見出し画像

ドーハの悲劇を知る世代が、日本代表の4得点に思うこと

 今日、ワールドカップの日本代表対チュニジア代表の試合を見ました🏆

 正直に言えば、勝ってほしいとは思っていましたが、ここまでしっかり勝ち切るとは想像していませんでした。

 結果は4対0。

 ワールドカップという大舞台で、日本代表が相手を押し込み、自分たちの形から得点を重ね、最後まで主導権を渡さずに勝利しました。

 単に勝っただけではありません。

「日本は世界を相手に、ここまで堂々と戦えるようになったのか」

 試合を見終えたあと、そんな感慨が残りました。

日本らしい形で奪った4得点

 今日の日本代表には、これまで積み重ねてきたサッカーがよく表れていました。

 中盤でボールを動かしながらリズムを作り、相手の守備を見て縦パスを入れる。中央に変化をつけたところからサイドへ展開し、ゴール前へ人数をかける。

 ボールを失った場面でも、すぐに複数の選手が反応して奪い返しに行く。守備に回ったときにも受け身にならず、前向きな姿勢がありました。

 かつての日本代表には、世界を相手に耐え続け、少ない好機に賭けるような試合も少なくありませんでした。

 しかし、今日の日本は違いました。

 相手に合わせて何とかしのいだのではなく、自分たちの設計したサッカーをピッチ上で再現し、その形で得点を重ねていました。

 日本代表が「番狂わせを狙う側」から、「自分たちの勝ち方を持つ側」へ移りつつあることを感じました。

上田綺世選手の「これぞストライカー」という2得点

 特に気持ちよかったのは、上田綺世選手の2ゴールです。

 日本代表は以前から、組織的にボールを運び、良い形でゴール前まで進みながら、最後の一撃を決め切れない試合がありました。

「内容は悪くなかった」
「チャンスは作れていた」

 そう言いながら、結果だけがついてこない。そんな煮え切らない気持ちを何度も味わってきました。

 しかし今日の上田選手は、チームが作った流れをストライカーとしてきっちり得点に変えてくれました。

 迷いなく振り抜き、ゴール前では力強く仕留める。

 組織的な攻撃の最後に、得点を取ることを仕事にする選手がいる。これは非常に心強いことです。

 「これぞストライカー」と言いたくなる2ゴールでした。

主力が欠けても、別の強みが出てくる

 そして今回、得点以上に頼もしさを感じたのが、日本代表の選手層の厚さです。

 三笘薫選手や遠藤航選手が離脱し、久保建英選手も負傷によって出場できない。以前の日本代表であれば、これほど中心選手が欠けると、チーム全体の力が大きく落ちることも珍しくありませんでした。

 主力と控えの差が大きく、代わりに入った選手には「何とか穴を埋めてほしい」と願う。そんな時代もありました。

 ところが、現在の日本代表は違います。

 三笘選手がいなくても、伊東純也選手が縦へのスピードと突破力で違いを作る。久保選手が出られなくても、別の組み立て方で攻撃を成立させる。遠藤選手が不在でも、田中碧選手が中盤から縦パスを入れ、チームを前進させる。

 特に3点目の、田中選手の縦パスから上田選手がフリックし、最後に伊東選手が決めた流れは見事でした。

 日本らしい組織的な攻撃と、交代・起用された選手たちの個性がきれいに噛み合った得点だったと思います。

 今の日本代表のベンチにいるのは、単なる「主力の代役」ではありません。
 それぞれ異なる武器を持ち、試合に別の答えを持ち込める選手たちです。
 控え選手が穴を埋めるのではなく、違う形でチームを強くする。

 この変化こそ、日本代表の層が本当に厚くなった証拠ではないでしょうか。

ドーハの悲劇から、ここまで来た

 私は、1993年の「ドーハの悲劇」を知っています。
 当時の日本にとって、ワールドカップは出場すること自体が夢と奇跡でした。

 あと一歩で初出場を逃したあの瞬間、日本中が言葉を失いました。それから日本は初出場を果たし、グループリーグを突破し、世界の強豪国にも勝つようになりました。

 そして今では、強豪オランダに2度リードされながら追いつき、続くチュニジア戦では4得点を奪って完勝しています。

 ワールドカップに出られるかどうかを祈っていた国が、今では「決勝トーナメントでどこまで勝ち進めるか」「本当にベスト8の壁を越えられるか」を語っています。

 もちろん、チュニジアに勝っただけで、日本が世界の頂点に立てると断言するのは早すぎます。

 決勝トーナメントでは、さらに強度が上がります。疲労や負傷、相手の対策も含めて、本当の選手層が問われるのはこれからでしょう。

 それでも、主力級の選手が複数欠けるなかで、自分たちのサッカーを崩さず4対0で勝ち切った事実は大きいと思います。

 日本代表は、世界に挑戦するだけのチームではなくなりました。

 世界の舞台で、自分たちの力をどう発揮し、どう勝つかを考えられるチームになっています。

 ドーハの悲劇を知る世代として、その歩みを思うと感無量です。

 今日の試合は、ただ気持ちのよい勝利だっただけではありません。

 日本サッカーが長い時間をかけて積み重ねてきたものが、4つのゴールと、頼もしい選手層の厚みとして見えた試合でした。

 ここから日本代表が、どんな景色を見せてくれるのか。
 期待しすぎないようにと思いながらも、やはりワクワクしますね😆


いいなと思ったら応援しよう!

El hombre gato もし、サポートしたいと思っても、そのお金はここではないあなたの大切なこと使ってください。

この記事が参加している募集