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(今日の1枚)ゲルダ・タロー:イスラエル、ハイファ。到着した移民たち


ゲルダ・タロー:イスラエル、ハイファ。到着した移民たち

ロバート・キャパという名は、もともと一人の男を指すものではなかった。1930年代、ハンガリー出身の若き写真家アンドレ・フリードマンと、その恋人で独創的な発想を持つゲルダ・タロー(Gerda Taro)が、写真を高く売るために共同で作り上げた架空の「高名な米国人写真家」の偽名だったのである。

ゲルダ・タロー(Gerda Taro)

Gerda Taro

ゲルダ・タロー(Gerda Taro、1910–1937)は単なる恋人ではなく、キャパというブランドのプロデューサーであり、自らも戦場を駆ける勇敢な写真家であった。彼女はスペイン内戦の最前線で命を落とした最初の女性報道写真家となるが、彼女が遺した「被写体へ踏み込む勇気」は、後に一人でその名を背負い続けたキャパの血肉となった。

イスラエル、ハイファ。到着した移民たち

Gerda Taro - Haifa, Israel. Migrants arriving.

その精神が色濃く反映された一枚が、キャパたちが、戦後に撮影した「イスラエル、ハイファ。到着した移民たち」である。建国直後の混迷期、新天地を求めて港に降り立った母子を映したこの作品には、重い荷物を頭に乗せて歩く女性と、その服の裾を必死に掴む少年の姿がある。かつてゲルダと共に戦場を歩き、愛する者を失ったキャパだからこそ、困難な状況下でも前を向く人々の力強さと不安を、これほどまでに鮮烈に、そして慈しみを持って切り取ることができたのである。

最後に

ゲルダ・タローは、1937年7月25日、スペインの内戦に巻き込まれて死亡した。まだ、26才の若さと強い正義感と意志で、これからだったのにだ・・・
1954年、バート・キャパは、インドシナでゲルダ・タローと同じく戦場に散った。しかし、二人が生み出した「ロバート・キャパ」という眼差しは、今なお戦禍に生きる人間の尊厳を伝え続けている。

-artoday

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