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【本の紹介】打越さく良『Q&A DV事件の実務』

2021年9月のTwitter投稿からの掲載です。
あらためて読み返すと・・・、日本のDV対策の貧困さを感じます。
そして、共同親権運動による女性弁護士への執拗な攻撃も続いています。
※note掲載にあたり、一部を再編集しています。

打越さく良弁護士の著書(第3版)を読む。

DVでは相談先で二次被害に遭うことも少なくない。SNSでもDV被害者への攻撃は相変わらずひどい。
DVの実態を深く理解している議員の存在は心強い。

DV加害者による弁護士への攻撃の実態


「弁護士に対する攻撃・危険回避の工夫」という項が8ページ。
今あちこちで展開されている、共同親権運動による弁護士攻撃とそっくり。

≫DV加害者は、女性蔑視の意識が強く、女性の弁護士に対して、強い敵意を抱き乱暴な言動で応対することごままある。他方、嫉妬心が強い等のため、男性の弁護士に対しても、攻撃的な言動をする場合もある。

≫DVを反省しておらず自分の非を認めないため、被害者自身が離婚を決意したということを受け入れられず、「弁護士がそそのかした」等と思い込み、「金儲けのために(妻を)あおったのか」等と、代理人に思い込みに満ちた恨みを募らせることもある。

≫暴力団員は、不当利得を本業とし「損か得か」で動く傾向にあるが、理性よりも感情に流されて行動するDV事案の加害者は、損得勘定感情抜きに予測不可能な暴挙に出る可能性がある。DVに絡んだ業務妨害事案は、暴力団によるそれとは異なる。収束に向かわせることの困難さがある。

インターネット上に被害者の代理人を務める弁護士の名誉を棄損する記載がなされたり、脅迫する内容の文面を記載されたりするといった攻撃もある。

Q&A DV事件の実務―相談から保護命令・離婚事件まで―

DV加害者たちが共同親権運動を展開しているのですから、同様のことが起きるのも頷けます。

DVから子連れ避難すると、「連れ去り」「実子誘拐」と攻撃される。
被害者が逃げるしかない社会がそもそもおかしい。

海外のDV被害者支援対策

≫暴力の被害者が出ていかなければならないこと自体不当なことであり、未成熟子の就学機会を奪わないためにも、被害者の従前の居住を安全に続け、加害者を退去させる目的の退去命令が検討されてよいのではないか。

≫諸外国では、加害者に家を出るように命じ、被害者は生活の本拠地に留まり、生活上の困難を軽減できる制度がある。加害者の居住権のみが強調され、被害者の居住権を犠牲にする法の構造は不当であり、見直しが必要との見解があるが、傾聴に値する。

≫アルバニア、オランダ等いくつかの国では、保護命令を発する際に、被害者に対して家賃、住宅ローン、保険料、養育費を支払うよう、加害者へ命じることができる。

≫イギリスの家族法では、被害者は保護命令に加えて占有命令も申し立てることができ、これにより被害者は自宅に住み続けることができる。インド、ガーナ、フランスでも同様の命令が規定されている。

日本法の保護命令は、被害者に「逃亡の機会を保障」するにすぎず、自宅での生活を保障するなど程遠い。婚姻費用・養育費を請求するにも、別途手続きが必要である。
海外のより実効性の高いDV被害者支援策を参考にして、日本でも再考が必要である。

Q&A DV事件の実務―相談から保護命令・離婚事件まで―

「単独親権は日本だけ」と喧伝されているけど、DVの法制度を改善することが先決です。


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