BTSで話題の「グラミー賞」。そもそもどんな賞なのか調べてみた
グラミー賞とBTS関連のニュースに、「ボイコット」や「人種差別」という刺激的なワードが並んでいる今日この頃。
私もネットニュースや彼らが自らSNSで発信したメッセージを見て、
「なんてかっこいい人たちなんだ・・!」
と胸が熱くなり涙が出てきたのですが、彼らを応援しているARMYだけじゃなく、グラミーの審査員を名乗る人や、KPOPの売り方に疑問を抱く人の投稿も目に入ってきて、いろんな見方があるんだなと思いました。
っていうか、そもそも私、グラミー賞がなんなのか、全然知らないんですよね。
BTSやK-POPの評価について考えるのであれば、
バンタンがあれほどまでに憧れていたグラミー賞がどのような制度で、誰が、何を基準に選んでいるのかを知ることが大切なのではないかと思いまして。
そこで今回は、浅い知識で感動したり意見したりする前に、レコーディング・アカデミーが公開している情報を中心に、グラミー賞について調べてみました。
極力私見は挟まず、淡々とグラミー賞とは何か?を書いた記事です。
1.そもそもグラミー賞は、誰が選んでいるのか
グラミー賞は、アメリカの音楽団体「Recording Academy(レコーディング・アカデミー)」が主催する音楽賞です。
第1回は1959年に開催されました。
映画界のアカデミー賞や、テレビ界のエミー賞のように、録音音楽と、その制作に携わる人々を表彰する目的で始まった賞です。
グラミー賞というと、歌手がステージでトロフィーを受け取る姿を思い浮かべますが、実際に表彰されるのはアーティストだけではありません。
部門によっては、
作詞家・作曲家
プロデューサー
レコーディングエンジニア
ミックスエンジニア
マスタリングエンジニア
編曲家
など、作品の制作に関わった人々も受賞者になります。
そして、グラミー賞は一般の音楽ファンによる人気投票ではありません。
受賞者を選ぶのは、レコーディング・アカデミーの「Voting Members」、つまり投票資格を持つ会員です。
投票会員は、アーティスト、プロデューサー、ソングライター、エンジニアなど、実際に音楽制作に携わる人々で構成されています。
作品を提出できるレコード会社や登録企業であっても、会社として投票することはできません。投票できるのは、資格を持った個人の投票会員だけです。
つまりグラミー賞は、
音楽を聴く一般の人が選ぶ賞ではなく、音楽を作る側の人たちが、同業者の作品を選ぶ賞
だということです。この仕組みは「ピア・ボーティング」と呼ばれています。
2.BTSのような海外アーティストは、どうすればノミネートされるのか
世界的にヒットした作品が、自動的にグラミー賞の審査対象になるわけではありません。まず、作品を正式にエントリーする必要があります。
対象作品を提出できるのは、レコーディング・アカデミーの会員や、登録されたレコード会社・メディア企業などです。
提出された作品は、
対象期間内にリリースされているか
応募資格を満たしているか
どのカテゴリーに該当するか
クレジットが正しく登録されているか
などの確認を受けます。
この段階では、作品の優劣を決めるというよりも、「正式な投票対象になる作品か」「どの部門で扱うか」が確認されます。
その後、投票会員による第1回投票でノミネート作品が決まり、ノミネート発表後の最終投票で受賞者が決まります。
海外アーティストだから応募できない、という規則はありません。
BTSも、2021年に「dynamite」で、韓国のアーティストとして初めてグラミー賞にノミネートされました。
グラミー公式プロフィールには、BTSがK-POPアーティストとして初めてノミネートされたことが記録されています。

BTSがこれまで候補となった代表的な部門には、
Best Pop Duo/Group Performance
Best Music Video
などがあります。
また、Coldplayのアルバム『Music of the Spheres』に参加した関係で、メンバーが年間最優秀アルバムの候補作品にクレジットされた例もあります。
ここで重要なのは、グラミー賞では「BTSというグループが評価されたか」だけでなく、
パフォーマーとしての候補なのか
楽曲の参加者としての候補なのか
作詞・作曲者としての候補なのか
アルバムの制作関係者としての候補なのか
によって、ノミネートの意味が異なること。同じ作品に関わっていても、部門ごとに評価対象と正式な候補者は変わります。
