推しキッカケの推しを好きになるということ
推しの家族や友人が表に出る仕事をしていることはあると思う。
そういう時は、推しをきっかけとしてその方を知ることが多いだろう。
最初は「推しが紹介していたから」「推しの家族だから」といった理由で、その人や作品を見る。
でも気づけば、その人自身や作品を好きになっていることだってある。
つまり——
「推しキッカケの推し」の誕生である。
私の場合、まずは吉井和哉さんキッカケの吉井添くん。
最初は「吉井さんの息子がすごい」と聞いてインスタを見に行った。
当時はまだ高校生ぐらいで、DNA恐るべしと言いたくなるほどの整った顔立ち。
その後はときどき覗く程度だったけど、
ある日たまたま見たインスタライブで一気に心を持っていかれた。
天使のような容姿にオタク気質。
タバコを吸いながら一人称は「俺」。
悩みながらも挑戦したい気持ちを隠しきれない。
そんな姿に惹かれて、絵の展示会に行くことにした。
正直、迷った。
「オバちゃんがあんな若い子に会いに行っていいのか」と。
でも、どうしても会いたかった。
そこにいたのは、まさに天使だった。
発光してる?と思うほど白い肌。
パーテーションから頭が出ちゃうほどの背の高さ。
優しい声、かわいい服、少し闇を感じるデジタル作品たち。
気づけば私はすっかり虜になり、FCにも入って応援するようになった。
次は、チャライダーとそのディレクターのチャラスマさん。
知るきっかけは、推しの衣装提供や単独ライブでのグッズ販売だった。
正直、チャライダーの服は安くない。
でも、一度買ってみたら品質の良さに驚いた。
刺繍や梱包、発送まで全部ご本人がやっていて、
ひとつひとつに“作り手の気配”がある。
デザインの可愛さはもちろん、
服を通してチャラスマさんの世界観が伝わるようで、
買うたびにその誠実さに惹かれていった。
インスタライブではものづくりへの思いを話していて、
その言葉から学ぶことも多い。
同じファン同士で交流が生まれたり、
そこから別の界隈を知ることもあって、
私にとっては新しい世界への扉になっている。
そして、noteでエッセイを書いている中島トウ子さん。
あまりご本人が書いたり言ったりしていないので詳しくは書かないけれど、
わかる人にはきっとわかると思う。
きっかけは、推しの話したちょっとしたエピソードだった。
そこからSNSを見つけて、ブログを読んだ。
不安や迷いを隠さず、日々をまっすぐに書いている文章に惹かれた。
最初は“推しの話を見たい”気持ちで読み始めたのに、
いつのまにか作者そのものを抱きしめたくなるような気持ちになっていた。
飾らず、でもどこか優しく、
まるで人生をそっと覗かせてもらっているようなエッセイ。
私がnoteで過去のことを書こうと思ったきっかけのひとつが、
彼女の文章だった。
言葉にすることも、応援することも、
結局は「その人をどう見つめるか」なのかもしれない。
イベントの現場で、添くんにお父さんのアクスタを持たせて写真を撮っている人がいた。
その光景を見たとき、胸の奥が少し痛くなった。
たぶん悪気なんてなかったと思う。
でも私は、その瞬間、添くんが“誰かの息子”としてではなく、
“ひとりの表現者”として見られてほしいと強く思った。
それぞれの人に、それぞれの物語や努力がある。
「誰かの〇〇」じゃなく、その人自身の人生の一部分を、ちゃんと見たい。
私にとって“推しキッカケの推し”とは、
推しの影に重なる存在ではなく、
推しがつないでくれた“新しい光”。
推しの向こう側で出会った人たちが、
私の世界を豊かにしてくれる。
