【川合玉堂 ―なつかしい日本の情景― 山種美術館】温かな眼差しで描かれた、なつかしき日本の情景を音声ガイド「Art walk」で体感

展覧会の見どころ
山種美術館開館60周年記念特別展第一弾「川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―」が開催されます。日本初の日本画専門美術館として開館した当館が、この記念すべき年に選んだのは、近代日本画壇の巨匠、川合玉堂の画業を深く掘り下げる展覧会です。日本の山河とそこに息づく四季の移ろい、そして田園に暮らす人々の情景をこよなく愛し、温かな眼差しで描き続けた玉堂の作品約70点が、当館創立者の山﨑種二が蒐集した71点のコレクションを中心に紹介されます。
本展の最大の魅力は、山種美術館が誇る川合玉堂コレクションの豊かさと、創立者山﨑種二と画家玉堂との深いつながりから生まれる、稀有な「作品が語る物語」にあります。山﨑種二は、玉堂の芸術だけでなくその温厚な人柄にも深く惹かれ、親密な交流を重ねました。この特別な関係が、玉堂の初期から晩年まで、その画業の変遷を網羅する質の高いコレクション形成へとつながったのです。
展覧会を通して注目すべきは、玉堂が日本の伝統的な絵画技法を継承しつつ、いかに近代的な風景画を確立していったかという点です。京都で円山・四条派の写生を、東京で橋本雅邦に狩野派の力強い線描を学んだ玉堂は、これら異なる流派の特長を見事に融合させ、さらに西洋絵画の遠近法も取り入れながら、奥行きと詩情あふれる独自の画風を築き上げました。その作品群は、単なる写実を超え、見る者の心に静かに染み入るような情感を湛えています。
玉堂が描いたのは、富士山や松島といった特定の「名所」だけでなく、名もない山里や川辺、田畑といった、ごく身近な日本の情景です。そして、それらの風景のなかに、農作業に勤しむ人々、渡し舟に乗る人々、あるいは動物たちの姿を点景として配し、自然と人間が織りなす営みを情感豊かに表現しました。特に、四季の移ろいや光の表現には秀でたものがあり、移りゆく日本の美しさを余すところなく捉えています。本展は、観る者それぞれの心に、古き良き日本の原風景を呼び覚ますことでしょう。
川合玉堂が描いた日本の原風景の魅力を知るなら「Art walk」
本展では、近代日本画の巨匠、川合玉堂が約70年にわたる画業の中で描き出した、日本の四季折々の美しさと人々の営みを約70点の作品を通して網羅的に紹介します。円山・四条派、狩野派、さらには西洋画の遠近法を取り入れ、独自の画風を確立した玉堂の多様な作品群から、特に注目すべき作品はこちらです。
岐阜の自然と幼き記憶が息づく初期の代表作《鵜飼》
近代風景画の確立を告げる画期的な作品《二日月》
奥多摩の地で描き続けた、心温まる晩年の傑作《早乙女》
「Art walk」では、これらの作品の背景を音声で詳しく解説しています。玉堂の画業の変遷、技法の秘密、そして作品に込められた深い物語を、耳からじっくりと味わい、日本の美意識をより深く感じ取ってください。
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