(今日の1枚)アレクサンダー・リバーマン:ベティ・パーソンズの肖像
アレクサンダー・リバーマン:ベティ・パーソンズの肖像

アレクサンダー・リバーマン(Alexander Liberman/1912-1999 )が捉えた「ベティ・パーソンズの肖像」(Portrait of Betty Parsons/アートディーラー)は、20世紀美術史の重要な立役者の内面を静かに、かつ雄弁に物語る1枚である。雑誌「Vogue」の伝説的なアートディレクターであり、自身も写真家・彫刻家・画家・アートディレクターであったアレクサンダー・リバーマンは、数多くの芸術家たちの素顔をカメラに収めてきた。

ベティ・パーソンズは

この被写体であるベティ・パーソンズは、ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコら抽象表現主義の巨匠たちをいち早く見出した伝説的なアートディーラーであり、自身も優れた芸術家であった。カメラをまっすぐに見つめる彼女の眼差しは、美術界の荒波を生き抜いてきた強い意志を湛えつつも、どこか穏やかで深い憂いを帯びている。頬に添えられた左手と指輪のアクセントは、彼女の知的な洗練さを際立たせ、背景に配された植物の有機的なラインが画面に柔らかな奥行きをもたらしている。
最後に
アレクサンダー・リバーマンのこのポートレートは、余計な装飾を削ぎ落としたモノクロームの構図は、彼女の歩んできた人生と美への審美眼をストレートに浮き彫りにする。被写体との親密な関係性からしか生まれ得ない、魂の交感を感じさせる傑作である。
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