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とある大学生の発見と後悔

こんにちは。
朝生会の3人目のメンバー、かずです!
今回は、スマホやPC、携帯端末がない世界観のもと、とある小説を書いてみました。
読み切り小説なので、ぜひ見てみてください!


とある大学生の発見と後悔

『人生は、解かれるべき問題ではなく、経験されるべき現実である。』
デンマークの哲学者であるキルケゴールはこのような名言を残したといいます。私は、自身の経験を残すために、私が経験したことを日記として書き記し、残すことにしました。

雲一つない晴天のある日のことでした。
大学2年生である私は、今日もいつも通り大学に行くために身支度をします。とは言っても、大学で必要なものといえば、ノートとペン、そして最近流行している「交通系ICカード」という魔法のカードくらいです。
なんとこの「交通系ICカード」、いちいち駅で切符を買わなくても、チャージをすればそのカードにお金を入れられて、それで電車が乗れるんです。
また、その入っているお金で買い物も出来てしまうというすごいカードなんです。現金が必要なくなり、おつりという概念も無くなってしまう時代は、もうすぐそこなのかもしれません。
そんな現代の技術に感動しながら、身支度を終え、テレビを見ながら朝ごはんを食べます。
「今日は一日中晴れる予報でしょう。気温は27度ほどで過ごしやすい一日です。」どうやら今日は過ごしやすい一日のようです。良かった。
「次のニュースです。・・・」私が情報を仕入れるのは、このテレビしか基本的にありません。多くの人は新聞を読むそうですが、新聞は字が小さく細かいので、私には目が痛い。そのため、テレビだけで完結してしまいます。

お腹も満たし、ある程度の情報も収集したので、家を出ます。
私はこの家を出る瞬間から大学に着くまでの時間が人生で一番好きです。その理由は、道行く人々が友達と仲良く話し合ったり、学生が「遅刻遅刻~」と食パンを咥えながら走って、曲がり角で何かを持ちながら歩いていた子供とぶつかっている人を見たりするのが好きだからです。今日も賑やか街なみで自分も気持ちが高まります。さらに、今日でこの光景を見るのは何度目か、変わらない日々・当たり前の日々に安堵感さえも覚えます。
「いつ見てもこの町は綺麗だなぁ。特に今日のような良い天気だと、なお良いよね。」
このように、こんな通学路でも色んな発見があるのです。

しかし、そんな通学路にも危険は沢山潜んでいます。特に家を出てしまったら、親と連絡はできないため、何が起こるかわかりません。私は大学生ではありますが、親と連絡が取れないということで、やはり不安が募ることもあります。でも、そんな不安ばかり抱えていても何も成長できません。社会で生きていくためには前を向いて挑戦していくことが大切なのです。だから私は、今日も一生懸命大学へと向かうのです。

電車に乗り込むと私の大学の友達である野村くんがすでに椅子に座っていました。
実は、この野村くんと電車の中で会えるのか、会えないのかということが私にとって今日の一日の運勢を決める判断材料になっているのです。そもそも、簡単に連絡を取ることは物理的に難しいですから、前日の大学で○○分の電車の〇号車に乗ってねという風に話し合ってはいるものの、どちらかが遅れたり、急に休んだりすると会えない訳です。そのため、実際に現実で会えた実感は、何者にも代えがたい喜びを感じます。こんな風に通学路でドキドキできるのも青春の一環なのでしょうか。

野村くんとは小学生の頃からの友達で、よく公園で遊んだり、ショッピングモールのフードコートでカードゲームをして遊んだりした仲です。もう十年くらいの仲になりますが、一緒の大学に通えていること自体が幸せだとも感じます。
電車の中では、読書をしている人、新聞を読んでいる人、友達と喋っている人など、様々な人がいます。私も例外ではなく、そんな野村くんと楽しく話しています。
「今日って2限の講義、課題あったけ?」
「確か、大きな課題があるはずだよ。」
 それを聞いた野村くんは悲しい表情をしています。
「まじか。ちょっと見せてよ~」
「文字数指定多いから、すごい時間かかると思うよ。」
「コピー機みたいな機能が人間にも備わっていればいいのに~」
ちょっとよくわかりません。課題をしていない焦りで意味不明なことを発してます。
「まあ、この電車だったら早めに着くから頑張って課題やってね。自分のは見せないけど。」
「え。」
野村くんの悲痛の声が電車中で響きました。
そもそも、私は一度も見せるとは言っていませんし、見せたところで野村くんのためにもなりません。私は友達想いなので、友人だからこそ、ちゃんとするものはちゃんとして、そういう甘えはお互いのためにならないと考えています。ちなみに私も課題をやっていないということは口が裂けても言えません。
他にもプロ野球を見に行ったという話や最近近所で不審者がいるという話、何度か手紙を送って、ついに好きな人に自分の気持ちを伝えたら振られたという話など、大学生らしい話をしていました。こういう話は実際に会っているときでしかできません。そのため、ついつい話が盛り上がってしまい、車掌さんに注意を受けてしまったというハプニングもありましたが、無事に大学に到着しました。

