二拠点暮らし|東京で感じる、小さな贅沢
東京という街に、新卒で飛び込んだ最初はちょっと気後れしていました。
人も情報も、もうなんでもかんでも多すぎる。
なのに住んでみると、案外、東京のほうがこちらを受け入れてくれるような優しさもあって。
ちょっと不思議な街です。
今では、田舎と東京を行き来する暮らしの中で、東京が「わたしの回復スポット」になりつつあります。
え? 田舎のほうが癒されるんじゃないかって?
まあ、それも一理あるのですが、田舎ではわたし、結構バタバタしてますので……笑。
東京で感じる贅沢といえば、朝の散歩です。
パン屋さんの多い街に住めば、本当に最高。
おしゃれなパン屋の焼きたての香り、まだ空いているベンチに座って、ぼんやり空を見上げる。
まるで雑誌の中に入り込んだような、でもちゃんと現実なその景色。
「やっぱりすごいな、東京」なんて思ってしまいます。たくさんの人のニーズを叶える街。
気になる企画展がどこかであって、美術館にふらっと立ち寄れるのも、いいところです。
一度、企画展でじっくり鑑賞した後に、カフェでチーズケーキを食べながら「やっぱり光と影って大事」なんて、気取ってノートにメモしていたら、隣の席の学生さんが「あれ、授業で見たやつだよ」って話してて……一瞬で我に返りました。笑
光と影の対比で有名なのはフェルメールですが、写真の絵は、アーティゾン美術館にて。
メアリー・カサット。
柔らかな色使いと、優しさを何重にも重ねたタッチで好きな女性画家のひとりです。
それでも、こんなふうに“知的に気取れる余白”があるのが、東京のいいところ。
きちんとした靴を履いて、きれいに整えられた街を歩くだけで、自分も少しだけ整う気がするのです。
東京には、気持ちを前向きにする“選択肢”がたくさんあります。
学びたいことがある時、リセットしたい時、あるいはちょっと自分を褒めてあげたい時——。
わたしは今日も、そんな東京のどこかで、自分に似合う贅沢をひとつ選んでいる気がします。
あゝ、40代も悪くないなぁと思うんです。
