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知恵

子どものとき
習字の時間が好きにはなれませんでした。
墨をするのは面倒だし
手は汚れるし
そもそも
上手く書けないので
楽しくなるはずもありません。


ところで
あの頃手を汚していたのは
「墨」ですが
音が同じなのが
「炭」です。
色は黒
触れば手がその色になることも同じ。
しかし
墨は煤と膠を混ぜ合わせたもの。
炭は有機物を炭化させたものであり
木炭であれば
木を炭化させたもの。
似て非なるものだと言えるかもしれません。


さて
その木炭。
昭和時代の前半のように
日常的に使用することはありませんが
レジャーの場面で重要な役割を担います。
炭火焼きと言われれば
何となく心が惹かれるし
この時期ならば
バーベキューで大活躍。
安定した火力と
燃焼時間は
固形燃料の比ではありません。
しかも
使用後には
火消し壺に入れれば再利用可能となれば
一体
誰が考え出したのだろうと
ただただ感心するばかり。

ものの本によれば
炭焼きは
日本の山村に
はるか昔から伝わる伝統的な技術。
木炭は
新石器時代の頃から用いられていたと
推定されているとのこと。
弥生時代には
鉄器づくりのために
さかんに生産されるようになったようです。

科学も化学も未確立の時代。
自然と共存し
より良く生きるための術を
身に付けた先人たち。
その様々な知恵から学べることが
たくさんあるのかもしれません。


科学技術の発達とともに
利便性が追求され
自然との共存を忘れつつある現代。

我々は
未来に単なる知識や技術ではなく
「知恵」
を残せているのだろうかとふと思う
ある夏の日。