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鳥の大群を描きたい

鳥の群れが好きです。
一羽をずっと観察するのも良いけど、たくさんの鳥たちが密集していたり、一斉に飛び立ったり、行儀よく並んだりしているのを見るのが特別たまらない。

密集していたり
密集していたり②
飛んでいたり
飛んでいたり②
並んだり
並んだり②


いつか、シギやチドリで埋め尽くされる干潟とか、シロカツオドリがぎゅうぎゅうに詰まったコロニーの風景を絵にしたい。

あのエネルギーひしめくダイナミックな空気を表現でしたいなあと思っているのです。


そのためには、その最小単位である一羽をまずは描けるようになる必要があります。
最終的に描きたいのは遠景なので、個々の鳥はニュアンスで単純化することもできるかもしれません。例えば私が敬愛しているスコットランドの版画アーティスト、Ingrid Nilssonさんは、シルエットだけでツバメを見事に表現しています。

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ただ、ディテールを削ぎ落とす作業は実は難しく、残す線が少ないからこそ、そのわずかな書き込みにあらゆる要素を託さなければなりません。単純な絵を表情豊かに描ける人、ちいかわの作者さんとか、リアルで精密な描写もとても上手いのだと思うのです、きっと。



千羽の空も一羽から、といいます。なので、一羽ずつ練習をしてみることにしました。最初はまるで団子みたいですが、5枚くらい描くうちに上達してきました。


まず、1枚目。

2Bエンピツ

ミユビシギを描こうとしたのですが、羽の複雑さを舐めていました。顔つきも心なしか不機嫌です。
見たまま描けると良いのですが、私の目の解像度だと羽の構造を正確に認識できておらず、よって、描けないことがわかりました。左脳で理解しないといけないようです。


なので、一度、写真の上からなぞってみることにしました。iPadのお絵描きアプリを使用します。

青の線でなぞっています


これと図鑑の解剖図を見ているうちに、羽のつき方の理解度が少し上がったので、改めてスケッチにチャレンジ。

良い感じです。ちょっと線が濃いかもしれません。


お次です。

違う写真を使ってみました。
ほっぺたに陰影が付きました。この段階でChatGPTに写真を送って種の同定をお願いすると、『ミユビシギの可能性が高い』と正解してくれました。忖度していないことを祈ります。


続いて4枚目。

夏羽に変わりつつある個体でした。実物はスマートなのに、この絵はまるまると太ってしまいました。
羽の描写に慣れてきました。


次がいったん最後です。

モデルは一つ前と同じ写真を使用しました。
メリハリが付いて、最初と比べてずいぶん良くなりました。ChatGPTも『繊細な観察力が光ります』とおおげさに褒めてくれました。


描くことで解像度が上がります。描きながら、自然が作り出す構造の素晴らしさをまたひとつ学びました。網膜では捉え切れていない美しさがまだまだあることを思い知りました。かわいいミユビシギの目の意外な思慮深さ、羽の規則的な畳まれ方、放射状に広がる白とグレーのコントラストの美しいこと…とか。

目ですら捉え切れないものを描き切るのは到底無理なのですが、こんなに美しいものはやっぱり描かざるをえない気持ちになります。


これを思うとき、頭に浮かぶ詩があります。

 いわずに おれなくなる
 ことばでしか いえないからだ

 いわずに おれなくなる
 ことばでは いいきれないからだ

 いわずに おれなくなる
 ひとりでは 生きられないからだ

 いわずに おれなくなる
 ひとりでしか 生きられないからだ

まど みちお


文脈も解釈もずれているかもしれませんが、この詩を読むと、「いわずにおれない」ことと「描かずにいられなさ」「書かずにいられなさ」が通じているような気がしてきます。言葉もそうだけど、かきたいものに少しでも近づくこと、伝えたいことを伝えること、それによって自然やあなたと繋がること。そのためには、やっぱりたくさん「かく」しかないのだと思いました。絵も文章も。


・・・いつの間か話が大きくなったので軌道修正します。。



今日も一枚描きました。今度はキョウジョシギです。

キョウジョシギは丸みのある顔と少し上に沿った嘴がキュートですね。
まだ一羽ずつしか描けないけど、いつかたくさんの鳥が飛ぶ風景を描きたいです。



おまけ
絵のモデル写真たち。

人を描く場合はモデルさんに許可をとりますが、鳥を描く場合は許可のとりようがなく、どこか後ろめたさを感じます。

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