Notionが「続かない」人ほど読むべき理由。36のテンプレートを検証してみた

Notionを入れてはみたものの、気づけば白紙のページが並んだまま放置している。そんな状態に心当たりがある人は少なくないはずです。
多機能であるがゆえに「何から作ればいいのか分からない」という壁は、Notion特有のつまずきポイントとして繰り返し語られてきました。この壁を越える方法として注目したいのが、『Notionライフハック 暮らしに役立つ36のアイデアとテンプレート』です。
出版社の紹介情報によると、本書はNotionを活用して仕事や暮らしをシンプルにする方法を学べる一冊で、「定番」「タスク管理」「メモ・ノート」「暮らし」「お金」「仕事」「Notion AI」といったテーマ別にオリジナルのテンプレートが公開されているという構成です。
つまり、白紙から設計図を考える手間を最初から省いてくれる本だといえます。
「テンプレート集」であることの意味を検証する
Notion系の書籍には、ツールの操作画面を延々と解説するタイプと、実際に使える完成形をそのまま渡すタイプの二種類があります。本書は明確に後者に寄っています。
出版社ページの説明では、オリジナルのテンプレートを公開しているので白紙から考える必要はなく、使ってみたいものから試すことができるとされています。この設計思想は、実験・検証の立場から見ると理にかなっています。
Notionでつまずく最大の要因は、機能を知らないことよりも「自分の生活に合わせてデータベースの構造を組み立てる」という抽象的な作業にあります。テンプレートという完成形が最初にあれば、まず動かしてみて、そこから自分用にカスタマイズするという順番に切り替えられます。ゼロから設計する負荷を、既存構造の調整という軽い作業に置き換えられる点が、この本の価値の核だと考えられます。
7テーマ構成をどう読むか
書籍情報を確認する限り、収録テーマは「定番」「タスク管理」「メモ・ノート」「暮らし」「お金」「仕事」「Notion AI」の7つに分かれています。
この分類を見て気づくのは、業務効率化だけに閉じていない点です。家計管理や暮らしまわりのテンプレートが含まれていることから、ビジネス用途とプライベート用途の両方を、同じNotion環境の中で行き来できる設計を意識していると読み取れます。
実際に自分のNotionを振り返ってみると、仕事用のワークスペースと生活用のメモが別々のアプリに散らばっている人は多いはずです。タスク管理はTodoist、家計簿は専用アプリ、メモはApple純正メモ、といった具合です。ツールが分散すると、更新が止まった瞬間にその情報だけが取り残されるという弱点が生まれます。
本書が提示する「一つのNotion内で暮らしと仕事の両方をカバーする」という方向性は、情報を一箇所に集約することで、更新の手間そのものを減らそうとするアプローチだと理解できます。
Notion AIパートが加わっている点をどう見るか
出版年月は2023年11月です。この時期にNotion AI関連のテーマが独立した章として収録されている点は、単なるテンプレート集ではなく、当時のNotionの機能拡張に合わせて内容が更新されていることを示しています。
Notionはデータベース機能に加えて、ページ内でのAI要約や文章生成といった機能を段階的に追加してきたサービスです。テンプレートだけを配布する本であれば、AIの章をわざわざ独立させる必要はありません。この章立てからは、単に「型」を渡すだけでなく、Notionというツール自体の進化にも触れようとする姿勢がうかがえます。
ただし、AI機能はサービス側のアップデートで仕様が変わりやすい領域でもあります。この章の内容を確認する際は、現在のNotion AIの提供状況と照らし合わせながら読むのが安全です。書籍の内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、「当時こういう発想があった」という参考情報として受け取る姿勢が向いています。
レビューから見える「刺さり方」の違い
複数の販売サイトに寄せられているレビューを確認すると、評価の分かれ方に一つの傾向があります。
Notionを使い始めて間もない人からは、何ができるかの実例を大量に見ることができて役立ったという声が上がっています。テンプレートという完成形をまず眺めることで、Notionの可能性を具体的にイメージできたという反応です。
一方で、ある程度Notionを触った経験のある読者からは、出版されている類書と比較して実践的だとしつつも、テンプレートの作り方そのものにもう少しフォーカスしたハンズオン的な内容が欲しかったという指摘も見られます。テンプレートを与えられるだけでは、それをカスタマイズするスキルが伴わないと自由度を活かしきれない、という感想です。
この二つの反応は矛盾しているわけではなく、読者がどの段階にいるかによって本の効き方が変わることを示しています。初期段階の「何が作れるのか分からない」という悩みには強く効く一方、中級者が求める「どう改造するか」という部分は、本書だけでは補いきれない可能性があるということです。
向いている読者と、そうでない読者
ここまでの情報を整理すると、次のような人には特に相性が良さそうです。
Notionをダウンロードしたものの、何を作ればいいか分からず放置している人
仕事用・家計用・メモ用とツールが分散していて、一元管理したいと考えている人
完成形のテンプレートを見ながら、真似して手を動かしたい人
逆に、すでにNotionを日常的に使いこなしていて、データベースのリレーションやオートメーションを自作できるレベルにある人には、物足りなさを感じる可能性があります。レビューにあった「テンプレートの作り方そのものを深掘りしてほしい」という声は、まさにこの層の意見だと考えられます。
テンプレートは「そのまま使う」より「分解して読む」方が学びが大きい
自動化や仕組み化を試す立場からすると、テンプレート集の本当の価値は、完成品をコピーして終わりにすることではなく、その構造をなぜそう組んだのかまで分解して読むことにあると考えています。
例えば「お金」のテーマで家計管理用のデータベースが用意されているとすれば、そこにはプロパティの型選択や、集計方法の設計判断が含まれているはずです。テンプレートをそのまま使うだけでなく、なぜこのプロパティ構成にしたのかを推測しながら眺めると、自分の生活パターンに合わせて調整する際の判断材料が増えます。
本書のように複数テーマを横断的に収録している構成であれば、一つのテンプレートの設計思想を他のテーマにも応用しやすくなります。この「横展開のしやすさ」こそ、単発のテンプレート紹介記事やブログ記事にはない、書籍という形式の強みだといえそうです。
まとめ
『Notionライフハック 暮らしに役立つ36のアイデアとテンプレート』は、Notionという多機能ツールの「何から手をつけていいか分からない」という初期の壁を下げてくれる一冊だと整理できます。
定番・タスク管理・メモ・暮らし・お金・仕事・Notion AIという7テーマにまたがるテンプレートが用意されており、白紙から設計する負荷を、既存構造の調整という軽い作業に置き換えられる点が中心的な価値です。
一方で、レビューにも表れているように、テンプレートの作り方そのものを深掘りしたい中級者にとっては、応用の余地を自分で補う姿勢が必要になりそうです。まずは気になるテーマのテンプレートを一つ選び、そのまま使うのではなく、なぜそのプロパティ構成になっているのかを確認しながら手を動かしてみると、本書からの学びが定着しやすくなります。
参考資料
Notionライフハック 暮らしに役立つ36のアイデアとテンプレート。
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