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大学の理工系学部での必修科目(四力)について

多くの大学は、理工系学部を設置しています。そのうち、機械工学を軸とする学部では、機械力学・熱力学・材料力学・流体力学(四力)を必修科目としています。

四力は機械・構造設計に関わる業務には必要不可欠な知識であり、社会に出てからも繰り返し学んでいくことが、重要とされています。内容は高校物理の範囲と一部被りますが、高校と決定的に違うのは、微分積分(解析学)など高次の数学を積極的に活用することです。

今回は理工系学部で履修する四力の概要を知り、自分自身の進路などの参考にして頂くために、それぞれの科目を説明します。


機械力学について

機械力学は、高校物理の延長線上にある事柄が多い科目です。物体に生じる力(外力)のつり合いを解明したり、物体の「変位・速度・加速度」の変化を確認することが目的です。

変位・速度・加速度の関係性は、高校で学習する微分積分で理解できることも多いです。また、この話の発展系で振動問題についても多少は高校物理で学習します。

機械力学で扱う「変位・速度・加速度」の関係性(質点振動モデル)

機械力学は剛体(物体の質量と形状は考慮し、変形は考慮しない)を対象としています。

また、カム・リンクや歯車など機械要素の力の伝達を扱う機構学、センサーやアクチュエータなどを利用した自動制御学など分岐しますが、機械力学はこれらの基礎に相当する科目です。

熱力学について

熱力学も高校物理の延長線上にある事柄が多い科目です。代表例はピストンとシリンダーの問題であり、これは「熱力学第一法則」に基づきます。

この他に、エントロピーの概念を新たに導入した「熱力学第二法則」があります。熱力学第二法則の主張は「熱は高温(領域)から低温(領域)に移動し、逆方向の移動は起こらない」ということです。

いわゆる「不可逆変化」と呼ばれるもので、氷から水に変化すること(エネルギーの変動で状態変化を起こすこと)は想像できますが、逆に水から氷に状態変化を起こすことは、現実で考えると不自然です。

熱力学で扱われることが多いピストンの問題(気体の内部状態変化)

エントロピーとは、物体を構成する分子(群)の乱雑さを表す指標です。熱力学第二法則を説明する上でエントロピーの概念は重要で、エントロピーの増加量は正値を取るとされます。

こうした、気体や液体のエネルギー論を中心に扱う学問が熱力学です。これを応用した先に、蒸気機関車などの熱のエネルギーのサイクル(機構)があるのです。

材料力学について

物体は「質点」「剛体」「変形体」の3種類のモデル化(分類)があります。機械力学は「質点」「剛体」に生じる力を扱うのに対して、材料力学は「変形体」に生じる力を扱います。

変形と言うと、ゴムの形状変化を想像すると思いますが、金属も同様の理論が当てはまります。弾性変形と塑性変形(永久変形)に大別されます。

変形問題の内部視点での詳細化(弾性変形と塑性変形)

材料力学で重要視される物理現象のひとつに、破壊があります。例えば、想定する用途に対して壊れない機械や製品を設計するには、構造物の変形挙動を精度良く予測することが重要です。

最近ではコンピューターシミュレーションで代替する動きもありますが、適切に判断するには、材料力学を中心とした四力の知識が大切です。

構造解析の実用例(出典:設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩 / MONOist

材料力学は個人的に好きな学問のひとつで、学生時代に主体的に専攻していた分野です。コンピューターシミュレーションも同様で、代表的な解析手法のひとつ「有限要素法」は現在も生業として取り組んでいます。

材料力学や流体力学は合わせて「連続体力学」と呼ばれる枠組みで議論するときもあります。変形という物理現象が絡むため、高校物理から明らかにステップアップした話ではあります。

流体力学について

気体や液体の流れ(合わせて流体と定義します)を扱います。水力や風力を利用した発電システムの動力源になり、再生可能エネルギーとして実用化を期待されている背景もあります。

流体力学は四力の中でも難易度が高い科目とされています。理由は時間と空間という個別の物理量を一斉に記述する「偏微分方程式」を扱うことが多いためです。

円柱まわりの流れ場(粘性流体)の解析例

流体(気体)は、粘性係数(粘度)によって「層流」「乱流」など流れの特性が異なることが知られています。

流体力学で扱う物理量には速度や圧力などがあり、これらが時間や空間の関数に位置付けられます。また、流体の圧縮性を考慮する場合は、密度も変数として扱います。

粘性流体を支配する偏微分方程式(ナビエ・ストークス方程式)

流体力学では、運動方程式に相当する数式として「ナビエ・ストークス方程式」が知られています。方程式自体は複雑ですが、問題の状況次第で実質的に無視できるため、単純化の余地は残されています。

おわりに

今回は理工系学部で必修科目とされる四力の概要を説明しました。近年では数値解析(シミュレーション)を絡めた話に発展することも多く、そうした役割を担うために、自分の現職(生業)が存在します。

エンジニアリングの現場では、大局的な構造理解の基礎として「四力」の知識は欠かせません。当事者のひとりとして、実感もあります。

これから大学への進学を検討されている方々をはじめ、今回の記事をひとつの情報(ヒント)として頂けたら幸いです。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事が、何か皆さんの未来を変えるキッカケになれたら幸いです。
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