ゼイディー・チャ:神話とアイデンティティの境界
ゼイディー・チャ:神話とアイデンティティの境界


1983年カナダ・バンクーバー生まれのゼイディー・チャ(Zadie Xa/ 1983- )は、2025年ターナー賞の最終候補者に選出された。選考対象となったのは、2025年2月開幕の「シャルジャ・ビエンナーレ16」で発表された*ベニト・マヨル・バリェホとの協働制作「Moonlit Confessions Across Deep Sea Echoes: Your Ancestors Are Whales, and Earth Remembers Everything」である。
(註)*ベニト・マヨル・バリェホ(Benito Mayor Vallejo/1981- )絵画、ドローイング、彫刻といった複数のメディアを扱い、個人の歴史や心理状態、社会的な出来事などをテーマに作品を発表している。
芸術実践の核にあるのは


ゼイディー・チャの芸術実践の核にあるのは、海を単なる地理的な空間としてではなく、多様な文化の伝統やフォークロアが交錯する「スピリチュアルな領域」として捉える視点だ。彼女は、自身のルーツである韓国の文化要素を現代的な表現へと昇華させる。展示は、サウンドスケープ、幽玄な色彩を放つ絵画、韓国の伝統的なパッチワークである「ポシャギ」、そして韓国の巫堂(ムーダン)が儀式で用いる鈴に着想を得た650個以上の真鍮の風鈴からなる彫刻など、多岐にわたるメディアで構成された。
神秘的な視覚イメージ



観る者は、風鈴が奏でる繊細な音色と、神秘的な視覚イメージが織りなす空間の中で、遠い祖先の記憶や地球が抱く物語を追体験することになる。審査員は、この一連の作品群を、チャの思慮深く魅惑的な芸術実践をさらに洗練させた到達点として高く評価した。神話的な想像力と歴史的背景を融合させ、没入感あふれる世界を構築する彼女の試みは、境界を超えて共鳴する新たな物語の形を提示している。
最後に
儀式的な要素を現代美術へと昇華させたチャの展示は、忘却されつつあるフォークロアに新たな命を吹き込み、観る者を深遠な記憶の旅へと誘うコンテンツと言えるだろう。
2025年ターナー賞受賞者と最終候補者
#ゼイディー・チャ #Zadie_Xa #2025年ターナー賞最終候補 #神話とアイデンティティの境界 #現代アート #art #イメージと文化 #とは #深海の響きを越えた月明かりの告白_あなたの祖先はクジラそして地球はすべてを記憶している #絵画 #平面 #神秘的な視覚 #記憶の旅 #2025_Turner_Prize_Finalist #スピリチュアルな領域
