画家・小田康夫作品集《Demnsional membrane III(次元膜III)》

作者のことば《Demnsional membrane III(次元膜III)》
本作品は、三次元のフレームとして機能する「次元の膜(メンブレン)」を描いています。このフレームの内側には私たちが親しんでいる世界の境界があり、その向こう側には、より高次な次元が知覚可能な状態で広がっています。鑑賞者はその領域へと踏み込むのではなく、あたかも「通り抜けることはできないが、視線だけは通す窓」を覗き込むように、膜越しにその光景を観測することになります。
ここに描かれた高次元の世界において、時間は私たちが知るような「昼と夜」という形では表現されません。その代わりに時間は、明と暗という「交互に現れる状態」として立ち現れます。それは時間的なサイクルというよりも、互いを定義し合う一対の条件に近いものです。光(明)は闇(暗)との相関関係においてのみ認識可能となり、闇もまた光とのコントラストを通じてその意味を獲得します。
このように「次元の膜」は、次元間の隔たりを露わにするだけでなく、高次元の状態が互いを識別し、維持し合うための構造そのものを可視化しています。ここで示されているのは、三次元的な知覚の内側から縁取られ、視覚化された「対比による認識のシステム」なのです。

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