3.「審査員」は何人いて、どうやって選ばれるのか
最近、日本人のグラミー賞投票会員による発言が話題になり、、、
「グラミー賞の審査員って、一体どんな人なの?」
と疑問を持った人も多いのではないでしょうか。
まず知っておきたいのは、グラミー賞には数人〜数十人の固定された「審査員」が受賞者を決める仕組みはありません。
受賞者を選ぶのは、レコーディング・アカデミーの「Voting Members(投票会員)」です。
投票会員には、
アーティスト
作詞家・作曲家
プロデューサー
レコーディングエンジニア
ミックス・マスタリングエンジニア
演奏家
その他、現在も音楽制作に携わるクリエイター
などが含まれます。
現在、投票会員は約1万5,000人規模とされており、毎年新しい会員が加わっています。2026年には3,100人以上が新たに投票会員として招待されました。
投票会員になるには、音楽業界で一定の実績が必要です。
現在の主な条件は、
商業的にリリースされた作品に12件以上のクレジットがあること(そのうち5件は直近5年以内)
アメリカで確認可能な配信・販売実績があること
音楽業界の関係者2名から推薦を受けること
などです。
つまり、「日本人審査員」と呼ばれている人も、特別に日本代表として選ばれているわけではありません。
世界中の音楽クリエイターの一人として、レコーディング・アカデミーの投票会員になり、一票を持っているという位置づけです。
また、投票会員は自分が専門とする分野を中心に投票することが求められています。
例えば、クラシック音楽を専門とする人が、詳しくないラップ部門へ自由に投票することを推奨しているわけではありません。専門知識を持つ分野で判断することが、制度の基本的な考え方です。
4.売上・再生回数・世界的人気は、受賞に関係するのか
BTSやK-POPについて語るとき、最も疑問に感じやすいのがこの点かもしれません。
アルバムが世界中で売れた。
Billboardで1位を獲得した。
ストリーミングで記録を作った。
大規模なスタジアム公演を成功させた。
それでも、グラミー賞を受賞するとは限りません。グラミー賞は、売上やチャート順位を集計して受賞者を決める賞ではないから。
公式の投票ガイドラインでは、投票会員は対象作品の芸術的・技術的価値に基づいて判断することを求められています。
売上、チャート順位、個人的な関係、企業への忠誠心などを理由に投票するべきではないとされています。なので、
「一番売れた作品=年間最優秀作品」
「再生回数が最も多い曲=受賞曲」
という制度ではありません。
一方で、人気や知名度が結果とまったく無関係だとも言い切れません。
投票するためには、まず投票会員に作品を知ってもらい、聴いてもらう必要があります。
音楽業界では、グラミー賞の候補として作品を検討してもらうために、「For Your Consideration」、略してFYCと呼ばれるキャンペーンが行われます。
レコード会社やアーティスト側が、
業界向け広告を出す
試聴の機会を作る
インタビューやイベントを行う
どの部門に提出された作品かを知らせる
といった活動を行います。
ただし、投票と引き換えに利益を与えたり、票の交換を求めたり、他の候補を中傷したりすることは禁止されています。
よって、グラミー賞と人気の関係は、次のように整理できます。
売上や再生回数は正式な採点項目ではない。
しかし、作品が広く知られ、投票会員に聴かれるための認知度やプロモーションは、間接的に影響する可能性がある。
5.白人以外・英語以外のアーティストは、主要部門でどれくらい評価されてきたのか
グラミー賞はアメリカで生まれた賞ですが、受賞者をアメリカ人や白人に限定しているわけではありません。
第1回グラミー賞から、黒人女性歌手のエラ・フィッツジェラルドが複数部門を受賞しています。
その後も、
レイ・チャールズ
スティーヴィー・ワンダー
マイケル・ジャクソン
ホイットニー・ヒューストン
ローリン・ヒル
アウトキャスト
ビヨンセ
ケンドリック・ラマー
など、多くの黒人アーティストが受賞しています。
ラテン系・スペイン語圏では、サンタナ、シャキーラ、バッド・バニーなどが受賞。
アジア出身・アジア系の音楽家にも、ラヴィ・シャンカール、ヨーヨー・マ、小澤征爾、坂本龍一、喜多郎、A・R・ラフマーンなど、多数の受賞者がいます。
グラミー公式サイトでは、1959年から現在までの候補者と受賞者を年ごとに確認できます。
