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長男くんの答え。

私は息子が二人います。
まだまだ子育て真っ只中です。

今回お伝えしようと思うのは
長男くんが中学二年の時の話です。




長男くんは、
私が23才のときに生まれました。

その頃は私も旦那様も
まだまだ子供で
今思えば、よく長男くんを
育てられたなぁと思います。


私は看護師としてまだ二年目。
旦那様もリハビリ科で二年目。

自分の勉強だけで
精一杯の毎日を送っていました。

病院はいつでも人手不足。
看護部長からは
出産直後から何度も
電話がかかってきました。

「育児休暇はとらなくてもいいのよ」
「いつから仕事に来られそう?」

新人同然だった私は
産休をとって休んだことで
同期の仲間たちとの差が
大きく開いたように感じていました。




結局、
産後2ヶ月で仕事に復帰。

長男くんはミルクアレルギーがあり
私の母乳だけが栄養でした。

三時間ごとに授乳に行かせてもらえる
約束は果たされず
毎晩、寝る時間もとらずに
夜中に母乳をしぼっては
冷凍していました。

私の体重は
半年で15キロ近くも減っていました。


それでも私は
なんとかみんなに追い付こうと
どんなに体が辛くても働きました。


夜の20時ころまで残業し
託児所に預けた長男くんを迎えにいくと
もう寝てしまっていることも多く


長男くんの寝顔を見ては
毎日、毎日、
何年も、何年も

「これでいいんだろうか?」


そう、繰り返していました。


無理をしすぎた私は
病院勤務14年目で体調を崩し、退職。

長男は中学生になっていました。


専業主婦になった私は、
今まで長男くんに
してあげられなかったことを
たくさんしようと思いました。


だけど
いいお母さんになろうと
頑張れば頑張るほど、
私の思いはすれ違って

やがて、
ぶつかることが多くなりました。



専業主婦になり時間ができると
今まで見えてなかった長男くんの
勉強や生活面のことが
急に心配になりました。

私がずっと放置していたから
成績が下がったんだ。
私が何もしてあげなかったから
あれも、これも、出来ないんだと
自分を毎日責めていました。


私はずっと後悔していたから

なんとかして、
失った14年間を
取り戻そうとしてしまったんです。







長男くんが部屋から出てこなくなり

カーテンを閉めきって
真っ暗な部屋を開けると

壁じゅうに白い紙が貼ってありました。

「死にたい」

そう書かれて。




長男くんが死んでしまう。



心配で心配で
いてもたってもいられなくて
ただ自分を責めて泣きました。

「そのうち出てくるよ」

旦那さまのそんな台詞に
「もっと真剣に考えてよ!!」と、
苛立ちをぶつけてしまうことも
ありました。


そのうち長男くんは
おばあちゃんの家に行ったまま
帰ってこなくなりました。


私が仕事に必死だった13年間、
長男にただ愛情を注いでくれたのは
義母だったのです。

母親の私ではなく……


でもその時はそれよりも

「おばあちゃんちにいるなら
何かあっても大丈夫……。」

やっと少し安心できた私は、
長男くんがいない部屋で
毎日、考えていました。

いいお母さんて、
なんだろう?

私は、どうすればいいんだろう?って。


私が出した答えはひとつでした。



それは、
「考えることをやめること。」


自分を責めても何も変わらない。
誰かのせいにしても何も生まれない。

自分を責めるよりも、
自分を許してあげよう。

長男くんを心配するよりも、
長男くんを信じよう。



だめな母親だった
だから、償いたい…
そう思うのは


長男くんが私を恨んでると決めつけて
責めてるのと同じこと。

これじゃダメなんだって気づいて
そしたら、
全てが楽になったんです。



長男くんは
もう赤ちゃんじゃない

自分で考えて、乗り越えて
生きていく力がある。


私はそれを信じて、
安心して
ただ愛していればいいんだなって。


14歳の誕生日。
長男くんはひょっこりと
何事もなかったように帰ってきました。 

その後、私は長男くんを連れて
ニュージーランドへ短期留学をします。

「学校の仕組みが日本と全然違う!」

長男くんの世界も広がっていきました。


「僕は部屋にこもっているとき、
ずっと考えてたんだ。
僕は、なんのために
生まれたんだろうって。

この世界には僕が知らないことが
まだまだたくさんある。

だから僕は、それを知るために
生まれてきたんだなって思ったんだ…」



これが、
長男くんの、答え。


引きこもっていたあの数ヶ月こそが、
長男くんの人生には
必要な時間だったのです。


「後悔」っていう言葉が
この世界になかったら
それは「経験」と呼ぶのかなって
思います。

私が後悔していた14年間も
長男が部屋にこもっていた数ヶ月も

ぜんぶ、ぜんぶ、必要だった。

子育てって本当に難しいです。
だからこそ、
家族やまわりの人たち
みんなで支えていかないといけない。

長男くんは「私が」育てなきゃいけない。
そう思い込んでいたけれど、


長男くんは
私たち家族、
託児所の先生、
おじいちゃんおばあちゃん
友だち、親戚
みんなに愛されて、生きてきたんですね。


子育てって
もっとまわりに頼って
みんなの力を借りて
生きていいんです。


お母さんだって、人間なんですから。



高校生になった長男くんは
生物に興味を持ち、
サンショウウオやヤモリ、ヘビなどの
研究をしています。

大学では生物の進化を学びたいそう。

最近は彼女も出来て、
とても楽しそうに笑っています。

その笑顔の眩しさが、
私の失った14年間を
埋めてくれるような気がして……

あの苦しかった数ヶ月を
ときどき懐かしむのです。

読んでくださり、ありがとうございました(*^^*)


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大学4年生になった長男くんのお話です!!


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