ねえ、乗馬ってお高いんでしょ?
聞かれる。だいたい聞かれる。 「乗馬ってお高いんでしょ?」
結論から言うと、高いかどうかは人によって違う。
以上、終わり……というのもさすがに不親切なので、 私がいつも答える答えに、どのようにたどり着いたかを書いてみよう。
クラブを決めるとき、まず夫がわけのわからないことを言い出した。
「死人がゴロゴロ出るような乗馬がしたい」
『地面師たち』のトヨエツ・ハリソンのセリフである。
誰が死ぬんだよ。 何の基準だよ。もうええでしょ。
私が真面目にやるしかない。計算するぞ。
自馬を持つ場合は別として、ほとんどのクラブは 入会金・月謝・1回あたりの騎乗料、この3つの組み合わせで料金が決まる。
で、入会金がまず想像より一段お高い。
でも、入会金だけ見ても意味がないこともわかってきた。 入会金は高いけど、月謝や騎乗料が安いクラブもあれば、 入会金は安いのに、月謝や騎乗料がじわじわ高いクラブもある。
だから、1年目の月々乗る予定の回数で入会金と月謝を割って、 騎乗料にプラスして、「1回あたり実質いくらか」を出してみた。
それをクラブごとに並べて、にらめっこする。
われながら立派なリサーチだったと思うし、クラブを決めるひとつの大きな指標になった。
でも、実際に通い始めてみて思うのは、 そんな計算、あんまり意味がなかったな、ということだった。
大事なのは、月々いくらか、ではなくて。
「その金額を、無理なく払い続けられるか」
「その金額が、自分にとっての価値と釣り合っているか」だった。
たとえ相場より安いクラブでも、 自分にとって続ける理由がなければ、お高い。 逆に相場より高いクラブでも、 続けたいと思える理由があれば、それは適正価格になる。
これ、乗馬に限った話じゃない気がする。
ヨガでも、ゴルフでも、推し活でも、たぶん同じだ。
金額の絶対値より、自分がその金額を 「払い続けたいと思えるかどうか」の方が、よっぽど大事な指標なんだと思う。
というわけで、
「乗馬ってお高いんでしょ?」と聞かれたら、いつもこう答えている。
「まあね。死ぬ気で乗ってるからね(ニヤリ)」
