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【Poiyomi 10.0.16】影の初期値が12項目書き換わった理由と対処


検証方法:
Discord #changelog のリリースノート原文
(10.0.13 から 10.0.16)を一次資料としています。
あわせてPoi.Pro.10.0.12と Poi.Pro.10.0.16のシェーダーを直接比較し
インスペクタに出る項目の増減と初期値を突き合わせました。
lilToon 側の値は公式リポジトリのタグ 2.3.3から取得しています。
以降に出てくる数値は、すべてこの比較で確認したものです。


はじめに

Poiyomi を最新版に上げたあと
何も触っていないはずの影の出方が前と違って見えませんか?

原因はマテリアルが壊れたことでも
ワールドのライトが変わったことでもありません。
10.0.13 から 10.0.16 までの4回の更新で
ライトの計算そのものと、影まわりの初期値が
まとめて書き換わったからです。

とはいえ「どこが変わったのか分からないと直しようがない」というのが
正直なところだと思います。
リリースノートは英語の箇条書きが100行以上あり
どれが自分に関係する項目なのか読み取りにくい状態です。

そこで今回は、変化したものをすべて洗い出しました。
インスペクタに出る項目は 3,655 から 3,682 に増えており
初期値が変わったのは12項目です。
このうち影に関する6項目は
lilToon 2.3.3 の値と小数点まで一致していました。

この記事では、12項目の旧値と新値を全部出したうえで
元の見た目に戻す設定値セットと、新しい初期値を活かす設定値セット
両方を用意しています。どちらを選ぶかの判断軸も添えました。

この記事でわかること:

  • 10.0.13 から 10.0.16 までの4版で何が起きたのかの全体像

  • 見た目が変わる原因が2種類あることと、それぞれ影響範囲が違う理由

  • 初期値が変わった12項目の旧値と新値、そして元に戻すための数値セット

  • 削除されて戻らない設定と、名前が変わって既刊のスクショと合わなくなる箇所

  • 更新後によくある5つの症状と、その切り分け方

この記事を買わなくていい人:

  • 無料版の Poiyomi Toon を使っている方(10.x 系は Pro 限定です。
    無料版の最新は 9.3.64 で、この記事の変更点は当てはまりません)

  • 10.0.12 以前で運用していて、当面アップデートの予定がない方

  • Lighting Type を触ったことがなく、アバターを配布されたままの設定で使っている方(原因1の計算変更だけ、無料パートを読めば足ります)

対象バージョン: Poiyomi Pro 10.0.16(2026年7月31日リリース)。

10.0系がここまでに何を積み上げてきたかは、既刊の総まとめ記事で解説しています。全体像から掴みたい方はそちらが入口になります。
【保存版】Poiyomi 10.0系 総まとめ|何が増えて何が変わった?(2026/7/12時点)


10.0.13〜10.0.16 で起きたこと

この4版は独立した更新ではなく、ひとつながりの改修です。順に見ると流れが分かります。

更新頻度がえらいことになっている表

10.0.15 のリリースノートには
開発者から「これがライトとシェーディングを大きく変える最後の更新であってほしい」という趣旨のコメントが添えられています。
そこから2日後に 10.0.16 が出た形です。

10.0.16 の冒頭は「コンパイルエラーの緊急パッチ」と書かれています。Parallax と Bent Normals、URP のベイクライティングで、シェーダーがコンパイルできなくなる不具合が直されました。10.0.15 を入れてマテリアルの表示がおかしくなった方は、ここで解消している可能性があります。


見た目が変わる原因は2種類ある

ここが今回いちばん大事なところです。
「アップデートしたら見た目が変わった」を一括りにすると
直し方を間違えます。

原因は次の2つに分かれ、影響を受ける対象がそれぞれ違います。

原因1: ライトの計算が作り直された

既存のマテリアルにも影響します。設定値は変わっていないのに、その値から計算される結果が変わるためです。シェーダーは「設定値を受け取って色を決める計算式」なので、式のほうが変われば、同じ数値を入れていても出てくる色が変わります。

