Photo by
arusakka
『迷探偵 沖田』第15話:鉄の鍵、重き真実
村を去る志乃の背後で、古い邸宅は炎に包まれた。羽鳥が自ら火を放ったのだ。 戻った新宿の病院で、志乃はついに鉄の鍵を遺言状の封蝋へと差し込んだ。
中に記されていたのは、組織の最終目的。 それは、世界中の人々の記憶を巨大なサーバーにアップロードし、物理的な身体を捨てた「硝子の楽園」を築くこと。 そして、そのシステムの「鍵」となっているのが、現在眠り続けている沖田の脳そのものであるということ。
「……沖田さん。起きてください。……あなたが起きないと、世界があなたの夢の中に閉じ込められてしまう」
志乃の涙が、沖田の手の甲に落ちる。 その瞬間、沖田の指が、わずかに、しかし確かに動いた。 モニターの心拍数が急上昇し、病室に強烈な「忘れな草」の香りが立ち込める。
ここから先は
90字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