大学では様々な発見があります。例えば、普通は自前のノートに先生が話しているのをメモしますが、ある人は教科書にメモをしたり、ある人はノートの他に辞書を持ち運んでいたりと様々です。
最近、私の大学ではプロジェクターという機械が導入され、先生の手元がテレビのように映るという魔法のようなものが教室に登場しました。他にも教室の機械に学生証をかざすと、それだけで出席になるという機能が学生証に付与されました。今までは手書きの出席カードを提出して、出席かどうかというものが判断されていましたが、なんだかここだけ住む世界線が違うような感じもします。
私は大学生になり、より色々なことを観察して、何かを発見するのが好きになりました。自分が知らなかったことを知ったときの嬉しさ、特に新しい気付きというものを得た時の快感が本当にたまりません。
0から1を知るというのは確かに学びという面で面白いけど、日常生活の中で視点を変えたり、経験を重ねたりすることでの気付きという方が私は、面白いと感じています。
だからこそ、自分が住んでいる街であったり、特にこの大学という環境は、新しい発見が沢山あり、私にとってはかけがえのない場所なのです。

お昼休みの時間になり、私は友達四人と一緒に食べるため、食堂へと向かいました。席にはすでに私以外の三人が座っており、何やら楽しそうな話をしているみたいです。
「やっぱり、想いを伝えるまでに時間がかかるのが良くなかったよね~」
木村さんが笑いながら野村くんの肩をたたきます。
「そんな度胸、野村には無いでしょ。」
 川崎さんも続いて野村くんの肩を叩きました。
「ちょっと慌ただしい感じとか、ミステリアスなところが好きだったのに・・・」
「野村はやっぱり年下が好みなのかな。」
 どうやら、電車の中で少し会話した野村くんの失恋話で盛り上がっているそうです。私はその三人の光景を眺めていました。
「でも悲しいよね。手紙が向こうに送られている間に、その子にも別の好きな子ができていたなんて。」
どうやら野村くんは、道端でその子を見つけ、一目惚れしてしまったそうです。そこから文通を始めたそうですが、ついに自分の気持ちを伝える内容の手紙を送ったところ、その子には別の好きな子ができてしまったそうです。
野村くんは悲しい顔をしながら「時差さえなければ。」などと、また意味不明なことをつぶやいていました。ちなみに、野村くんの2限の課題は間に合わず、教授に怒られていました。
私も恋愛をしたことがないので、あまり詳しくは分かりませんが、好きな子と会話をするためには、手紙という手段を用いることが一般的であるみたいです。そのため、気持ちを伝える架け橋になりたいということから郵便局で働きたい人が増えているとか。

そんな話をしていると、大学のテレビに今朝、不審者に子供が誘拐されたというニュースが流れてきました。
「これ、最近不審者がいるってニュースやってたけど、そいつじゃない?」
「確かに。」
「小さい子供にとっては通学路って怖いよね。」
「うちらも気を付けよう。」
そう四人で話し、私は改めて気を付けることにしました。やはり親と離れて通学するのは、大学生になっても慣れません。

午後の講義は野村くんと一緒に受け、その講義も終わり、改めて二人と合流することとしました。
合流するため、食堂に行くと、「子供、無事に保護されたらしいよ。」と川崎さんが私に教えてくれました。
木村さんも口をそろえて、「犯人も無事に捕まったみたい」とほっとしていました。
私もその話を聞けて、少しほっとしました。
「でも女子学生の振りをした大人の女性が犯人だったなんてね~。驚きだよ。」
「犯人は子供の居場所を知るために、ずっとつけてたみたい。」
 その言葉を聞き、私は何かに気づいてしまいました。気づいてはいけない何かを。
「その子供も最新のゲーム機で夢中だったみたいで、不審者に気づかなかったって。」
私はその気づいていない振りをしようと懸命に努力しましたが、心の奥底ではその行動に対して否定しています。
また、横にいた野村くんも手が震えています。
「どうやら捕まったその犯人は、遅刻した振りをして何日も被害者にぶつかってたらしいよ。」


いかがだったでしょうか?
ぜひ、コメントなどで感想を書いてもらえると嬉しいです!(好評ならまた小説を書いてみようかな)

また次回の投稿でお会いしましょう!

(かず)


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