【せりふ三題噺】乾杯は娘の得意ごと|879字
「ん〜、どうしたものか。」
21××年の1月5日。
仕事始めから僕は頭を抱えていた。
十年来のお客さん、生田さんのヒューマノイドのメンテナンスをしているが、昔からどうしても解消できないことがある。
まずこのヒューマノイド。
生田さんの娘が3歳の頃に亡くなり、娘の代わりとして一緒に暮らしているロボットだ。
まだまだ人としてぎこちない点はいくつかあるも、技術は飛躍的に進歩し、"人"と認識してしまうほどの存在となっている。
で、僕が悩まされているのは、
このヒューマノイド、何故か階段が苦手。しかも、その状態で振袖を着させたいとのこと。
11日にある成人式に出席させたいそうだ。
その会場が階段が多い…。
ってか、なぜそんな会場になったんだよ。
付き添いがないとひっくり返る可能性が高い。
だがやはりロボット。
重さがある為、付き添いが妻だけでは危ないと、年末前に旦那さんから相談を受けていた。
以前からメンテナンスをしつつ、アンインストールしたり、プログラムをできるだけ見直したりとしているが、どうもヒューマノイドによって何かしらの得意不得意があるようだ。
そこに少し、いや、そのせいでグッと人間臭さが増す。錯覚させられる。
「どう?やっぱり難しい?」
奥さんが訪ねてきた。
「この子の個性ですね…。解消はできないようです。すみません。」
がっかりするかと思ったが、
奥さんはなんだかほっとしていた。
「ふふっ。前にもお話したけど、3つだった娘は階段が苦手だったの。ヒューマノイドで大きくなった姿を見ているけど、娘と同じところを見る度に『あ、娘だ』って…。あとね、娘が好きだった『乾杯〜!!!』ってする姿もすごく似てるのよ。」
嬉しそうで悲しそうな目をしていた。
「教えた訳じゃないの。この子は本当に娘の生き写し。だから苦手でいいのよ。」
明後日引き取りに来ると言われ、帰っていった。
電源を切っている娘の目を見た。
この子はどんな想いで、日々人間と過ごしているのか。
かなしい、たのしい、ねむいー
やはりプログラムだけで全て動いているのか?
…ってそんなの当たり前だろ。
頬をぱちっと叩き、明後日の準備に取り掛かった。
879文字
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はらとけいさんのお題に参加させていただきました♪ 6回目の参加です!
■せりふ
「乾杯!!!」
■三題
・アンインストール
・階段
・振袖
成人式か…(遠い目👀)
〽︎い〜つの〜こと〜だか〜
思い出してご〜らん…
結ってた髪がとてつもなく痛くて。
頭皮取れるかもってくらいだったから、我慢できずに家に帰って解くと、髪ぐちゃぐちゃで爆発💥
スプレーでガッチガッチ、おまけのガッチにしてたから。時代ですねぇ。
結局その日の夜、同窓会行けず…😂
とっても心残り。
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