原因2: 初期値が12項目書き換わった

影響するのは、これから新しく作るマテリアルと、シェーダーを付け替えたときです。Unity のマテリアルは自分で設定値を保存する仕組みになっており、一度保存された値はシェーダー側の初期値が変わっても書き換わりません。逆に、新しくマテリアルを作ったときや、別のシェーダーから Poiyomi に切り替えたときは、そのときの初期値が読み込まれます。

つまり「手持ちのアバターの見え方が変わった」なら原因1
「同じ手順で作ったのに前と違う仕上がりになった」なら原因2
という切り分けになります。

この2つは対処法も逆です。原因1は数値を調整し直して合わせにいくしかありませんが、原因2は旧い初期値を入れ直せば元に戻ります。後半でその数値セットを全部出します。


原因1: ライトの計算が作り直された

10.0.13 のリリースノートは、ライティング関連だけで20行以上あります。追加ライトのクッキー、トゥーンランプ、GI の寄与、サブサーフェススキャタリング、異方性ハイライトの距離減衰と、広い範囲に手が入りました。

そのうえで 10.0.15 では、Lighting Type の Realistic だけが 10.0.11 の状態に巻き戻されています。写実寄りのモードは Unity 標準シェーダーに近い見え方を保つ、という方針が示されました。

そして 10.0.16 で、残りのモードについて「9.3 に近い見え方に戻す」調整が入りました。リリースノートでは Non-Photorealistic Rendering という表現が使われていますが、これはインスペクタに出てくる名前ではありません。Lighting Type の9つの選択肢のうち、Realistic 以外を指していると読むのが自然です。

Lighting Typeの大幅な変更

元に戻す作業が2回に分かれていた、という点が読み取れます。
10.0.15 に上げても自分のアバターが戻らなかった方は
10.0.16 でもう一度見え方が動く可能性があります。

Lighting Type ごとの影色の詰め方そのものは、この改修の前後で考え方が変わっていません。お悩み別の調整手順は既刊にまとめてあります。
【v10.0.9対応】Poiyomi Shadingセクション完全ガイド|お悩み別7レシピ

Add Pass の担当範囲が変わった

見出しのラベルが変わっており、ここは意味も変わっています。

どこにあるのって話

Poiyomi はライトを2つの枠に分けて処理しています。
Base Pass が主となるディレクショナルライトとベイク済みの光
Add Pass がポイントライトやスポットライトです。
10.0.16 では、2本目以降のディレクショナルライトが Add Pass 側で処理されることが、名前の上でも表に出ました。

あわせて Ignore Directional Lights の初期値が オン から オフ に変わりました。この項目は追加ライトの計算からディレクショナルライトを外すチェックで、10.0.13 で「チェックが正しく効くようになり、初期値をオフにした」と説明されています。

ディレクショナルライトが複数置かれたワールドでは、以前より明るく見えることがあります。撮影用のワールドは太陽光に加えて演出用の平行光を置いていることがあるため、そういう場所で白飛びが出たらこの項目を疑ってください。


原因2: 初期値が12項目書き換わった

初期値が変わっていたのは12項目でした。
内訳は Subsurface Scattering が4項目、Multilayer Math の影が6項目
Light Data が2項目です。

このうち Multilayer Math の6項目には、はっきりした出どころがありました。10.0.16 のリリースノートに「Multilayer Math の初期値を lilToon 2.3.3 に合わせた」という1行があります。
実際、6項目すべてが lilToon 2.3.3 の値と小数点まで一致していました。

たとえば影の色は `(0.82, 0.76, 0.85)` という薄い紫寄りのグレーで、これは lilToon の初期値そのものです。2層目の影も、10.0.12 では透明(アルファ0)で実質無効だったものが、色付きの `(0.68, 0.66, 0.79)` に変わっています。

つまり Multilayer Math は、名前だけでなく初期状態まで lilToon に寄せられたことになります。lilToon から移ってきた方にとっては、変換直後の影の出方が本家に近づく変更です。


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