂、意思」を持つように。
野球が好きな人の中には「歴史」を愛する人がいる。
チームの成り立ちを愛し、選手自身の生い立ちを愛する。
「どんなものでも愛する」ということ。
原研哉的に言えば、「どんなもの=原点=白(しろ)」である。
ゆえに、白を愛するに至るのだ。
頭が痛くなってきた…。
もっと分かりやすく、シンプルに考えたい。
感受性の、感覚を研ぎ澄ませて…。
ルイボスティーのような、活気に溢れる球場。
小さいなマシュマロのような雲が、突然1つやってくる。
そして、春一番と共に過ぎ去っていく…。
楽しくかけっこ(走る)少年の如く、力強い。
赤い熱が、白い熱へと変化する…。
つの丸の漫画『マキバオー』のように。
白い珍獣と呼ばれし、小さな馬が奇跡を起こす物語。
私の大好きな作品。
コメディ要素と涙を流す場面が交互にやってくる名作である。
マキバオーのひたむきさに心を動かされ、今日も一歩を踏み出せる。
落ち込んだ時は、ここに戻ってくる。
大怪我から復帰したマキバオーが、人生最後のレースに挑む。
世界の名馬たちと戦う。そして、自分の後に控える後輩(若手の馬たち)とも。
両足にボルトを入れつつ、全盛期を超える走りを見せる……。
結果は本編で、ぜひ確認していただきたい。ハンカチ必須。
ゆっくりでもいいから、一歩ずつ進むことの大切さを教えてくれる。
野球と同じように、馬の世界も魅力的なのだ。
この意思が、馬だけなく人にも受け継がれていくところも素晴らしい。
タマモクロス、ウマ娘……。クリエイターの意思も受け継がれていく…。
ゆえに、白とは色彩、空間にあらず……。