ただし、「白人以外も受賞している」という事実だけでは、評価の公平性を完全には判断できません。
グラミー賞には、ジャンル別の専門部門と、ジャンルを横断する主要部門があります。
特に注目される主要4部門は、
年間最優秀レコード
年間最優秀アルバム
年間最優秀楽曲
最優秀新人
です。
R&B、ラップ、ラテン、グローバル・ミュージックなどの専門部門では評価されても、主要部門では受賞しにくいのではないか、という議論は長く続いてきました。
そのため受賞歴を見るときは、単純な受賞数だけでなく、
どの部門でノミネートされ、どの部門で受賞したのか
を見る必要があるということ。
専門部門での受賞と、年間最優秀アルバムなどの主要部門での受賞では、グラミー賞の歴史の中で持つ意味も異なります。
6.新設された「アジアン・ポップ部門」は、どんな部門なのか
第69回グラミー賞から、新たに、
Best Asian Pop Music Performance
最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス
が設けられました。
公式発表によると、この部門はアジアの市場から生まれた、またはアジア市場で広く認識されている現代のポップ音楽を対象としています。
対象例として、
K-POP(韓国)
J-POP(日本)
C-POP(中国)
などが挙げられています。
また、1つ以上のアジア言語を意味のある形で使用していることが条件とされ、受賞者はその楽曲を披露したアーティストです。
この部門は、アルバムではなく、シングルまたは楽曲のパフォーマンスを対象とするカテゴリーです。
つまり、曲を作ったソングライターではなく、原則として歌唱・パフォーマンスを行ったアーティストが表彰されます。
ただし、この部門が新設されたからといって、K-POPやアジアのアーティストが他の部門に応募できなくなるわけではありません。
条件を満たしていれば、
Best Pop Duo/Group Performance
Record of the Year
Song of the Year
Album of the Year
Best Music Video
など、通常のジャンル部門や主要部門の対象になる可能性もあります。
アジアン・ポップ部門の新設によって、これまで候補になりにくかったアジアの楽曲が、正式に評価される機会は増えると考えられます。
一方で、K-POP、J-POP、C-POPは、言語だけでなく、音楽性、歴史、制作方法、市場も異なります。それらを「アジア」という一つの部門で扱う制度が、実際にどのように運用されるのか。
また、アジアのアーティストがこの専門部門だけでなく、通常のポップ部門や主要部門でも評価されていくのか。
新設部門の意味を判断するには、今後のノミネートと受賞結果を継続して見る必要があります。
グラミー賞まとめ
今回調べて分かったのは、グラミー賞が「世界で一番売れた音楽を決める賞」でも、「世界中のファンが選ぶ賞」でもないということ。
グラミー賞は、
アメリカで生まれた音楽賞
レコーディング・アカデミーが主催
対象作品は正式なエントリーが必要
音楽制作者で構成される投票会員が選ぶ
売上ではなく、芸術的・技術的価値を基準とする
ただし、統一された点数制の採点表はない
という制度です。
おわりに
今回調べてみて感じたのは、グラミー賞は単なる人気投票でも、売上ランキングでもないということでした。
そして、ARMYなら誰もが
「なぜBTSは、あれほどまでにグラミー賞を目標にしてきたのだろう?」
と思いますよね。世界中で数え切れないほどの記録を打ち立て、多くの夢を実現してきた彼らが、それでも長年グラミー賞を特別な目標として語り続けてきた理由。。。
その背景や彼らの思いについては、改めて考えてみたいテーマでもあります。
この記事の調査方法について💜
この記事の作成には、生成AIを情報収集の補助として使用しました。
制度や応募条件、投票方法、新設部門などの事実関係については、グラミー賞およびレコーディング・アカデミーの公式サイトに掲載された公開情報を中心に確認しています。
※グラミー賞の部門や規則は毎年変更される可能性があります。この記事は、2026年7月時点で確認できる情報をもとに作成しています。
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2020年からアミしてます!
