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忙しいはずなのに、なぜか生きた感じがしない

はじめに

忙しい
という言葉は
よくできている

中身を
見せなくていいから

何をしていたかも
何を感じなかったかも
全部
包んでしまえるから

でも
その包みの中に
残っているものがある

ほどかないまま
見えなくなっているものがある




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1. 忙しいのではなく そこにいなかっただけかもしれない

予定がある
やることがある
終わらない

それはたしかに
事実だけれど

一日を終えて
残るのは
量ではない


どれだけやったかではなく
どれだけ
そこにいたか

動いていたのに
いなかった日がある

言葉を交わしても
触れていない時間がある


ただ
次へ次へと
渡されていくだけの
自分

手応えがないのに
疲れている

それは
削られたというより
通り抜けられた感じに近い


忙しいのではなく
自分を通さずに
時間だけが進んでいた

そのとき
疲れは
説明を持たない

ただ
残る

空白のように
残る





2. 置き去りになっているのは 本心ではなく その手前にある微かな感覚

大事なものを
見失ったのではない

もっと手前の
小さな反応を
見なくなった

少し違う
という感じ


ここでは
呼吸が浅い
という感じ

なぜか
引き受けたくない
という感じ

理由もなく
惹かれている
という感じ


そういうものは
役に立たない

説明もできない

だから
先に捨てられる

忙しさは
それを
切り捨てる速度を
上げる


感じる前に
次へ行く

引っかかる前に
処理する

その繰り返しの中で
本心は消えないまま
受け取られなくなる


残っているのに
届かない

その距離が
空しさになる

空しいのに
理由が言えない

嫌なのに
何が嫌か分からない


それは
本心をなくしたのではなく
そこへ至る
細い回路を
使わなくなっただけ

忙しさの奥で
置き去りになっているのは
答えではない

答えに触れるための
手前の震え

それが
静かに
消えていく





3. 感覚はどこで失われるのか そして何が起きているのか

感覚は
忙しいときに
消えるのではない

もっと静かに
もっと日常的に
失われていく

自分で選んでいないのに
選んだように
流れていく時間の中で

小さな対応が
切れ目なく続く


意味を考える前に
反応だけが求められる

場を保つために
少しだけ
自分を脇へ置く

その
少しだけ

積もる


「いまは仕方ない」が
日常になる

違和感が
遅れてくるようになる

そのうち
来なくなる

鈍くなるのは
弱さではない

回すための
技術


感じないほうが
進めるから

でも
その技術は
別のものを奪う

外から来た優先順位を
そのまま
自分のものだと
思ってしまう感覚


どこまでが
自分で
どこからが
外なのか

分からなくなる

だから
忙しくなるのではない

配分される

時間も
注意も
生も

そして
それに気づく感覚が
いちばん先に
失われる


「どうせ死ぬ」と
ふと浮かぶとき

それは
投げやりではない

配分の違和感が
浮き上がっただけ

この有限の中で
なぜこれに
これだけ渡しているのか

その問いは
消えない

消せない


だから
小さな解は
たぶんここにある

忙しさを
減らすことではなく

取り戻すことでもなく

どの時間に
自分の感覚が
差し出されているのか

それを
見失わないこと


それだけで
「忙しい」は
少し違う言葉になる

通り過ぎた時間ではなく
触れていた時間として
残るための

わずかな
手がかりになる






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【この続きを、さらに深く】

デスクに“静かな余白”を置く
アートテラリウムを制作しています。

忙しさの中で張りつめた思考を、
いったん置いておくための作品です。

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ーAI時代に、正解を示さず、揺れを止めず、人生の途中に小さな灯を置く。デスクの小さな景が、本当に大切なものに気付かせてくれるー



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